協会けんぽ京都支部の40歳以上の加入者を対象に調査分析 約半...

協会けんぽ京都支部の40歳以上の加入者を対象に調査分析  約半数(※1)が「生活習慣病」または、その「予備群」の可能性。

全国健康保険協会(協会けんぽ)京都支部、40歳以上の加入者392,022人のうち、 195,474人 49.86%が一定のリスク因子を持つことが分かっています。 加入者の健康促進には、「職場」の環境を「健康」にすることが鍵となります。

全国健康保険協会京都支部(京都市中京区、支部長:守殿 俊二、以下、協会けんぽ京都支部)は、京都府の約55,000事業所、88万人が加入する医療保険者です。加入者および事業所に対するサービスとして健診事業の実施ならびに受診後のサポート、その他保険給付等を行っています。また、京都で働く方とそのご家族の皆様の健康増進に向けた取組として、事業所とともに取組む健康づくり「コラボヘルス(※2)」を推進しております。昨年より開始した広報プロジェクト「健康の現在値(いま)を見よう」を通して、事業所に対し健診データ等、保有するデータをわかりやすくフィードバックする等の事業により、事業所の健康経営(R)の推進をしております。


*「健康経営(R)」はNPO法人健康経営研究会の登録商標です

(※1)全国健康保険協会(協会けんぽ)京都支部調査(2021年3月):健診および健康サポート・健康相談のデータをもとに40歳以上の加入者(392,022人)を対象とした調査より

(※2)協会けんぽ等の保険者と事業者が積極的に連携し、加入者の健康づくりを効率的・効果的に実行すること。



【トピック】

(1)40歳以上加入者の約半数(※1)が「生活習慣病」または、その「予備群」の可能性。

(2)加入者の健康促進には、加入者が多くの時間を過ごす「職場」の環境を「健康」にすることが鍵。京都の“職場の健康づくりトップランナー”との意見交換会を実施し、職場の健康づくりの現在値(いま)を知る。

(3)ヘルス博Kyoto2022出展、健康の現在値(いま)、その場でチェック(※3)。

(※3)体組成計(InBody)等を使用した簡易的な健康チェックを無料で受けられます



(1)40歳以上加入者の約半数(※1)が「生活習慣病」または、その「予備群」の可能性。

協会けんぽ京都支部の40歳以上の加入者(392,022人)を対象として、健診結果及びレセプト(医療機関等受診状況)をもとにした特定保健指導対象者群の健康課題を調査分析、健診受診の有無や医療費の状況等を踏まえて独自に7グループに分類し、改善に向けた事業を実施。調査の結果、約半数に及ぶ、195,474人(49.86%)が、一定のリスク因子を持っていることが分かりました。これは、加入者ご自身の健康状態が確認できていない、生活習慣病およびその予備群も含め、改善に取組めない状態になります。


■グループの分類

1. 健診結果優良者(68,657人)

2. 特定保健指導予備群(35,437人)

3. 特定保健指導対象者(11,905人)

4. 医療機関受診勧奨対象者(101,298人)

5. 健診未受診で治療中者(45,865人)

6. 治療中断者(969人)

7. 生活習慣病 状態不明者(127,891人)


健診結果に一定のリスク因子を保持する人の割合


■「生活習慣病」またはその「予備群」と想定し健康サポートを強化。

協会けんぽ京都支部では、まず加入者に「健康の現在値(いま)」を確認いただくことおよび、健康増進の取組として、健康診断などの定期的な「健康確認」にかかる事業の費用補助および「健診結果」などの情報を「活用」できていないおそれのある方を対象に、状況の改善に向けた事業として特定保健指導・重症化予防事業等を行っています。※分析に関するフローおよび詳細は添付補足資料もご確認ください。



(2)加入者の健康促進には、加入者が多くの時間を過ごす「職場」の環境を「健康」にすることが鍵。京都の“職場の健康づくりトップランナー”との意見交換会を実施し、職場の健康づくりの現在値(いま)を知る。

■事業所様との広報のコラボを開始。

協会けんぽ京都支部の40歳以上加入者の約半数が、一定のリスク因子を持っているという状況の中で、個々の受診行動や保有リスクの程度等その属性は多様なものとなっています。そこで協会けんぽでは加入者の健康促進を、包括的にまた効果的に行うため、加入事業所様と一体となって、加入者が多くの時間を過ごす「職場」の環境を「健康」にすること(コラボヘルス)に取り組んでおります。

