生駒ケーブルと生駒山上遊園地の飛行塔が「土木学会選奨土木遺産...

生駒ケーブルと生駒山上遊園地の飛行塔が「土木学会選奨土木遺産」に認定されました

 近鉄の生駒ケーブル(生駒鋼索線)と生駒山上遊園地の大型遊具「飛行塔」が私鉄の観光施策をあかす最古の施設として、公益社団法人土木学会から本日「土木学会選奨土木遺産」に認定されましたので、お知らせします。                                          

 生駒ケーブルは、日本最初のケーブルカーとして、1918年に宝山寺参拝の利便性向上のため、鳥居前ー宝山寺間の宝山寺線が開業し、1929年に生駒山上遊園地の開業に合わせて、宝山寺ー生駒山上間の山上線が開業しました。戦時中には生駒山上に海軍基地が設置され、営業を休止した時期もありましたが、駅設備や車両等の更新・改良を重ねながら、営業を続けてきました。現在も、宝山寺や生駒山上遊園地へお越しのお客さまに加え、通勤・通学といった生活路線として沿線のお客さまにもご利用いただいています。

 生駒山上遊園地の飛行塔は1929年の開園当初から稼働しており、現存する日本最古の大型遊具といわれています。日本で数々の大型遊具を手がけた土井万蔵氏の代表作ともいわれ、同氏の作品で現存するものは、当園の飛行塔のみです。戦時中の物資不足で日本中のあらゆる金属が回収されていく中、飛行塔は軍の防空監視所として使われたため、奇跡的に存続しました。構造体は開園当初のままで、ゴンドラに乗って回る空中散歩は、山頂でしか味わえない景色で人々を魅了し、その雄姿は今なお世代を超えて愛されています。

宝山寺線車両「すずらん・白樺・ミケ・ブル」

生駒山上遊園地の飛行塔


【土木学会選奨土木遺産について】
 公益社団法人土木学会が、土木遺産の顕彰を通じて歴史的土木建造物の保存に資  することを目的として、2000年に認定制度を設立。推薦および一般公募により、年間20件程度を選出している。


1.生駒ケーブルについて
(1)概要
・開業年月日   : 1918年8月29日
・運 転 区 間   : 宝山寺線(鳥居前駅~宝山寺駅)  約0.9km
           山上線 (宝山寺駅~生駒山上駅) 約1.1km
・高 低 差   : 466m
・保 有 車 両   : 宝山寺1号線「ブル」「ミケ」
           宝山寺2号線「すずらん」「白樺」
                             山上線   「ドレミ」「スイート」
・最大乗車人員 : 宝山寺 1号線128人、宝山寺2号線125人
          山上線 128人
・運 転 速 度    : 時速約11km

開業当時の生駒ケーブル

生駒ケーブルの路線図

(2)歴史
・1918年  8月29日   鳥居前・宝山寺間の運輸営業開始(宝山寺1号線)
・1926年12月30日   鳥居前・宝山寺間複線化(宝山寺2号線)
・1929年  3月27日   宝山寺・生駒山上間の運輸営業開始(山上線)生駒山上遊園

                                地が同時に開業
・1944年  2月11日   生駒山上に海軍基地が設置され全線運輸営業休止(軍用運転

                                は継続)
               6月26日   宝山寺2号線撤去作業開始(7月撤去)
・1945年  8月1日   宝山寺1号線、山上線営業再開
・1953年  4月1日   宝山寺2号線再建
・2000年  3月18日   新車両4両導入
                              宝山寺線1号線「ブル」「ミケ」
                                山上線「ドレミ」「スイート」

生駒山上駅「スイート」


2.飛行塔について
 ・開始年月日 : 1929年3月27日
 ・塔   高 : 約30メートル
 ・ゴ ン ド ラ : 4機
 ・所 要 時 間 : 約5分
 ・乗 車 定 員 : ゴンドラ1機6人乗り

生駒山上遊園地の飛行塔

開園当時(上)と現在(下)の生駒山上遊園地


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