転職コンサルタント160 人に聞いた「女性管理職採用の実態」...

転職コンサルタント160 人に聞いた 「女性管理職採用の実態」調査

「女性管理職採用が増えている」と回答したコンサルタントは半数以上。 入社後に活躍している印象が7 割を超える一方、人間関係で苦労するケースも。 ―『ミドルの転職』コンサルタントアンケート―

人材採用・入社後活躍のエン・ジャパン株式会社(本社:東京都新宿区、代表取締役社長:鈴木孝二)が運営するミドル世代のための転職サイト『ミドルの転職』(https://mid-tenshoku.com/)上で、サイトを利用している人材紹介サービスの転職コンサルタントに「女性管理職採用の実態」についてアンケートを行ない、160名から回答を得ました。以下、概要をご報告します。


調査結果 概要

★ 「女性管理職採用が増えている」と回答したコンサルタントは半数以上。背景には、能力を重視する企業の増加やダイバーシティ・マネジメントへの意識。


★ 「転職時に管理職を希望する女性が増えている」と回答したコンサルタントは4

1%。希望理由のトップは「報酬を上げたい」「仕事の領域を広げたい」。


★ 入社後に活躍している印象が7割を超える一方、人間関係で苦労するケースも。


★ 女性管理職の採用を積極的に行なう企業は「外資系企業」。業種では「IT・インターネット」が多い傾向に。


調査結果 詳細

1:「女性管理職採用が増えている」と回答したコンサルタントは半数以上。背景には、能力を重視する企業の増加やダイバーシティ・マネジメントへの意識。(図1~3)

転職コンサルタントに「女性管理職の採用は増えていますか?」と伺うと、54%が「増えている」と回答しました。女性管理職の採用が「増えている」と回答した方に理由を伺うと、上位は「能力があれば性別を問わない企業が増えているため」(62%)、「ダイバーシティ・マネジメントのため」(55%)でした。


「女性管理職の採用は、今後増えていくと思いますか?」と伺うと、91%が「思う」、9%が「思わない」と回答しました。それぞれの具体的な理由も紹介します。

※ダイバーシティ・マネジメント:多様な人材を迎え入れ競争や活性化を促し、組織強化を行う施策。

 

【図1】女性管理職の採用は増えていますか?


【図2】女性管理職の採用が「増えている」と回答した方に伺います。増えているのはなぜですか?(複数回答可)


【図3】女性管理職の採用は、今後増えていくと思いますか?



「今後増えると思う」と回答した方の理由

・管理職に求める素養について、ひと昔前の「残業してがむしゃらに貢献」というより、次世代の良い人材を辞めさせないチームを作れる方を重宝する組織が増えている。その中で、時間効率や組織力を大切にするマネージャーという点では男性・女性の区別が不要で、時間に制限がありがちな女性も活躍できる=特段制限のない男性も活躍しやすい、という風潮がある。


・ダイバーシティの観点などから女性を登用したい企業は増えている。一方で社内に適当な候補者がいないという悩みは共通しているため、社外から優秀な人材を求める傾向はますます増えると思う。


・日本の労働人口減少、男女での業務遂行能力の差異がないことに上層部が理解できたことが大きい。職場は男性の居場所であるというコンサバレガシーが崩壊してきているため。

 

「今後増えると思わない」と回答した方の理由

・一部の会社はリモートワークが進んでいるが、まだまだ子育てとの両立が難しい企業が多いため。


・日本の社会・風土が受け入れやすい環境・仕組みになっていない。


・採用時に性別不問としながらも、いまだに男性を歓迎する声が多いため。



2:「転職時に管理職を希望する女性が増えている」と回答したコンサルタントは41%。希望理由のトップは「報酬を上げたい」「仕事の領域を広げたい」。(図4、5)

「転職相談において、管理職希望の女性候補者は増えていますか?」と伺うと、41%が「増えている」、56%が「変わらない」、3%が「減っている」と回答しました。続けて、女性候補者が管理職を希望する理由を伺うと、トップは「報酬を上げたい」(59%)、「仕事の領域を広げたい」(54%)、「専門スキルや知識を発揮したい」(49%)でした。

 

【図4】転職相談において、管理職希望の女性候補者は増えていますか?


