消費税引き上げ後、お総菜利用に変化あり! 「デパ地下」購入だけが11.1%も上昇 外食代わりの「ちょいリッチ総菜」の利用が増加!?
「オレンジページくらし予報」では、国内在住の20歳以上の女性を対象に「中食」事情について調査しました。「中食」とは、市販のお総菜、弁当、デリバリーした料理を家で食べること。共働き家庭の増加や、スーパーなどで売られるお総菜の充実などによって、近年とくに利用率が伸びているといわれています。今回は、消費税引き上げの前後で、購入率や頻度、買っているものなどを比較し、「食」にかけるお金やマインドに変化があるかどうかを探りました(引き上げ前:2019年8月、引き上げ後:2020年2月調べ)。
【ダイジェスト】
消費税アップ後、お総菜の「デパ地下」購入率だけが11.1%上昇!
外食の代わりに、デパ地下で「ちょいリッチ総菜」を利用している!?
平日は「コロッケ」「揚げもの」 VS 休日は「オードブル」「ローストビーフ」
消費税アップ後、お総菜の「デパ地下」購入率だけが11.1%上昇!
消費税引き上げ前後で調査したところ、「市販のお総菜・お弁当など(デリバリーを含む)」の「利用率」と、「デパ地下(デパートの食品売り場)の購入率」で変化が見られました。
「市販のお総菜・お弁当などを利用しているか」について尋ねると、消費税引き上げ前の8月は79.5%でしたが、引き上げ後の2月には85.6%と、約6ポイント増加していました。「中食」の消費税率は8%のままですが、外食は10%に引き上げられたことにより「節約モード」が高まっていることがうかがえます。というのも、消費税引き上げ前のアンケートで、「増税後に、支出を抑えたい項目」のトップが「外食」37.5%でした。消費税率2%分高くつくことから、「外食」ではなくお総菜やお弁当を購入しているのかもしれません。
そうした支出の引き締めモードと、逆の動きを見せたのが購入場所。消費税引き上げ前の調査では、お総菜やお弁当の購入先は、1位「スーパー」84.3%、2位「コンビニ」46.1%、3位「デパ地下」33.3%。消費税引き上げ後は、スーパーとコンビニがほぼ変わらなかったのに対し、3位の「デパ地下」が44.4%と、11.1ポイント上昇。トップ3の中で、もっとも商品単価の高い「デパ地下」が利用率を大きく伸ばすという結果になりました。支出を抑えたい意向があるのに、価格の高いデパ地下利用が増えている。このちょっと意外な結果を、もう少し深堀りしてみることにしました。
外食の代わりに、デパ地下で「ちょいリッチ総菜」を利用している!?
「デパ地下」利用が増えた理由を探るべく、「スーパー」と「デパ地下」とで、購入時に意識していることを比較してみると、明らかな違いが見えてきました。「スーパー」で多かったのは、「簡単にすませたい」60.6%、「作る時間がない」54.1%、「料理したくない」52.9%など、ややネガティブな気持ちが挙げられています。自由回答でも、「急な仕事で、食事を作る時間が取れないときは、スーパーで出来合いのおかずを購入」(50代・フルタイム)など、時間がないとき、普段のごはんをまかなうために活用しているようです。
いっぽう、「デパ地下」の購入時に意識していることは、「おいしそう」79.1%、「ちょっと豪華なもの」66.1%、「自分で作れない味」54.5%といった、「ハレの日」らしさやポジティブな気持ちが上位にランクイン。先に述べたように、「増税後に、支出を抑えたい項目」のトップは「外食」であることから、外食を控えて「何か買って、家で食べる」人が増えているのでしょう。ただし、それがスーパーやコンビニではなく、「デパ地下」でお総菜やお弁当を買っているのが、注目すべきポイントです。消費税がアップしたのは2%とはいえ、積み重なるとかなりの出費につながります。少し出費は抑えつつも、ちょっと豪華なデパ地下総菜で、外食気分を味わいたい!そんな心理が、こういった結果につながっているのではないでしょうか。
●自由回答を集めて分析した、平日と休日に買うお総菜、お弁当の比較
平日は「コロッケ」「揚げもの」 VS 休日は「オードブル」「ローストビーフ」
市販のお総菜やお弁当などを利用するとき、平日と休日とで買うものが異なるかを尋ねてみると、「異なる」「やや異なる」を合わせて37.1%。実際に、どういったものを買っているかを深掘りするために、自由回答を「ワードクラウド」(自由回答の内容から、出現頻度の高い言葉を選び、その頻度に応じた大きさで表現するツール)で分析してみると、互いの差異がくっきりと浮かび上がりました。
平日は、「コロッケ」「おかず」「揚げもの」などの言葉が多く使われており、「副菜」「品数」「たす」といった言葉から、おかずを一品増やすために購入している傾向がみられます。「ご飯のおかずになるから揚げ、コロッケなどメインのおかずを購入」(50代・フルタイム)、「カツを買ってカレーにのせたり、煮ものを買って一品増やします」(40代・派遣)など、「普段の食事」をより充実させる手段として活用されていました。
いっぽう、休日は「オードブル」「ローストビーフ」「すし」などの言葉が多く使われており、「おつまみ」「豪華」「奮発」といった言葉から、ちょっと豪華なものを買おうというマインドがうかがえます。「外出したとき、デパ地下のお総菜やお弁当を利用します。少し高くてもおいしいものを、家でゆっくり食べたい」(30代・専業主婦)など、普段よりもおいしいもの、豪華なものを買うとの回答が目立ちました。そのほか、「洗い物がいらないから気が楽」(30代・フルタイム)、「休日は家事を休みたい」(40代・パート)といった言葉も散見され、毎日のごはんづくりから、休日だけでも開放されたいという切実なニーズも見え隠れしていました。
お総菜や弁当といった「中食」は成長が著しく、市場規模は10年前と比較すると122%を超えました(一般社団法人日本惣菜協会、2017年調べ)。高齢化や女性の社会進出などの動きもあり、さらに市場規模は拡大すると予想されています。今回の調査は、「消費税」が10%になって約3カ月後に行ったため、デパ地下の「ちょいリッチ総菜」を買っている状況が浮かび上がりましたが、この状況が瞬間的な動きなのか、消費税率が定着したあとも続くのかは、まだはっきりしません。「中食」は、日本の食卓事情を観測する大切な要素として、注意深く見守る必要がありそうです。
アンケート概要
●調査対象:オレンジページメンバーズ・国内在住の20歳以上の女性(有効回答数:消費税引き上げ前1001人、消費税引き上げ後1111人)
●調査方法:インターネット調査
●調査期間:2019年8月1日~8月5日、2020年1月29日~2月3日
●「オレンジページくらし予報」について
読者モニター「オレンジページメンバーズ」には、さまざまなくらし情報・くらし体験によってはぐくまれた“くらしの目利き”たちが数多く所属しています。そんなメンバーたちの声を集めて<次のくらし>を読み解いていくのが「オレンジページくらし予報」です。WEB上でのアンケート調査、座談会など、ご相談に応じて展開いたします。
●『オレンジページ』について
失敗なくおいしく作れるレシピ情報が支持され、今年創刊35周年を迎える生活情報誌。30~40代の主婦を中心に幅広い読者層を誇ります。発行部数=318,679部(2019年印刷証明付発行部数)。
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