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空気調和に関する世界最大の国際学会にて 『新菱神城ビル』が世界最優秀賞を受賞

新菱冷熱工業株式会社、株式会社三菱地所設計、学校法人芝浦工業大学秋元孝之研究室の3者が設計・施工・検証に携わった『新菱神城ビル』(東京都千代田区)が、空気調和に関する世界最大の国際学会である米国暖房冷凍空調学会(ASHRAE)が主催する「2023 ASHRAE Technology Awards」の新築オフィスビル部門(Commercial Buildings(new))にて世界最優秀賞(First Place)を受賞したことをお知らせします(受賞発表日:2023年2月4日 米国・アトランタ)。


新菱神城ビル

受賞式(米国・アトランタにて)


2020年6月に竣工した中規模オフィスビル『新菱神城ビル』(以下、当ビル)は、全館で新開発したダクトレス空調を採用し「+1フロア」の増床を実現しました。このダクトレス空調は、従来の方式をベースとしつつも省エネルギー性能を大幅に改善しました。当ビルではこの他にも新開発の設備技術を多数導入し、その多くは上記3者の共同研究による長年の実証実験などにより、より高水準の技術として確立したものです。こうした研究/開発プロセスも、関連学術団体から高い評価を頂いています。


米国暖房冷凍空調学会(ASHRAE/American Society of Heating, Refrigerating and Air-Conditioning Engineers):132カ国・5万人以上の会員を擁する、空気調和に関する世界最大の国際的学会。1894年創設、本部:米国アトランタ。「ASHRAE Technology Awards」(1999年~、毎年開催)は、省エネ・快適性やユーザの健康などを兼ね備えた、革新的な環境建築に対する世界最大規模の技術賞です。審査には実運用データによる裏付けが要求され、建築・設備関係者からも高い信頼を集めています。 https://www.ashrae.org/



■3段階の審査を経て世界最優秀賞を受賞

「ASHRAE Technology Awards」は地域規模に応じて3段階の審査が行われ、当ビルは2022年7月の日本支部選考にて、最優秀技術賞を受賞し、その後、同年8月にはRegion X III(アジア)地域選考でも最優秀技術賞を受賞しました。そして今回、世界15地域から選抜された建築環境技術作品を対象とした最終選考にて「世界最優秀賞」を受賞したことで、本建築における省エネルギー化などの建築環境技術が世界最高水準にあることが示されました。


また、当ビルでは運用開始後も詳細な性能検証を基に、一層の省エネルギー化を目指すべく表計算ソフト(Excel)と連携した熱源制御の開発に取り組むなど、導入技術の応用開発を継続して実施しています。このプロジェクトで実証されたさまざまな技術は、設計・施工に広く展開・応用し、今後も脱炭素社会の実現に向けて発信してまいります。


2023 ASHRAE Technology Awards選考フロー


■『新菱神城ビル』に導入した環境配慮技術概要


全館に新開発ダクトレス空調を採用したことで、高さ制限のなか「+1フロア」の増床に成功


■『新菱神城ビル』のこれまでの受賞歴

当ビルは、これまでに多くの賞を受賞しています(導入した各種要素技術の受賞を含む)。


2020年5月:第18回 環境・設備デザイン賞 入賞(主催:建築設備綜合協会)

      『変風量コアンダ空調システムを実現する“Air-Soarer”』

2022年4月:第10回 カーボンニュートラル賞 受賞(主催:建築設備技術者協会)

      『新菱神城ビルの環境配慮技術』

      本建物の空調システムに対し、脱炭素化に限らず、

      階高の創出をもたらす等のメリットがあるものとして、

      今後の中小規模オフィスのありように寄与・貢献することが

      期待されることが評価されました。

2022年5月:第20回 環境・設備デザイン賞 入賞(主催:建築設備綜合協会)

      『新菱神城ビル』

2022年5月:第20回 環境・設備デザイン賞 入賞(主催:建築設備綜合協会)

      『ダイナミックレンジ放射空調システム』

2022年5月:第60回 空気調和・衛生工学会賞 技術賞 建築設備部門

      (主催:空気調和・衛生工学会)

      『新菱神城ビルの環境・設備計画』

      自然エネルギーを最大限活用する

      「ダイナミックレンジ放射空調システム」や

      「変風量コアンダ空調システム」など独自の空調技術の

      開発・検証プロセスや環境性能の高さなどが評価されました。

2022年5月:第60回 空気調和・衛生工学会賞 技術賞 技術開発部門

      (主催:空気調和・衛生工学会)

      『設備機器・配管の長寿命化を目指した無薬注型防食システムの開発』

      設備の長寿命化を図る無薬注の防食システムであり、

      新築建物だけではなく既存建物において既に発生してしまった

      局部腐食についても有効で

      環境負荷低減にも繋がることが評価されました。

2022年7月:ASHRAE Japan Chapter Technology awards First Place[日本1位]

      (主催:米国暖房冷凍空調学会 日本支部/ASHRAE Japan Chapter)

2022年8月:ASHRAE Region X III Technology awards First Place[アジア地域1位]

      (主催:米国暖房冷凍空調学会 Region X III/ASHRAE Region X III)

2023年2月:2023 ASHRAE Technology Award First Place[世界1位]

  ※今回 (主催:米国暖房冷凍空調学会/ASHRAE)



■建築概要

建物名称 :新菱神城ビル(しんりょうしんじょうビル)

所在地  :東京都千代田区神田多町2-9-2

用途   :事務所、住宅

構造形式 :地上S造、地下SRC造

竣工   :2020年7月

延床面積 :4619.55m2

階数   :地下1階、地上9階(3~5階に変風量コアンダ空調システム、

      6~8階にダイナミックレンジ放射空調システムを導入)

各社の役割:新菱冷熱工業株式会社…計画・施工・開発・評価・検証

      株式会社三菱地所設計…計画・設計・監理・開発・検証

      芝浦工業大学 秋元 孝之 教授…評価・検証

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