この取り組みのひとつとして、職場の健康づくりトップランナーの取組の聴取及び、意見交換等、事業所と協働して「健康の現在値(いま)を見よう」広報プロジェクトを推進。令和4年12月13日(火)に開催した、「働く環境から、健康について考える」座談会では、事業所の健康づくりをご担当され、京都府内でもトップランナーとしてご活躍されている方々にご来所いただきました。事業所内での取組についてお聞きした他、なぜ、いま会社ぐるみで健康づくりを行う必要があるのか、その背景や課題意識についてお聞きするなど、事業所における健康づくりの「現在値(いま)」を捉えることにつながりました。今後も事業所およびご担当の皆様との意見交換を通したコラボヘルスを推進してまいります。


●事業所の取り組み

社会福祉法人 青谷学園 事務局長 鈴村 由里子様

( https://aodani.or.jp/ )

<週休三日、全員禁煙、“現場の課題”発の様々な取り組みで、健康に働く環境づくりを推進。>


鈴村 由里子様


24時間体制の社会福祉施設である、社会福祉法人 青谷学園様は「健康ファミリー青谷学園」と銘打ち、事業所をあげて健康な職場づくりや職員のヘルスリテラシー向上のために様々な取り組みを実践。2014年、「きょうと健康づくり実践企業認証」に参加したことをきっかけにして、まずは法人の禁煙に取り組み、2018年までに職場の全員禁煙を達成。2016年、協会けんぽの「京から取り組む健康事業所宣言」に参加、本格的に職員の健康を整える環境づくりに取り組み始める。また、2017年4月より1日10時間勤務で週4日働く、週休3日制を実施。また、残業削減にも合わせて取り組み、2021年度全職員の月間平均残業時間は15分まで減少。さらに、有給休暇も89.7%と高い取得率を達成。職員の課題となっていた腰痛も、「ノーリフティング宣言*」をして腰痛予防対策に取り組み、現在では腰痛の労災も無くすことに成功している。

*「ノーリフティング宣言」…人の手で利用者の体を持ち上げたりして移乗せず、リフトなどの福祉機器を活用して職員の身体的負担の軽減を目指すこと。


さらに、がん教育にも特に注力。がん対策推進企業アクション推進パートナー企業に登録し、がん教育を積極的に行っている。例えば厚生労働省が発行している小冊子「がん検診のススメ」を活用し、館内放送で順番に朗読を実施。啓発資材は流し読みをしてしまいがちであるが、自分の番が来ると思うと気に留めて聞こうという気になると考えた。また、乳がん触診体験用のモデルをレンタルして男性も含め全職員に触れさせるなどの取り組みを実施。健康教育においては体験等を通じた“自分ごと化”を大事にしている。

今後は、健康診断の項目を事前に勉強することができる「健康診断の結果の見方シリーズ」と称して、わかりやすく解説するなど、職員自身のヘルスリテラシー向上と、セルフケアの促進も進めていく。


◎社会福祉法人 青谷学園様の健康経営の取り組み

https://aodani.or.jp/csr/#health



株式会社 京都環境保全公社 総務人事・健康づくり等ご担当者 野田 梓様

( https://www.kyoto-kankyo.net/ )

<健康な環境づくりは、SDGs。多様な観点から、高い目標を掲げて推進。>


野田 梓様


産業廃棄物の適正処理等を手掛ける株式会社 京都環境保全公社様では、協会けんぽの「京から取り組む健康事業所宣言」への登録をきっかけに、「働き方改革」の推進、「両立支援制度」の強化、「福利厚生」の充実、「産業保健体制」の強化、「ヘルスリテラシーの向上」の5本柱で取組を実施。

一番の課題であった、「ヘルスリテラシーの向上」に関しては、試行錯誤を重ねている。まずは健康を知るきっかけづくりなど継続的に働きかけた。健康教育に関しては従業員への浸透が困難であったが、健康講座やeラーニングなどの手段を活用し、定期的な健康教育の場を設置した。また、再検査対象者や医療機関要受診者への行動変容を促すための工夫を行った。検査費用等の金銭面、時間捻出の面等、行動変容の阻害要因のうち、事業所内で対処可能と思われる部分をまずはひとつひとつ潰していった。