【図5】管理職希望の女性候補者について、転職理由で多いものを3つ以上選んでください。(3つ以上の回答必須)


3:入社後に活躍している印象が7割を超える一方、人間関係で苦労するケースも。(図6、7)

「女性管理職の採用において、入社後の状況や傾向を教えてください」と伺うと、71%が「知識・経験を活かして活躍している女性が多い」、16%が「仕事や人間関係で、悩みを抱えている女性が多い」、6%が「半年以内に退職・転職してしまう女性が多い」と回答しました。それぞれ具体的なエピソードもあわせて紹介します。


「女性管理職採用を進める企業では、採用活動や社内体制にどのような変化が生じていますか?」という質問では、「中途採用の女性比率の意識」(60%)、「時短・フレックス・テレワークなど子育て中でも働きやすい制度の整備」(54%)がトップ2でした。こちらも具体的なエピソードをあわせて紹介します。

 

【図6】女性管理職の採用において、入社後の状況や傾向を教えてください。


「知識・経験を活かして活躍している女性が多い」について

前職では金融系の管理職をしており、出産育児を経て復職したものの管理職ポストから外されて、金融(生保)にキャリアチェンジ。同社では、営業職として自身の実績、経験を積むと3年目から管理職として志望できることから入社を決定。「目標があると頑張れる」という思いがブレることなく3年目に管理職に昇進し、現在3年目を迎えた。社内で女性管理職、男性管理職と分けて表現されることはないため、業務の上で気になることはない様子。


「仕事や人間関係で、悩みを抱えている女性が多い」について

女性管理職、幹部候補で入社したものの、古参の男性管理職や幹部層に冷遇され、やりづらく転職を検討する方が多い。


「半年以内に退職・転職してしまう女性が多い」について

経験を活かして活躍している方が多い一方で、男性社員のマネジメントで壁があり、悩みを抱えている方もいる。特に中堅企業では自身より年齢の高い男性部下をもつケースもあり、早期退職するケースがある。

 

【図7】女性管理職採用を進める企業では、採用活動や社内体制にどのような変化が生じていますか?(複数回答可)


「中途採用の女性比率の意識」について

「中途採用の女性比率の意識」は、意識して女性を採用するのではなく、男女を意識せず分け隔てなく採用しているという意味であれば、その傾向が強いと言える。


「時短・フレックス・テレワークなど子育て中でも働きやすい制度の整備」について

女性管理職が仕事と家庭のバランスを保つために時短勤務を選択していたが、コアタイムや緊急時に対応できるようテレワーク導入を企業に提案。結果としてフレックス制度ができ、業務の効率化を図ることができた。



4:女性管理職の採用を積極的に行なう企業は「外資系企業」。業種では「IT・インターネット」が多い傾向に。(図8~11)

「企業が女性管理職に期待することは何ですか?」と伺うと、上位は「性別関係なく管理職としての能力発揮」(56%)、「女性活躍のロールモデルとなること」(51%)、「女性が働きやすい環境づくり」(46%)でした。


女性管理職の採用を行うことが多い企業の特徴を伺うと、企業タイプのトップは「外資系企業」(69%)、業種でのトップは「IT・インターネット」(48%)でした。女性管理職の採用において、想定されることの多い候補者の年齢層を伺うと、 72%で40代前半(40~44歳)が最多でした。

 

【図8】企業が女性管理職に期待することは何ですか?(複数回答可)


【図9】女性管理職の採用を行うことが多い企業のタイプを教えてください。(複数回答可)


【図10】女性管理職の採用を行うことが多い「業種」を教えてください。(複数回答可)


【図11】女性管理職の採用において、想定されることの多い候補者の年齢層を教えてください。(複数回答可)



【調査概要】

■調査方法 :インターネットによるアンケート

■調査対象 :『ミドルの転職』(https://mid-tenshoku.com/)を利用する転職コンサルタント

■有効回答数:160名

■調査期間 :2022年9月14日~9月21日



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