【近鉄グループホールディングス】 TCFD 提言への賛同と気候関連の情報開示について
近鉄グループでは、本年5月に発表した「近鉄グループ中期経営計画2024」において、「共創による豊かな社会」の実現を目指して長期的に取り組む重要テーマを設定し、その一つに「豊かな生活環境を共に育む」を掲げています。気候変動が大きな社会課題となる中、当社グループは他の交通機関に比べてエネルギー効率が高く環境にやさしい鉄道を中心に事業を営んでおり、環境負荷の軽減に一層取り組むことで、脱炭素・循環型社会の実現に貢献していきたいと考えています。
その一環として、本日、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)による提言へ賛同しました。TCFD提言が求める開示項目に基づいて、現時点で整理した気候関連の情報は、別紙のとおりです。引き続き、気候関連のシナリオ分析や戦略策定を進め、ホームページ等で適切に情報を開示するとともに、当社グループとして長期的に気候変動対策に取り組み、政府方針の2050年の脱炭素社会実現に向け、CO2排出量を削減します。
※TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)とは
TCFD(Task Force on Climate-related Financial Disclosures)は、主要国の金融当局等で構成され、国際的な金融システムの安定を目的とする組織である「金融安定理事会」が、G20財務大臣・中央銀行総裁会合の要請を受けて2015年に設置した作業部会。2017年に最終報告書としてTCFD提言を公表した。企業に対し、気候変動が事業に与えるリスクと機会を把握し、「ガバナンス」、「戦略」、「リスク管理」、「指標と目標」の観点から開示することを推奨している。
今回の取り組みは、以下の観点でSDGsに貢献します。
気候変動への対策や戦略検討の観点: 13.気候変動に具体的な対策を
TCFD提言に基づく気候関連の情報開示について
1.ガバナンス
当社は、株主、顧客、社員、地域住民等ステークホルダーとの信頼関係を築き、
長期的な視点での社会課題解決と企業価値向上のため、CSR委員会を設置しております。
CSR委員会は、当社の社長を委員長として、当社役員および主要な近鉄グループ会社のCSR担当役員により構成され、気候変動を含めた環境保全に関する方針や目標の策定、実績管理などを行っています。同委員会で当社グループが長期的に取り組む重要テーマを審議し、取締役会で承認を得ています。また、取締役会では、気候変動リスクを含む事業リスクについて管理しています。気候変動リスクに対応するためのインフラの強靭化投資ほか重要な事案については、近畿日本鉄道をはじめとする、事業会社の取締役会などで審議しています。
2.戦略
近鉄グループの主要会社を対象に、気候関連のリスクと機会の特定・評価を行っています。主なものは以下の通りです。今後は、シナリオの想定と、事業への影響評価などシナリオ分析を進めていきます。
【リスク】
〇移行リスク(脱炭素経済への移行に関するリスク)
政策と規制
・炭素税導入によるエネルギー調達コストの増加
・ZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)規制などによる対応コストの増加
市場 ・・・エネルギー調達コストの増加
評判 ・・・環境に配慮した事業活動の遅れによる、顧客離れ
〇物理的リスク(気候変動による物理的変化に関するリスク)
急性
・大型台風や豪雨などにともなう鉄道運休、商業施設休業、ホテルや旅行のキャン
セル発生等による売上の減少
・損害を受けた施設や設備の復旧コストの増加
慢性
・気温上昇にともなう顧客の出控えによる、鉄道や商業施設等の売上の減少
・鉄道車両やオフィスビルの空調コストの増加
【機会】
資源効率性
・技術革新を通じた効率化によるコスト削減
・省エネ技術の進展によるコスト減少
製品とサービス
・輸送効率性が高く、環境負荷の小さい鉄道やバスを選好する旅客の増加
・輸送効率性が高く、環境負荷の小さい鉄道やバスに対する、公共からの合理的な
支援拡大やモーダルシフト促進による、事業の持続的成長と収支改善
・環境に配慮したマンションや住宅の選好による売上の増加
3.リスク管理
気候変動リスクについては、全社的な事業上のリスクの一つとして、取締役会、CSR委員会などのリスク管理機関でリスク管理を行っております。今後は、シナリオ分析を進め、事業への影響度を幅広く見極めたうえで、対応策を検討していきます。
4.指標と目標
近鉄グループとして長期的に気候変動対策に取り組み、政府方針の2050年の脱炭素社会実現に向け、CO2排出量を削減します。
以 上
(参考)
近鉄グループの環境活動に対する評価について
近鉄グループでは、環境をはじめとするESG活動に力を入れており、TCFDと連動する、気候変動の取組み等に関する国際的な調査であるCDPに対して、2010年以降毎年回答しています。
また、ESG評価機関から以下の通り評価されています。
・「MSCIジャパンESGセレクト・リーダーズ指数」に2017年以降継続して選ばれて
います。
・「S&P/JPX カーボン・エフィシェント指数」に2018 年以降継続して選ばれてい
ます。
・本年6月、SOMPO アセットマネジメント株式会社が設定している「SOMPO サス
テナビリティ・インデックス」の構成銘柄に新たに選ばれました。
※「MSCIジャパンESGセレクト・リーダーズ指数」および「S&P/JPX カーボン・エフィシェント指数」はGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)が採用しているESG指数です。
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