コロナ禍による規制の緩和に伴い、 アジア全域で経済の回復が本格化 半導体やICT、脱炭素関連など、 成長分野の転職マーケットは売り手市場に アジア各国のホワイトカラー人材紹介市場の動向 2022年4月~6月
世界11ヵ国で人材紹介事業を展開し、東南アジアでは最大級の規模(※1)を誇る株式会社ジェイ エイ シー リクルートメント(代表取締役会長兼社長:田崎 ひろみ)は、この度、2022年第2四半期のアジア各国のホワイトカラー人材紹介市場の動向をまとめましたので、お知らせいたします。
(※1)自社調べ(アジアで人材紹介事業を展開する同業他社の売上規模を比較)
【ジェイ エイ シー リクルートメント アジア各社の求人数増減一覧】
* アジア各社の求人数については、アジア各社が意図的に講じた戦略(高額帯年収の求人やスペシャリスト層求人に特化するなど)により、増減する場合もあります。
そのため、アジア各社の求人数の増減は、各社の業績を直接反映するものではありません。
【総合ヘッドライン】
●入国制限緩和やロックダウンの解除など規制緩和をうけ、アジア全域で経済の回復が本格化
●経済の回復に伴い、製造業を中心に採用活動が活発化
●半導体やICT、脱炭素関連など、成長分野の転職マーケットは売り手市場に
●日系企業の駐在員は各国に戻りつつあり、日本人求職者も各国での求職活動を再開
※以下リンクより、読みやすいPDF版のプレスリリースをご参照ください
English : https://www.atpress.ne.jp/releases/321227/att_321227_1.pdf
日本語版: https://www.atpress.ne.jp/releases/321227/att_321227_2.pdf
【マレーシア】
https://www.jacgroup.com/ja/jac-locations/jac-malaysia
https://www.jac-recruitment.my/ja
<求人数増減>
対前年四半期比 109%
対前四半期比 105%
●国外からの投資増で採用活発化。給与水準の上昇と人材不足が課題
マレーシア中央銀行は2020年の間、政策金利を段階的に引き下げ、過去最低の1.75%に据え置いていましたが、マレーシアの輸出拡大に伴う内需回復や労働市場の改善といったマレーシア経済の回復をうけ、今年5月に2.0%、また7月に入り2.25%に引き上げることを決定しました。
一方、世界経済の悪化やサプライチェーンの混乱による、マレーシア経済の下振れリスクは残ります。
マレーシアの失業率は2022年4月以降3%台で推移しており、コロナ禍の拡大当初と同水準となりました。
【シンガポール】
https://www.jacgroup.com/ja/jac-locations/jac-singapore
https://www.jac-recruitment.sg/ja
<求人数増減>
対前年四半期比 147%
対前四半期比 96%
●コロナ規制緩和後、採用市場は堅調に推移
コロナ規制緩和後、国・地域間の往来や出張も再開され経済活動が戻ってきています。消費者物価指数も月を追うごとに上昇し、5月には前年同月比5.6%増と10年半ぶりとなる高い伸び率を示しました。シンガポール通貨金融庁(MAS)の発表によると、コアインフレ率も前年同月比3.6%増となり、13年5ヵ月ぶりの高水準を記録し、今後も上昇圧力は続くとの見方が示されました。それに伴い、シンガポール首相府公務員局(PSD)は特定職種の公務員約2万3000人を対象に、8月1日付で5~14%の昇給を実施すると発表。また、公的機関のリテンション対策に、民間企業も続けと昇給を検討する企業も出てきています。生活費や金利の上昇をめぐる懸念が高まっているにも関わらず、住宅不動産価格の伸びも加速しており、都市再開発庁(URA)の発表によると、第2四半期の4-6月に、住宅不動産価格指数は3.2%上昇。前期(1-3月)の伸び率0.7%を上回る伸び率を示しています。
【タイ】
https://www.jacgroup.com/ja/jac-locations/jac-thailand
https://www.jac-recruitment.co.th/ja
<求人数増減>
対前年四半期比 103%
対前四半期比 80%
●経済成長は鈍化するも、中長期を見越し積極投資を行う企業も
