中小企業の「テレワーク」実態調査テレワーク導入企業は14%と...

中小企業の「テレワーク」実態調査 テレワーク導入企業は14%と、 2017年より6ポイント上昇。 導入目的は「生産性の向上」「多様性のある働き方」 「通勤困難社員への対応」。

―『人事のミカタ』アンケート―

人材採用・入社後活躍のエン・ジャパン株式会社(本社:東京都新宿区、代表取締役社長:鈴木孝二)が運営する人事向け総合情報サイト『人事のミカタ』( https://partners.en-japan.com )上でサイトを利用している従業員数300名未満の企業を対象に「テレワーク」についてアンケート調査を行ない、491社から回答を得ました。以下、概要をご報告します。


調査結果 概要

★ テレワーク導入企業は14%。2017年より6ポイント上昇。


★ テレワークの導入形態は「自宅利用型」、対象者は「内勤中心の社員」が最多。導入目的は「生産性の向上」「多様性のある働き方」「通勤困難社員への対応」。


★ テレワークを導入して良かったことは「通勤困難社員の継続勤務が可能になった」。難しかったことは「時間管理」「利用条件や業務ルールの設定」。


★ テレワーク未導入企業の理由、トップ3は「テレワークに適した業務がない」「企業規模が小さい」「必要性を感じない」。 


★ 今後のテレワーク方針、導入企業のうち8割は「今後も積極的に推進」、未導入企業の2割は「これから導入を検討中」。



調査結果 詳細

1:テレワーク導入企業は14%。2017年より6ポイント上昇。(図1~図3)

「貴社ではテレワークを導入していますか?」と伺うと、14%が「導入している」と回答しました。2017年に実施した調査より6ポイント上昇しています。導入の進み具合では、企業規模別では「100~299名」(17%)、業種別では「IT・情報処理・インターネット関連」(29%)がそれぞれ最多でした。


【図1】貴社ではテレワークを導入していますか?


【図2】貴社ではテレワークを導入していますか?(企業規模別)


【図3】貴社ではテレワークを導入していますか?(業種別)



2:テレワークの導入形態は「自宅利用型」、対象者は「内勤中心の社員」が最多。導入目的は「生産性の向上」「多様性のある働き方」「通勤困難社員への対応」。(図4~図6)

テレワーク導入企業に導入形態と対象者の条件を伺うと、導入形態は「自宅利用型テレワーク(在宅勤務)」(81%)、対象者は「内勤中心(エンジニア、企画、総務など)の社員」(54%)が最多でした。


テレワーク導入の目的を伺うと、トップ3は「業務効率(生産性)の向上」(60%)、「多様性のある働き方の実現」(59%)、「通勤困難社員への対応」(49%)でした。


【図4】「テレワークを導入している」と回答した企業に伺います。どのような形態のテレワークを導入していますか?(複数回答可)


【図5】「テレワークを導入している」と回答した企業に伺います。テレワーク対象者の条件について教えてください。(複数回答可)


【図6】「テレワークを導入している」と回答した企業に伺います。テレワーク導入の目的は何ですか?(複数回答可)


3:テレワークを導入して良かったことは「通勤困難社員の継続勤務が可能になった」。難しかったことは「時間管理」「利用条件や業務ルールの設定」。(図7、図8)

テレワーク導入企業に「導入して良かったこと」を伺うと、最も多かったのは「通勤困難社員が継続して働くことが可能になった」(40%)でした。


回答した企業からは、「旦那さんの転勤の影響で北海道に引っ越しが決まった方にテレワークでの勤務継続を相談。現在も働いてくれており、社内では4番目に長い勤続年数となっている」(IT・情報処理・インターネット関連/1~49名)といったコメントが寄せられました。


次いで、「業務効率(生産性)の向上に繋がった」(36%)、「多様性のある働き方を選ぶ社員が増えた」(30%)が上位に挙げられています。


一方、「導入の上で難しかったこと」を伺うと、第1位は「テレワーク社員の時間管理」(68%)、第2位は同率で「テレワークの利用条件設定※自然災害時、月に4日まで、など」(59%)、「テレワーク時の業務ルールの設定※始業・終業の連絡・会議出席など」(59%)が続きます。


回答した企業からは、「原則、家庭の事情でやむを得ない場合のみ受け入れているが、通勤時間などの理由で他の社員からもテレワークの希望があり、公平性を示すのが難しかった。また、在宅勤務時の中抜けの扱いなど、時間管理のルール設定が難しかった」(IT・情報処理・インターネット関連/1~49名)という声が寄せられました。


【図7】「テレワークを導入している」と回答した企業に伺います。テレワークを導入して良かったことは何ですか?(複数回答可)


【図8】「テレワークを導入している」と回答した企業に伺います。テレワーク導入の上で難しかったことは何ですか?(複数回答可)



4:テレワーク未導入企業の理由、トップ3は「テレワークに適した業務がない」「企業規模が小さい」「必要性を感じない」。(図9)

テレワーク未導入の企業に理由を伺うと、トップ3は「テレワークに適した業務がない」(48%)、「企業規模が小さいから」(36%)、「必要性を感じないから」(34%)でした。


【図9】「テレワークを導入していない」と回答した企業に伺います。テレワークを導入していない理由は何ですか?(複数回答可)



5:今後のテレワーク方針、導入企業のうち8割は「今後も積極的に推進」、未導入企業の2割は「これから導入を検討中」。(図10)

テレワークに対する今後の方針について伺うと、導入企業の80%が「今後も積極的に推進する」と回答しました。未導入企業のうち、「これから導入を検討する」と回答したのは19%。約半数は「今後も導入予定はない」(47%)と回答しました。テレワーク導入に肯定的な企業のコメント、また難しいと感じている企業のコメントも紹介します。


【図10】今後、貴社でのテレワークに対する方針について教えてください。



テレワーク導入に肯定的なコメント

・最近は業務可視化ツールが登場してきているので、今まで難しかったテレワーク社員の正確な勤務実態の把握と個人評価が可能になるのではと期待しております。(サービス関連/1~49名)


・テレワークは企業の業態に大きく左右されますが、働き方の自由度をあげるためにはできる企業はどんどん導入したらよいと思います。(IT・情報処理・インターネット関連/1~49名)


・育児中の社員の活用につながるので、有益と感じます。(流通・小売関連/100~299名)


テレワーク導入に懐疑的なコメント

・情報漏洩が心配です。あとは従業員のサボりも気になります。(広告・出版・マスコミ関連/1~49名)


・導入にあたり初期投資も必要。成果につながるまでの期間を考えると、割に合わないと感じる。(金融・コンサル関連/50~99名)


・テレワークの導入により勤怠管理や業務管理などが難しくなり、徹底した成果主義をとれるような体制でないと導入は難しいと感じる。(メーカー/100~299名)


※()内は業種/従業員数



【調査概要】

■調査方法:インターネットによるアンケート

■調査対象:『人事のミカタ』( https://partners.en-japan.com/ )を利用している従業員数300名未満の企業

■有効回答数:491社(1~45名:222社、50~99名:144社、100~299名:125社)

■調査期間:2019年6月12日 ~ 7月16日



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