「5本の樹」のある庭で「ネイチャー・ポジティブ」な暮らしを ~様々な事業を紹介する「積水ハウス ストーリー」の 最新情報を公開~
積水ハウスの様々な事業を紹介する「積水ハウス ストーリー」の公開を開始しました。
お客様の戸建て住宅への想いや、商品開発への想いを、毎回テーマを設定してご紹介します。
第8弾として12月24日に、積水ハウスが提案する「5本の樹」計画を庭に取り入れたご家族についてのストーリーを公開しました。
■ビジネスでも注目 自然を優先する「ネイチャー・ポジティブ」
皆さんは、「ネイチャー・ポジティブ」という言葉を知っていますか。
「自然に良い影響をもたらす、自然を優先する、損失をプラスに転じさせる」などの意味の言葉なのですが、2021年10月に第1部が開かれ、2022年4月にも第2部が予定されている生物多様性条約第15回締約国会議(COP15)をきっかけに注目されています。
企業としても、生物多様性を2030年までに回復軌道に乗せるという「ネイチャー・ポジティブ」を目指すことが重要だと言われていて、2020年6月には「自然関連財務情報開示タスクフォース(TNFD)」が設立され、企業などが自然への依存度や影響を評価、管理、報告するための枠組みづくりを目指しています。
世界経済フォーラム(WEF)は報告書※1で、「ネイチャー・ポジティブ」なビジネスは、2030年までに3億9,500万人の雇用創出と年間10.1兆ドル(約1070兆円)規模のビジネスチャンスが見込めることを明らかにするとともに、生物多様性を保全するためには、企業や政府だけでなく、個人の生活も変える必要があると訴えています。
※1:世界経済フォーラム「自然とビジネスの未来」レポート( https://jp.weforum.org/press/2020/07/jp-395-million-new-jobs-by-2030-if-businesses-prioritize-nature-says-world-economic-forum-70e68b9adf/ )
■近くの森とつながる庭 「森に住みたい」という想いを実現する家
「いつかは森に住みたいと思っていました。」
奈良県王寺町に住む上田さん一家は、個人の生活によって「ネイチャー・ポジティブ」を実践しているご家族。夫・真生さんはサラリーマンでしたが、数年前に家業を継ぐために退職し、実家近くに引っ越す際、祖父が残してくれた山間の土地に家を建てることにしました。
「ここからなら、東を見ると育った町が眺められて日の出も見え、西を見れば神社の森が眺められ、『森に住みたい』という夢を実現できると思いました。」
上田邸の庭は元々あった在来樹種のヤマザクラを移植したほか、春先に花を咲かせるツツジやハイノキ、秋には紅葉も楽しめるイロハモミジやコハウチワカエデやアオダモといった在来樹種がたくさん植えられています。また、生き物を養うためには重要な役割を果たす芝を、庭全体に敷き詰めていて、庭にあふれる緑を家族で楽しみながら世話をしています。先頭を切って手入れをしているのが、妻の梨恵子さん。手際よく、芝の手入れやメンテナンスなどをやっています。
「引っ越してくるまであまりやったことはなかったのですが、ここに住むようになって、庭の手入れは何でもできるようになりました。」
最近では家庭菜園にも挑戦していて、ピーマンやトマト、にんにく、苺、ハーブなどを育てて、“庭いじり”を楽しんでいるそうです。
■「5本の樹」と一緒に見守る子どもの成長 自然と触れ合う日常
そんな緑あふれる庭で四季折々の遊びを楽しんでいるのが、息子・縁くん。
「どんぐりの実が生る木を植えたい」というご夫婦の意向から、庭に植えた在来樹種のコナラは、この家に引っ越してきてから誕生した縁くんと一緒に成長しています。
今では、どんぐり拾いができるほか、近くの森からカブトムシまでやって来るようになりました。他にも、どんぐりの実を食べに野うさぎがやって来たり、ヤマザクラになったサクランボの実を食べに野鳥がやって来たり…
家庭菜園のミミズなどを目当てに庭にやって来る野鳥のハクセキレイを、上田さん一家は、首にバンダナを巻いているようだからと「バンダナくん」と呼んで、訪問を楽しみにしています。
そんなたくさんの生き物が集まる庭は、緑くんだけでなく、一家の友達たちも大好き。夏には虫取りやプールで水遊びをしたり、秋には庭に植えた木々の紅葉を楽しみながらおうちでキャンプをしたり…。冬になると、餅つき大会をして、家庭菜園で育てた苺を使ったいちご大福作りに大忙し。
2021年のクリスマスも、緑くんのお友達家族と一緒に、庭の樹をライトアップしてのクリスマスパーティー。庭の家庭菜園で採れたハーブたっぷりのピザを一緒に食べるなど、「5本の樹」のある庭が、四季折々の楽しみを運んでくれます。
■ウッドデッキは庭の緑と室内をつなぐ“架け橋” 気軽に緑と触れ合う空間に
上田さん一家が家づくりの際にこだわったのが、リビングから庭へ広がるウッドデッキ。その中心に植えられたイロハモミジの木陰で、暖かい季節には昼寝をしたり、野鳥のさえずりを聞きながらの朝食をとったり…。部屋からつながる大きなウッドデッキが、部屋と外の空間をつなぐ“架け橋”となっていて、外に出ると意識しなくても、庭の緑と気軽に触れ合えるようになっています。
■庭からできる生物多様性保全 世界初の“生物多様性の定量化”に成功
積水ハウスでは、2001年から、一般的に多く使われる園芸品種や外来樹種の樹木ではなく、その地域の在来樹種を中心に庭づくりをすることで、生物多様性により効果の高い庭を提供しようと、「5本の樹」計画を進めてきました。( https://www.sekisuihouse.co.jp/gohon_sp/method/ )
そして2021年11月、この20年間に植えた樹木に関するデータを基に、琉球大学理学部久保田研究室・株式会社シンクネイチャーとの共同検証により、世界で初めて生物多様性を定量化しました。
「5本の樹」計画を行うことで、行わなかった場合と比べて、住宅地に呼び込むことができる鳥の種類が2倍、蝶の種類が5倍になることがわかったのです。
こうした取り組みが私たち一企業の活動としてだけなく、日本の多くの地域で個人の庭でも広がれば、これまで以上の効果が見込めることもわかっています。
1本からでも在来樹種を植えることで、近くの緑と自宅の緑を繋げて「生態系ネットワーク」をつくり出し、庭からできる生物多様性に寄与することができるのです。皆さんも“庭からできる生物多様性保全”を考えてみませんか。
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