2021年に引き続き、経済は回復・成長傾向にありますが、第1四半期に比べ成長は鈍化し、世界銀行もタイの経済成長率の見通しを3.9%から2.9%へ下方修正しました。下方修正の理由としては、コロナ禍に加え、世界的な燃料高・原料高による経済停滞により、好調であった製造業関連の輸出が、影響を受けたことが考えられます。製造業の中心産業である自動車産業でも半導体不足の影響が引き続き見られます。かつてGDPの2割を占めていた観光業については、外国人観光客数はコロナ禍前の4,000万人に対し、昨年は42万人と大幅に落ち込みましたが、今年は500~1,000万人となる見通しで、回復傾向が見られます。国内政治に不安定さは残りますが、タイ経済の動向は、短期的には明るい見通しです。
【インドネシア】
https://www.jacgroup.com/ja/jac-locations/jac-indonesia
https://www.jac-recruitment.co.id/ja
<求人数増減>
対前年四半期比 125%
対前四半期比 101%
●入国制限の緩和に伴い、各企業の採用動向も活発化
ラマダン(断食)、レバラン(断食明け大祭)の消費拡大と事業活動の活発化を受け、それに伴う投資も増加しています。インドネシア中央統計局は第1四半期同様、第2四半期のGDP成長率も5%程度になるという見通しを示しています。また、日系自動車メーカー2社が新型ハイブリッド車(HV)を低価格帯で、2022年第3四半期にリリースすることを、第2四半期に発表しました。すでに他国メーカーがリリースしている高価格帯の電気自動車(EV)に対抗する形となっており、日系自動車メーカーの新車販売台数増加が期待されます。
【ベトナム】
https://www.jacgroup.com/ja/jac-locations/jac-vietnam
https://www.jac-recruitment.vn/ja
<求人数増減>
対前年四半期比 127%
対前四半期比 111%
●アフターコロナの回復基調が鮮明に
6月末に発表された実質GDPは7.72%と昨年時における来期予測を大きく上回る数値となっています。
観光客の回復については政府の期待値には届かないものの、空港や市内中心地で、海外からの観光客と思われる人達を見かけるようになってきました。多くのカフェや小売店舗も店を開けるようになっており、肌感覚として、内需の回復を感じます。ウィズコロナを抜け、アフターコロナのフェーズに入った印象です。
昨年のロックダウン時に大きな痛手を被った製造業の工業団地においても陰性証明の提出が不要になっており、日本からの出張者も明らかに増えています。
【中国】
https://www.jacgroup.com/ja/jac-locations/jac-china
https://www.jac-recruitment.cn/ja
<求人数増減>
対前年四半期比 78%
対前四半期比 64%
●ロックダウンで経済活動は大打撃を受けるも、採用活動は製造業を中心に継続
年始から始まった各地でのロックダウン。特に上海では2ヵ月以上続き、世界経済にも大打撃を与えました。内需が落ち込み、毎年6月18日に行われるインターネット通販セール「618」の売り上げも、伸び率は前年実績比10.3%増と、昨年27.7%増と比べ大幅に鈍化しました。経済成長も2020年以来のマイナス成長に陥ると予測されています。ゼロコロナ政策を継続しつつ、5.5%前後という年間成長率目標を何としても達成するよう習近平国家主席が指示するも、経済停滞・景気縮小は避けられない状況です。
【香港(中国香港特別行政区)】
https://www.jacgroup.com/ja/jac-locations/jac-hong-kong-sar
https://www.jac-recruitment.hk/ja
<求人数増減>
対前年四半期比 122%
対前四半期比 135%
●第5波のピークが去り、2022年第3四半期以降、GDPはプラスに転じる見通し。現地採用の課題は、業種を超えた専門職の流出
世界的な需要の鈍化と、2022年第1四半期から第2四半期の4月まで続いた過去最悪のパンデミックを受け、2022年上半期の香港経済はGDPが4%減少するなど、悪化しました。GDPの減少は2020年第4四半期以来で、ソフトロックダウンを実施した2020年第3四半期に匹敵する急激な落ち込みとなりました。
2022年第3四半期にはGDPが増加に転じ、2023年第1四半期には7.9%上昇すると予測されています。しかし国内経済については、4月以降、ソーシャルディスタンスの規制緩和が進み、経済活動が進展しました。第2四半期は、3-5月に失業率や不完全雇用(本人のスキルや希望に沿わない雇用状態)の状況が改善し、市場の変動が激しくなりました。第3四半期には2022年雇用支援制度(ESS/Employment Support Scheme)とともに、消費バウチャー制度(Consumption Voucher)が展開されることになっており、季節調整済み失業率は2-4月の5.4%から3-5月には5.1%へと0.3%低下しました。
