2019年度省エネ大賞にて、栗田工業株式会社の 「ドロップワイズテクノロジーによる熱伝達率の向上」が 「資源エネルギー庁長官賞」を受賞
栗田工業株式会社(本社:東京都中野区、社長:門田 道也)は、一般財団法人省エネルギーセンター(後援:経済産業省)が主催する「2019年度省エネ大賞(製品・ビジネスモデル部門)」において、「資源エネルギー庁長官賞」を受賞しました。受賞対象となったテーマは、「ドロップワイズテクノロジーによる熱伝達率の向上」です。当社が省エネ大賞を受賞するのは、2017年度の「ドリームポリマー(R)(省エネルギーセンター会長賞)」に次ぎ、2回目となります。
省エネ大賞は、事業者や事業場等において模範となる省エネルギーへの取り組みや、省エネルギー性に優れた製品並びにビジネスモデルを表彰するもので、日本国内の省エネルギー意識の拡大、省エネルギー製品の普及促進、省エネルギー型社会の構築に寄与することを目的に実施されています。本年度の省エネ大賞では、受賞テーマとして計52件が選出され、製品・ビジネスモデル部門の「資源エネルギー庁長官賞」では全5件が受賞しました。
今回の当社受賞テーマでは、新技術「ドロップワイズテクノロジー」により省エネルギーを実現する取り組みとその技術が評価されました。一般的に、ボイラで発生した蒸気を用いる熱交換器では、蒸気側の金属表面で蒸気の凝縮により水膜が形成されます。この水膜はわずかな厚みであっても熱伝達率を大幅に低下させるため蒸気使用量の増加を招き、より多くのエネルギーを消費し生産性の低下につながります。ドロップワイズテクノロジーは、熱交換器の金属表面に撥水性を与え、水膜を除去することで、熱伝達率を向上させる滴状凝縮技術で、蒸気使用量削減による省エネルギーや、生産性向上を実現します。また、熱交換器直前の蒸気ラインに撥水機能を有した水処理薬品を添加するだけで効果を発揮するため、生産設備を稼働させたまま適用することが可能です。
当社では現在、本技術を用いたソリューションを様々な業種に展開しており、製紙工場では年平均5-10%の蒸気原単位低減およびCO2排出量削減の効果を確認しています。さらには、IT・センシング技術を組み合わせて省エネルギー効果をより高める事が可能です。今後はエネルギー使用量削減や生産量の増加といった生産設備におけるメリットをお客様とシェアする契約型ビジネスとして展開していきます。
クリタグループは中期経営計画MVP-22において、「水資源の問題の解決」「持続可能なエネルギー利用の実現」を重点的に取り組むべき社会課題と捉え、社会との共通価値の創造に注力しています。産業におけるエネルギー使用をいかに最適化できるかがクローズアップされる中で、当社グループは工場全体のエネルギー利用効率改善の実現を目指し、今後もお客様とともに持続可能なエネルギー利用を追求してまいります。
<補足資料>
「ドロップワイズテクノロジー」の概要
撥水機能を有した薬品中の成分が金属表面に吸着し、凝縮形態を膜状から滴状に変化させます。
熱抵抗となる水膜が除去されるので、熱伝達率が向上します。
・撥水性なし
熱交換器の金属表面には、水膜が形成され、熱伝達を阻害してしまいます。
・撥水性あり
撥水性をもたせることで、蒸気の凝縮形態が膜状から滴状に変化するため、熱伝達率が向上します。
<「省エネ大賞」表彰式および展示・説明について>
「2019年度省エネ大賞」の表彰式は、1月29日(水)に東京ビッグサイトで開催される「ENEX2020第44回地球環境とエネルギーの調和展」にて行われます。また、同会場にて、「ドロップワイズテクノロジー」の説明(受賞者による発表)・パネル展示を行う予定です。
<参考> 関連情報 リンク先
「ドロップワイズテクノロジー」紹介ページ
https://kcr-pg.kurita.co.jp/MaterialList_Kurita_DW.html
「ドリームポリマー(R)」の「省エネ大賞」に関するプレスリリース 2018年2月1日
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