また、「働き方改革」の推進における取組にも特に注力。京都府の「ワーク・ライフ・バランス認証企業」の認証を受けている。労働時間の削減に関しては、ノー残業デーの推進をはじめとして、各部署の管理職層へのアプローチによる意識づけを行う等の取り組みを確実に行ってきた。有給取得も厚生労働省発表の令和2年度における労働者の有給取得日数平均(10.1日)を下回り大きな課題だったが、有給奨励日を土曜日に設定し平均取得日数を向上させた。さらに、24時間勤務の方の朝食欠食の声を反映し、24時間購入可能な“食の自販機”の導入など、業態独自の課題にも力を入れた。

今年度より産業保健師との連携をはじめ、予防医学の観点から、一人一人が自発的な行動につながるヘルスリテラシーの向上に力を入れていく。また、傷病と仕事の両立支援をはじめとした社内体制の構築にも注力したい。


◎株式会社 京都環境保全公社様の健康経営の取り組み

https://www.kyoto-kankyo.net/corporation/health.html


参考:コラボヘルスに取組む他の事業所様の事例

京(きょう)から取り組む健康事業所宣言 令和4年度事例集

https://www.kyoukaikenpo.or.jp/~/media/Files/kyoto/koho/zireisyu2022.pdf



(3)ヘルス博Kyoto2022出展、健康の現在値(いま)、その場でチェック(※3)。

京都府および、きょうと健康長寿推進府民会議、京都府がん対策推進府民会議主催の、健康づくりや会社の健康経営を支援するイベント(ヘルス博Kyoto2022)へ出展します。リアル開催当日は、体組成計(InBody)などを使用した健康の現在値(いま)の確認と、保健師等による健康相談を受けられます。



■ヘルス博Kyoto2022 ブース出展

https://healthhaku-kyoto.com/

開催    :令和5年1月23日(月)10:00~16:00

会場    :京都産業会館ホール( http://www.ksk.or.jp/access/ )

       京都市下京区四条通室町東入函谷鉾町78番地

入場・参加費:無料

その他   :以下の期間においてオンラインでも開催されます。

       令和5年1月23日(月)~令和5年2月23日(木)



【補足資料】

■健診結果及びレセプト(医療機関等受診状況)をもとにした京都支部加入者の健康状態・受診行動等調査分析フロー


健診結果及びレセプト(医療機関等受診状況)をもとにした京都支部加入者の健康状態・受診行動等調査分析フロー図


■協会けんぽ京都支部の広報プロジェクト

https://kyoukaikenpo-kyoto-hoken.jp

からだの中は見えない、だから健康の現在値(いま)を確認しよう。

広報プロジェクト「健康の現在値(いま)を見よう」


動画「現在値(いま)が見える場所」


協会けんぽ京都支部は、加入者の皆様がご自身の健康や生活習慣に関する情報を得て、その情報を活用する力(ヘルスリテラシー)を向上させていただくため、令和3年度より、「現在値(いま)が見える場所」という統一テーマを掲げた広報プロジェクトを開始しています。皆様が生涯にわたり元気に、夢を持ち、活躍し続けるためには、ふだんの生活の中からは見えないからだの「現在値(いま)を見る」ことが大切であると考えています。


自身のからだの「現在値(いま)を見る」には、まずは健康診断(健診)。年に1回の健診では、ふだんの暮らしを通信簿としてみることができます。「現在値(いま)を見る」ことは、暮らしをどう捉えて、工夫していくべきなのかを考えるための大きな指針となるからです。わたしたちは多くの皆様に「健康の現在値(いま)」を知り、将来に向けた備えをしていただくため、加入者へ健康診断等の保健事業等利用の必要性、事業の価値を伝えていくことを目指しています。今後も皆様が「現在値(いま)を見る」きっかけとなる、動画や特設ウェブサイト、メールマガジン等を活用した広報活動を実施し、また、健診結果等のビッグデータを活用し、京都府の健康課題や、かかりやすい疾病の傾向などを分析、健康づくりに関する情報づくりをしてまいります。また、このプロジェクトを通し、多くの皆様が健康意識を高め、また事業所様が健康経営(R)への取り組みを加速できるような社会づくりを目指して活動してまいります。



【お問合せ先】

全国健康保険協会 京都支部 企画総務グループ

担当:浴畑・堤

TEL :075-256-8636

FAX :075-256-8670

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