コロナ感染状況の「Under Control(制御下にある)」状態が続いていることから、2022年の予想インフレ率は2%前後で維持される見込みです。
【韓国】
https://www.jacgroup.com/ja/jac-locations/jac-korea
https://www.jac-recruitment.kr/ja
<求人数増減>
対前年四半期比 89%
対前四半期比 96%
●求人件数は微減だが、一部の転職マーケットは売り手市場に
5月に韓国銀行が発表した経済展望報告書では、今年度の実質GDP成長率が2.7%に下方修正されました。下方修正の背景には、国内の防疫措置緩和など上方要因はあるものの、ウクライナ情勢や主要国金利引き上げ加速、中国の都市封鎖など、下方要因がより大きいことが挙げられます。一方で6月の消費者物価指数は昨年対比で6.0%上昇し、今年度の見通しは4.5%上昇と、大幅な上方修正が行われています。また、韓国の最低賃金委員会は6月末に、来年度の最低賃金を今年度比5%増の時給9,620ウォンで確定しました。
【インド】
https://www.jacgroup.com/ja/jac-locations/jac-india
https://www.jac-recruitment.in/ja
<求人数増減>
対前年四半期比 208%
対前四半期比 121%
●売り手市場となり、企業の採用活動が長期化
コロナ感染状況の改善により規制が緩和され、企業の動きや商業活動は通常の状態に戻りつつあります。ワクチン接種の普及もあり、第2波の落ち込みから経済は少しずつ回復の局面に向かいました。企業の業態にもよりますが、多くの企業が通常通りの営業活動を再開するなど、経済活動は活発化しています。インド経済監視センター(CMIE)によると、コロナ禍の影響で失業率は11.9%まで上昇しましたが、2021年11月時点で7.0%まで低下するなど、雇用状況は改善の傾向が見られ、経済活動もコロナ禍以前の水準まで回復してきました。
【日本】
https://www.jacgroup.com/ja/jac-locations/jac-japan
https://corp.jac-recruitment.jp/
<求人数増減>
対前年四半期比 106%
対前四半期比 99%
※日本企業の海外事業関連求人
●新規求職者数は、高めを維持。ウクライナ情勢や円安など景気下振れリスクも。外国人旅行客の受入れ再開など、国内消費は回復の見込み
コロナ禍の感染状況は第2四半期では概ね落ち着きを見せたものの、ウクライナ情勢悪化による資源価格上昇、中国のロックダウンに伴うサプライチェーンの混乱、また米国の利上げに伴う急激な円安による物価高騰など、企業はさまざまな景気下振れリスクに見舞われています。これが長引くと、安定的に増加している産業機械、建設機械の出荷額にもブレーキがかかりかねないほか、雇用や賃金への悪影響も懸念されています。
一方、6月から外国人旅行客の受入れが再開し、また円安が続いていることから、7月以降、サービス、観光など国内消費が一定の回復をすることが見込まれます。
【各国の「企業の採用動向」「求職者の動向」については添付のPDFをご覧ください】
https://www.atpress.ne.jp/releases/321227/att_321227_2.pdf
■株式会社ジェイ エイ シー リクルートメントについて
1988年設立。スペシャリストや管理職の人材紹介に特化し、企業と人材を一人のコンサルタントが同時に担当する「両面型」のビジネスモデルとして国内最大規模の東証プライム市場上場企業です。国際ビジネス経験をもつ人材の紹介も強みの一つで、日本国内では外資系企業や日系企業の海外事業などのグローバル領域の売上が全体の50%以上を占めています。外資系企業の人材紹介に特化した JAC International、ジョブサイトの「キャリアクロス」を運営するシー・シー・コンサルティング、英国、ドイツおよびアジア8ヵ国で人材紹介業を展開するJAC Recruitment International Ltdのグループ会社、コンサルティング・金融業界に特化した人材紹介事業を展開するバンテージポイントを傘下に、世界11ヵ国、25拠点で事業を展開するグローバル企業です。
http://corp.jac-recruitment.jp (コーポレートサイト)
http://www.jac-recruitment.jp (転職サイト)
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