アトピー性皮膚炎の発症に関わるサイトカインを抑制する天然成分...

アトピー性皮膚炎の発症に関わる サイトカインを抑制する天然成分を竹から発見、 新しいアトピー対策の普及に期待

竹酢液を配合したスキンケアを販売する株式会社アトピディア(所在地:大阪市浪速区、代表取締役:浄弘 貴子)は、アトピー性皮膚炎の発症に関与が認められているサイトカイン(ヒトの細胞から分泌される免疫を制御するタンパク質)の1つである「IL-33」の発現を抑制するエキスを竹の幹から抽出することに成功し特許を取得いたしました(特許:第6487613号、発明の名称:IL-33発現抑制剤の製造方法)。



ヒト表皮角化細胞を用いたIL-33発現解析


アトピー性皮膚炎に悩まされる方の多くが、「症状の再発」や「いい状態を長く保てない」という悩みを抱えています。慢性的にくり返す激しいかゆみと皮膚炎に悩まされる患者さんのQOL(生活の質)の改善に貢献するため、まずは12月より自社の約16,000名の会員に向けて、発見した竹エキスを配合した外用剤の提供を開始します。



■研究のポイント

(1)竹の持つ成分に、IL-33の過剰な発現を抑制する効果があることを発見した。

(2)過剰なIL-33を抑制することで、アトピー性皮膚炎の発症や重症化を予防する効果が期待できる。


【研究の背景】

アトピー性皮膚炎の原因については、免疫異常・バリア機能の異常・フィラグリン遺伝子変異など様々な学説が明らかにされるなかで、患者の皮膚(角層)では共通して「IL-33」が過剰に存在していることが判明しています。IL-33は免疫細胞を活性化するタンパク質で、花粉症や喘息、アレルギー性鼻炎などの発症を誘導あるいは症状を悪化させることが明らかになっています。


【研究の成果】

竹を薫化してつくる竹酢液には殺菌、消炎、痒みを抑えるといった作用があるものの燻製のような香りが敬遠されるため、薫化せずに竹の有効成分を抽出する方法について研究を続けて参りました。

粉砕した竹をそのまま溶媒に浸して抽出したエキスには特に効果は認められませんでした。そこで、竹にさまざまな前処理を行ったうえで抽出を試みたところ、粉砕した竹を70℃で焙煎しさらに天日乾燥し、30℃の環境下で抽出したところ、エキスに明らかな臨床的な効果を感じるに至りました。そして、ヒト表皮角化細胞を用いたIL-33の発現抑制効果を測定したところ、IL-33の発現を大幅に抑制する結果が得られました。



■参考

《ヒト表皮角化細胞を用いたIL-33発現抑制効果の測定結果》



【図1】竹抽出エキス1~5のIL-33発現抑制効果の測定結果


【図2】竹抽出エキス1~5の製造条件


●焙煎しない竹から抽出したエキスには、十分なIL-33の発現抑制効果が認められなかった。したがって、焙煎工程が必要であることがわかった。(試験サンプル2)

●高温(90℃以上)で焙煎した竹から抽出したエキスには、IL-33の発現抑制効果が認められなかった。したがって、焙煎温度は90℃よりも低い方が好ましいことがわかった。(試験サンプル3)

●天日乾燥しない竹から抽出したエキスには、試験サンプル1と比較するとIL-33の発現抑制効果が低かった。したがって、天日乾燥することが好ましいことがわかった。(試験サンプル4)

●40℃以上で抽出したエキスには、IL-33の発現抑制効果が認められなかった。したがって、抽出温度は40℃よりも低い方が好ましいことがわかった。(試験サンプル5)



■開発者(浄弘貴子)が発見に至った経緯と想い

幼少時よりアトピー性皮膚炎に苦しみ、24歳のころには長年に渡って使用してきたステロイド外用剤を一切絶ち、激しい痛みと痒み、さらに2週間で7kgの体重減少の末、劇症肝炎の疑いとの診断を受けて緊急入院となる。その後もアトピーは悪化の一途をたどり、あらゆる民間療法を試すも改善の気配すら感じられず、最後は宗教にすがるまでに追いつめられる。


33歳の頃、手首から先を切り落としたい程の激しい痒みと痛みに襲われ病院へ行くも、治療方法がないと言われ「自分で何とかするしかない」と決意。症状にあわせて使い分けることで効果を発揮する「お薬に頼る前のスキンケア」というコンセプトでスキンケアブランド「アトピディア」を立ち上げ、アトピー性皮膚炎や手湿疹で悩む方々によるモニターテストで80%以上の方に認められるまで改良を繰り返し、この基準をクリアしたものだけを商品化する。


配合していた竹酢液の燻製香が苦手というお客様の声により、完全脱臭を目標に研究を開始したが「香り成分=有効成分」ということが判明し、燻製香だけを除去することを断念。それでも、竹には必ず効能をもつ成分が存在するはずだという強い想いから、新しい竹エキスの抽出方法の研究を開始。


淡路島より竹を持ち帰り、様々な温度で竹を焙煎しては天日乾燥するという作業を何度も繰り返す。そして3年が経過した頃、試作した竹エキスを自身の症状に試す中で効果を確信し、第三者機関による検証実験を経て「IL-33発現抑制剤の製造方法」で特許を取得した。



■会社概要

会社名 : 株式会社アトピディア( http://www.atopidea.com )

所在地 : 大阪市浪速区元町1-2-17 エスペラントビル8F

代表者 : 代表取締役 浄弘 貴子

設立  : 2001年2月

資本金 : 1,000万円

事業内容: 竹から抽出した化粧品原料の研究開発および製造、販売

      竹由来成分を配合した化粧品・医薬部外品の開発及び販売

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