従業員数1,000名未満の企業500社に聞く「働き方改革法」...

従業員数1,000名未満の企業500社に聞く 「働き方改革法」実態調査 60%が“働き方改革法”に対応完了。 働き方改革により労働環境の改善を実感した企業は、31%。 「悪くなった」を、22ポイント上回る。

―『人事のミカタ』アンケート―

人材採用・入社後活躍のエン・ジャパン株式会社(本社:東京都新宿区、代表取締役社長:鈴木孝二)が運営する人事向け総合情報サイト『人事のミカタ』( https://partners.en-japan.com )上でサイトを利用している従業員数1,000名未満の企業の人事担当者を対象に「働き方改革法」についてアンケート調査を行ない、509社から回答を得ました。以下、概要をご報告します。

 

調査結果 概要

★ 60%が「“働き方改革法”に対応完了した」と回答。

★ “働き方改革法”の中で、もっとも対応が進んでいるのは「年次有給取得の義務化」、進んでいないのは「高度プロフェッショナル制度の創設」。

★ “働き方改革法”の中で、経営に支障が出ている項目トップ3は「時間外労働の上限規制」「年次有給取得の義務化」「同一労働同一賃金の義務化」。

★ 働き方改革により労働環境の改善を実感した企業は、31%。「悪くなった」を、22ポイント上回る。

 

 

調査結果 詳細

1:60%が「“働き方改革法”へ対応完了した」と回答。(図1、図2)

“働き方改革法”の認知度を伺ったところ、99%が「知っている」(内容も含めて知っている:45%、概要だけ知っている:54%)と回答しました。“働き方改革法”への対応状況を伺ったところ、60%が「対応完了した」(全て対応を完了した:5%、おおむね対応を完了した:55%)と回答しました。企業規模別にみると、企業規模が大きくなるほど対応完了の割合が高くなっています。

 

【図1】2019年4月から施行され始めた“働き方改革法”はご存知ですか?(年度別)


 

【図2】“働き方改革法“への対応状況を教えてください。(企業規模別)


 

2:“働き方改革法”の中で、もっとも対応が進んでいるのは「年次有給取得の義務化」、進んでいないのは「高度プロフェッショナル制度の創設」。(図3~図11)

“働き方改革法”の各項目における対応状況を伺ったところ、もっとも対応の進んでいるのは「年次有給取得の義務化」で83%(全て対応を完了した:42%、おおむね対応を完了した:41%)、最も進んでいないのは「高度プロフェッショナル制度の創設」で24%(同:12%、12%)でした。

 

【図3】“働き方改革法”の各項目の対応状況を教えてください。


 

【図4】「時間外労働(残業)の上限規制」への対応状況を教えてください。(企業規模別)


 

【図5】「年次有給取得の義務化」への対応状況を教えてください。(企業規模別)


 

【図6】「同一労働同一賃金の義務化」への対応状況を教えてください。(企業規模別)


 

【図7】「勤務間インターバル制度の普及推進」への対応状況を教えてください。(企業規模別)


 

【図8】「産業医の機能強化」への対応状況を教えてください。(企業規模別)


 

【図9】「高度プロフェッショナル制度の創設」への対応状況を教えてください。(企業規模別)


 

【図10】「フレックスタイム制の清算期間延長」への対応状況を教えてください。(企業規模別)


 

【図11】「中小企業の時間外割増率猶予措置の廃止」への対応状況を教えてください。(企業規模別)


 

 

3:“働き方改革法”の中で、経営に支障が出ている項目トップ3は「時間外労働の上限規制」「年次有給取得の義務化」「同一労働同一賃金の義務化」。(図12、図13)

“働き方改革法”施行による経営への影響を伺ったところ、42%が「支障が出ている」と回答しました。経営に支障が出ている具体的な項目を伺うと、トップ3は「時間外労働の上限規制」(65%)、「年次有給取得の義務化」(61%)、「同一労働同一賃金の義務化」(45%)でした。

 

【図12】“働き方改革法“が施行されたことで、経営に支障が出ていますか?


 

【図13】 「“働き方改革法”施行で、経営に支障が出ている」と回答した方に伺います。経営に支障が出ている項目はどれですか?(複数回答可)


 

 

4: 働き方改革により労働環境の改善を実感した企業は、31%。「悪くなった」を、22ポイント上回る。(図14)

「“働き方改革法”により、企業の労働環境や、日本が良くなっていると思いますか? 」と伺うと、31%が「良くなっていると思う」(とても良くなっていると思う:1%、良くなっていると思う:30%)と回答。「悪くなっていると思う」(9%)を22ポイント上回る結果となりました。それぞれ具体的なエピソードも紹介します。

 

【図14】 “働き方改革法“により、企業の労働環境や、日本が良くなっていると思いますか?


 

 

「とても良くなっていると思う」「良くなっていると思う」と回答された企業のコメント

・まだ実感はありませんが、社員の健康面なども良くなり、自由な時間ができるとお金も使うことも増えると思うので最終的には社会が活性化すると思います。(印刷/1~9名)


・法律を理由に、有給消化や残業減を言いやすくなったと考えます。当たり前の権利を行使できない経営は淘汰されるべき。結果、日本経済にとっても労働者にとっても有益だと思う。(商社/100~299名)


・もっと抜本的に、法令を厳しくして実施したほうが良いと思うが、若い人を中心に、日本の働き方自体に疑問を持ち、効率的な働き方を模索するようになった傾向は良いと思います。(サービス関連/100~299名)

 


「悪くなっていると思う」と回答された企業のコメント

・きちんとした説明が従業員にできず、理解してもらえないため、ネットなどの中途半端な情報をもとに権利を主張する者が増えており、ぎくしゃくし始めている。(メーカー/100~299名)


・定時以降の社内でのコミュニケーションが減ることにより、技術のみならず「意識」や「歴史」の伝承も希薄になるので、今後も伝統ある中小零細企業ほど状況は悪くなると思う。(メーカー/100~299名)


・パートの最低賃金の底上げ、同一労働同一賃金は、景気が不透明な中で全社員のベースアップを妨げる要因になりかねない。(不動産・建設関連/100~299名)

 


「良くなっていないと思う」「変わらないと思う」と回答された企業のコメント

・全てにおいて良いとか悪いとかでは括れない気がする。労働環境は良くなると思うが、対応が追い付かない企業の損失も大きいとはず。これによって労働の質が良くなるとも思えない。(人材派遣/10~29名)


・確かに大義名分があるので休みやすいが、仕事が減るわけでもない。業務を効率化して短時間で終わらせるのは理解できるが、中小企業は個々の事情があるのでそう簡単にはいかない。(広告・出版・マスコミ関連/50~99名)


・中小企業ではまだ本腰を入れて取り組んでいない印象が強い。よって効果を実感する機会もあまりなく、変化がないというのが率直な意見。(ガス製造・供給/100~299名)

 

※(業種/従業員数)

 


【調査概要】

■調査方法:インターネットによるアンケート

■調査対象:『人事のミカタ』( https://partners.en-japan.com/ )を利用中の1000名未満の企業

■有効回答数:509社

■調査期間:2019年11月13日 ~ 12月10日※1000名以上の企業の回答も用意しています。

 

 

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