意外と知らない!? 毎日のアイメイクで気をつけたいポイント 瞳を大きく見せるメイク、 実はドライアイを深刻化させている可能性 目に優しいアイメイクとケア方法を “瞳の保湿ベール”を乱す原因と共に解説
長引くマスク生活の中で、アイメイクに力を入れる女性も多いのではないでしょうか。最近ではアイメイクが原因となりドライアイ症状を訴える女性も増えています。目の乾きのカギを握っているのが涙の蒸発を防いでいる“瞳の保湿ベール(油層)”。保湿ベールがアイメイクの影響で乱れ、ドライアイ症状につながってしまいます。どのようなアイメイクに注意が必要か、ケア方法とともに眼科医の有田 玲子先生より解説します。
【アイメイクによって「マイボーム腺」が詰まってしまうと、ドライアイのリスクに】
なぜアイメイクをするとドライアイになる可能性があるのでしょうか。それはアイメイクの成分によってまつげの付け根にあるマイボーム腺という腺が詰まってしまうことが最も大きな原因です。では、マイボーム腺が詰まるとなぜドライアイになるのか、マイボーム腺とドライアイの関係性をご説明します。
【マイボーム腺が詰まるとドライアイになりやすい理由】
●涙は蒸発を防ぐために“瞳の保湿ベール”に守られている
瞳を覆っている涙。実はただの水分ではありません。涙は3層構造になっており、最も外側には目の表面の水分が蒸発するのを防ぐ、「油層」があります。油層は目の表面でベールのように瞳に広がっており、“瞳の保湿ベール”として乾燥から守っています。
●“瞳の保湿ベール“に必要な油分を分泌するマイボーム腺
そして「油層」の油分はまばたきの際に、マイボーム腺から分泌されます。
そのためマイボーム腺が詰まってしまうと、油分が十分に分泌されず、“瞳の保湿ベール”が乱れることでドライアイ症状になりやすくなります。
気をつけたいマイボーム腺が詰まってしまうアイメイクとは(出典:有田玲子先生)
下記のアイメイクはマイボーム腺が詰まってしまい、ドライアイにつながる可能性があるので注意が必要です。
(1) つけまつげ
接着剤によってまつげの根元にあるマイボーム腺が直接詰まってしまうことも。つけまつげの接着時に注意が必要です。
(2) インラインメイク
粘膜にアイラインを引くことで直接マイボーム腺が詰まってしまうことも。
(3) アイシャドウ・マスカラ
目の際まで乗せていると化粧品の成分が落ちてマイボーム腺が詰まってしまうことも。
(4) まつげエクステ
エクステが取れることを心配し、
根元まできれいに洗えていないと汚れでマイボーム腺が詰まってしまうことも。
【対処法】アイメイクでドライアイにならないために
・目に優しいアイメイクにする
マイボーム腺が詰まらないアイラインの引き方にする。
まぶたの内側の粘膜に直接引くのではなく、周辺にラインを入れるようにしましょう。
(1) まつげの間を埋めるようにアイラインを引く
(2) 目じりにだけアイラインを引く
・まぶたの周りをきれいに洗う
しかし、アイメイクを変えることに抵抗を持たれる方も多いのではないでしょうか。普段からしっかり化粧をしていても丁寧に目の洗浄をするだけで、マイボーム腺を清潔に保つことができます。アイメイクをした後は「アイメイクをきれいに落とし、まぶたの周りをきれいに洗う」ことが大切です。眼科医の提唱するまぶた周りの洗い方(リッドハイジーン)をご紹介します。
【眼科医がおすすめ】
理想的なまぶたの周りの洗い方とケア方法:リッドハイジーン
STEP1 目を温める
目を温めることでマイボーム腺の油を溶かしたり、目の周りの汚れを落としやすくなります。温めることが難しい場合は、ぬるま湯で優しく洗いましょう。
STEP2 優しく洗う
まぶたの周りを洗うときはごしごしこするのではなく、優しく洗うことが大切です。縦ではなく横向きに指の腹を使って丁寧に洗いましょう。また、刺激の少ないまぶた周り専用の洗浄用シャンプーもおすすめです。
STEP3 (ドライアイの人は)点眼薬をさす
日頃からドライアイ症状がある人や、眼科で目薬を処方されている人はまぶた周りの洗浄後に点眼をすることが理想とされています。
【洗浄後の確認方法】
鏡を使って自分のマイボーム腺を目視で確認することができます。正しい洗浄ができていると4週間で下の写真のようにきれいにすることができます。
しっかり洗浄ができていないと、マイボーム腺が詰まってドライアイになりやすいだけでなく、化粧品の成分が目に直接入り、角膜を傷つけてしまう可能があります。
【今回お話を伺った眼科医、有田 玲子先生について】
有田 玲子先生(医学博士)
伊藤医院眼科副院長 慶應義塾大学元眼科非常勤講師 東京大学眼科臨床研究員
2012年、眼科医、一般のかた、患者さんに涙のあぶら・マイボーム腺の重要性を啓蒙するべくLid and Meibomian Gland Working Group(LIME研究会)を立ち上げ、涙のあぶらの重要性をより多くの方々に発信していくことを目的に講演会・講習会・ハンズオンワークショップ・患者さん向けパンフレットの作成などActiveに活動している。国際的には涙のあぶらに関する英文論文を70報以上Publishしており、涙のあぶらに関する論文数では世界一となっている。最近では一般の方へドライアイの正しい知識啓蒙のためYouTubeチャンネルを配信している。
【有田先生コメント】
健康的な目は涙が十分にあり、自然な瞳の美しさがあります。日常的にアイメイクをしている方は、マイボーム腺が詰まってしまい、涙が乾きやすくなっている可能性があります。その分丁寧にメイクを落としたり、休みの日はなるべくメイクをしないようにしたりと、清潔に保つ工夫をしましょう。
「現代人の角膜ケア研究室」(URL: https://www.kakumaku-lab.jp/ )では、近年増加していると言われている「角膜上皮障害(角膜に傷がついた状態 等)」から現代人の目を守るため、専門家による正しい角膜のセルフケア方法など、角膜に関する情報を分かりやすく、紹介しています。
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