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防災のためにキャンピングカーの購入を考えている人は7割超え  「キャンピングカーで防災を考える」調査結果を発表

 一般社団法人日本RV協会(所在地:神奈川県横浜市、会長:降旗 貴史)は、キャンピングカーを所有しているユーザー、またはキャンピングカーに興味を持っている方に、「キャンピングカーで防災を考える」というアンケートを行いました。今回はインターネットでの集計の他に、幕張で開催されたジャパンキャンピングカーショーの会場でもアンケートを集計しています。


 キャンピングカーはレジャーで利用するイメージがありますが、防災としてのキャンピングカー利用も注目されています。実際のところ、キャンピングカーが防災に役立つのか、みなさんの意見を聞いています。そして、実体験を通した貴重なお話もうかがえました。今回のアンケートで、防災について、そして、キャンピングカーの活用について、改めて考える機会を得られたのかもしれません。


東日本大震災での模様


日本RV協会URL: https://www.jrva.com/



■防災への意識は高く、キャンピングカーの活用に期待

 近年、自然の猛威に翻弄され、多くの人が災害に見舞われています。数値からも、誰もが災害を身近に感じ、意識だけでなく、多くの人が実際に防災対策を実践していることが分かりました(図表1)。約7割の方が、何らかの対策を講じているというのです。


 では、実際に被災した時、何が必要になるのでしょうか。みなさんが必要と感じたものの中で、最も多かったのが「場所」、そして次に、「電源」「水」という順番でした(図表2)。数値的には僅差ではありますが、非常時には生活するための場所を確保したい、という意識が強いようです。


 寝食を行うのにも、まずは場所の確保が必要です。もし、場所を見つけられたら、身の安全を確保し、精神的にも落ち着くことができます。安心できる場所が見つからない場合は、大きな不安を感じてしまうことでしょう。


 この「場所」=「スペース」を提供できるのは何か? 公共の施設などが考えられますが、キャンピングカーにもその要素があるのではないでしょうか。みなさんの意識でも、キャンピングカーが防災に役立つ、と感じている人は97.5%に達しています(図表3)。


 そして、その多く人が、キャンピングカーがあれば「場所」や「電源」を確保できると考えているようです(図表4)。災害時に必要と感じていた「水」に関しては、期待値が若干低いようです。逆に「場所」への期待が大きく、キャンピングカーがシェルターとしての優位性があると感じている人が多いようです。


図表1: https://www.atpress.ne.jp/releases/206468/img_206468_2.jpg

図表2: https://www.atpress.ne.jp/releases/206468/img_206468_3.jpg

図表3: https://www.atpress.ne.jp/releases/206468/img_206468_4.jpg

図表4: https://www.atpress.ne.jp/releases/206468/img_206468_5.jpg



■実際のところ、キャンピングカーと防災はセットで考えられますか

 ここまではキャンピングカーと防災に対する意識についての回答でした。それでは次に、実際にキャンピングカーを購入して、防災対策に役立てることができるのか、ユーザーや購入予定者の立場になって、考えていきます。


 キャンピングカーが防災に期待できることは、多くの人が感じていることでした。それでは、実際に防災のためにキャンピングカーを購入したいと考えたことがあるかを聞いてみました。すると、77.3%の方が「はい」と答えています(図表5)。


 やはり、多くの人が、防災を意識してキャンピングカーの購入を検討しているようです。しかし、キャンピングカーが災害時に活躍すると思った人(図表3)に比べると、若干、ポイントが下がっています。


 購入を考えられない理由としては、コストが高い、置く場所を確保できないなどが多いようです(図表6)。防災を意識して購入を考えた人の多くも、レジャーを主として、防災はいざという時の備えと答えています(図表7)。


 キャンピングカーは防災対策としての期待値が高いのですが、ある程度のハードルがあることから、レジャーとしての利用価値があってこそ、購入を考えられるクルマであった、というのが多くの方の意識のようです。


 しかし、レジャーと防災という相反する機能性を兼ね備えたキャンピングカーという存在価値は大きいといえます。レジャーを通して、防災を意識し、さらに災害に備えることができるのは、キャンピングカーならではといえるではないでしょうか。


図表5: https://www.atpress.ne.jp/releases/206468/img_206468_6.jpg

図表6: https://www.atpress.ne.jp/releases/206468/img_206468_7.jpg

図表7: https://www.atpress.ne.jp/releases/206468/img_206468_8.jpg



■いざという時のキャンピングカー、その公共性を考える

 災害が発生した時、もちろんのことですが、一番に心配するのは家族のことです(図表8)。もし、キャンピングカーを持っているのなら、家族で逃げ込み、その恩恵を受けることでしょう。これが、本来、考えていた防災の姿であるのは間違いありません。


 では、その回りに目を向けた時、災害時に身内以外の人にキャンピングカーを貸し出すことができるか、という難しい質問を投げかけてみました。すると、「はい」と答えた人が36.8%、「いいえ」と答えた人が28.0%、「わからない」と答えた人が35.2%、という結果になりました(図表9)。「はい」が「いいえ」を約9ポイント上回りましたが、「わからない」の比率をみると、その回答は、ほぼ、三つに分かれたといっていいでしょう。


 詳しい内容を見ていくために、「はい」と答えた人に、どのような範囲で自分のキャンピングカーを身内以外に使ってもらうか想定してもらうと、スマホの充電やくつろぎスペースとしての空間といった、ライトな利用方法に限定している傾向がありました(図表10)。


