抗菌薬・抗生物質に関する知識は不十分のまま、数年間変化なし ...

抗菌薬・抗生物質に関する知識は不十分のまま、数年間変化なし  薬剤耐性の問題に対する関心や理解は深まっていない 「抗菌薬意識調査レポート 2022」発表

感染症治療の切り札といわれる抗菌薬が効かない薬剤耐性(AMR)の問題が世界中で深刻化しています。

日本でも2種類の「薬剤耐性菌」によって2017年に国内で8,000人以上が死亡したとの推計が出ており、深刻な影響が懸念されています。薬剤耐性(AMR)の問題は抗菌薬・抗生物質の不適切な使用が一因であり、その対策として私たちにできることは、抗菌薬・抗生物質の知識や理解を深めて正しく使うことです。

 AMR臨床リファレンスセンターでは、今年度も一般の方700人を対象に「抗菌薬・抗生物質に関する意識調査」を行いました。その結果、日本人の抗菌薬・抗生物質や薬剤耐性への知識が未だ不十分であることが見えてきました。しかし、コロナ禍の経験を通じて、体調不良時には学校や職場を休むと回答した人は年々増加し、咳エチケットを行いたいと約6割が回答するなど、感染症に対する行動の高まりが見えてきました。


「抗菌薬意識調査レポート 2022」発表

https://amr.ncgm.go.jp/pdf/20220930_report_press.pdf



■調査概要

1. 調査方法 :インターネット調査

2. 調査機関 :国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院 AMR臨床リファレンスセンター

3. 調査対象者:全国の15歳以上の男女

4. 有効回答数:700サンプル

        (10代/20代/30代/40代/50代/60代/70代の7つの年代属性で男女各50名ずつ)

5. 調査実施日:2022年8月



■調査 サマリー

<抗菌薬・抗生物質の正しい知識を持つ人の割合は低く、2020年から変動なし>

・「抗菌薬・抗生物質はかぜに効果がある」というのは間違い

・「抗菌薬はウイルスをやっつける」は間違いと正答した人 16.4%


<抗菌薬・抗生物質の不適切な使用が増加>

・家にとってある抗菌薬・抗生物質がある人は27.1%、昨年より増加

・とっておいた抗菌薬・抗生物質を自分でのんだことがあると約4人に1人が回答

・薬剤耐性菌の感染症にかかるかもしれないと思っても「特になにもしない」人は74.7%


<感染対策に対する対する意識は浸透してきている>

・体調不良時に「休む」人は60.0%で2019年より年々増加傾向に

・感染症予防対策で「咳エチケット」を必ず行いたいと59.6%が回答

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