 逆に「いいえ」と答えた人に、なぜ、身内以外の人にキャンピングカーを利用することに抵抗があるのかを聞いてみると、家族や身内で使いたいからという人が55.7%、他人が利用するのは抵抗があるという人が35.9%という結果になりました(図表11)。


 この数値が現実の数値です。災害時の状況や環境によって、人々の常に考え方は変化します。いずれの回答をした人も、それは正しい考え方だったといえるのではないでしょうか。全体の傾向として見えてきたのは、災害時のキャンピングカー利用について、どの程度であれば、協力できるかのライン引きが、意外としっかりしていることでした。


図表8 : https://www.atpress.ne.jp/releases/206468/img_206468_9.jpg

図表9 : https://www.atpress.ne.jp/releases/206468/img_206468_10.jpg

図表10: https://www.atpress.ne.jp/releases/206468/img_206468_11.jpg

図表11: https://www.atpress.ne.jp/releases/206468/img_206468_12.jpg


 では、このラインの外に出た使い方、例えばトイレ利用や他人を受け入れるということは、キャンピングカーで担うことはできないのでしょうか。そこで、考えられるのが公共機関によるサポート体制です。


 実際、地方自治体などのサポートで、非常時のトイレだけを架装したクルマも活躍しています、また、病人を受け入れるドクターカーなども存在します。その流れで、さらに範囲を広げて、キャンピングカーを導入するというのもいいのではないでしょうか。


 自治体のキャンピングカー購入を推奨する人は62.1%で、半数を超えています(図表12)。予算や運営方法など、いろいろな問題があるかもしれませんが、先のアンケートで分かった、個人レベルでは対応できない、キャンピングカーの利用価値を最大限に活かすには、自治体の協力が必要といえるのです。


 しかし、公共の災害対策としてキャンピングカーを利用するには改善が必要とも考えている人が多いことが分かりました(図表13)。2019年は停電が多かったことから、その傾向が現れたのかもしれませんが、蓄電池や発電といった電気系の強化があれば、公共の災害対策として効果がある、と考える人が多いようです(図表14)。


 キャンピングカーは防災対策に役立つという考えがある一方で、誰もが導入できるクルマでもありません。また、被災時に個人のキャンピングカーが、公共性を保つのも非常に困難であることは間違いありません。だからこそ、自治体でのキャンピングカー導入を検討してみては、と誰もが感じていることです。


 ユーザーの求めている、理想の防災用キャンピングカーが、各地で常備されることに期待したいと思います。キャンピングカーなので、レジャーとしての活用も一緒に考えられると、さらに、キャンピングカーの利用価値が広がりそうです。


図表12: https://www.atpress.ne.jp/releases/206468/img_206468_13.jpg

図表13: https://www.atpress.ne.jp/releases/206468/img_206468_14.jpg

図表14: https://www.atpress.ne.jp/releases/206468/img_206468_15.jpg



■キャンピングカーオーナーたちによる被災時の実際の声

 最後にキャンピングカーオーナーが、実際に被災された時のお話を紹介します。多くの人が、その体験をアンケートに答えていただきました。しかし、スペースの都合上、そのすべてを掲載できませんでしたので、ご了承ください。ここでは、みなさんの意見を代表する、事例を数点紹介さていただきます。(一部、加筆している個所があります)


<アンケート1>

「2018年の北海道全域大停電の時、ソーラーパネル発電にて、スマホ、モバイルバッテリー充電を行い、清水タンクに水を保管しました。停電のため、家の温水ボイラーが使えず、シャワーすらできなかったのですが、キャンピングカーに装備したインバーターの電源を使って、家庭用温水ボイラーを稼働できたので、シャワーを浴びて、清潔を保つことができました。もしも、極寒の時期ならば、FFヒーターで暖まり、キャンピングカー内で暮らすことができると思います。これは命に関わる大切な要素だと思います。」


<アンケート2>

「阪神大震災の時、半壊認定を受けるほどの被害を受けた家で夜寝るのは怖くて、キャンピングカーで約1カ月寝起きをしました。自宅を新築中で、当日もキャンピングカーで就寝したため、怪我することなく済んだのは一生の想い出です。普段寝ていた部屋は大型TVやタンスが倒れ、おそらく、家具の下敷きになっていたと思います。」


<アンケート3>

「体の不自由な家族がいるため、床で寝起きするような、一般的な避難所での生活は難しい状況でした。しかし、キャンピングカーで軒先避難ができたため、避難所で、他の避難者の方に迷惑をかけたり、特別な対応をしていただかなければならない、という気がねも無かったのが良かったと感じています。また、 長く停電が続きましたが、キャンピングカーの電源や設備で、親類や職場の同僚のスマホ充電、テレビ視聴による情報収集ができたことも、キャンピングカーがあってよかったと感じたことでした。」


<アンケート4>

「熊本地震で被災したのですが、その時、キャンピングカーがあったので、いろいろと助かりました。プライバシーが確保できたことは大きかったです。だた、キャンピングカーで避難したため、支援を受けられませんでしたので、水や食料などはすべて自分で確保しなければなりませんでした。しかし、安心して足を伸ばして寝られる場所、プライバシーの確保、ペット連れての避難には、キャンピングカーが最高のアイテムです。」



■調査概要

調査地域:全国

調査対象:日本RV協会ホームページ閲覧者

調査手法:(1)Webアンケート

     (2)ジャパンキャンピングカーショー2020来場者

調査時期:(1)2019年12月18日(水)~2020年1月17日(金)

     (2)2020年1月31日(金)~2020年2月2日(日)



■最新イベント情報

https://www.atpress.ne.jp/releases/206468/att_206468_1.pdf

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