「エクアドル国カカオ高付加価値化のための トレーサビリティプリンティングシステム普及・ 実証・ビジネス化事業」として JICA「中小企業・SDGs 普及・実証・ビジネス化事業」に採択
エクアドルのカカオと日本のチョコレートをICTで繋ぐ MIERU-CACAO(ミエル-カカオ)の普及・実証・ビジネス化事業を開始
株式会社シンメイ(所在地:東京都中央区、代表取締役社長:吉井 貞夫、以下 シンメイ)は、エクアドル国カカオ高付加価値化のためのトレーサビリティプリンティングシステム「MIERU-CACAO(ミエル-カカオ)」が、独立行政法人国際協力機構(JICA)の「2022年度中小企業・SDGs 普及・実証・ビジネス化事業(中小企業支援型)」に採択され、普及・実証・ビジネス化事業を開始することをお知らせいたします。(予定期間:2023年3月~2025年12月)
これまで「2020年度中小企業・SDGsビジネス支援事業~案件化調査(中小企業支援型)~」に採択され案件化調査を実施してまいりましたが、次のステップとして普及・実証・ビジネス化事業を進めることとなりました。本事業は、カカオのフードバリューチェーンのみえる化の基盤を構築し、カカオベルトに普及可能なグローバルモデルを実証していきます。
【採択事業実施の背景】
農産品のフードバリューチェーンにおいて生産地から食卓までどのような過程をたどってきたかを明らかにするトレーサビリティは、大地や大海原の自然の恵みである農林水産品を価値のある製品として生活者に届けるための必須の情報になりつつあります。そして、トレーサビリティを明らかにし、持続可能なフードバリューチェーンを構築することは、国際的な課題である「SDGs(持続可能な開発目標)」、「ESG(投資概念)」、カーボンニュートラルの実現、そして、サーキュラーエコノミー(循環型経済)への転換として益々重要になってきています。
また、カカオ産業全体の課題として、以下の3つがあります。
課題(1)カカオの持続可能性確保
欧米市場ではカカオ農家の労働環境やサプライチェーンの透明性、カカオ栽培の森林保全に対する影響等持続可能性確保に消費者の関心が高まっています。
課題(2)カカオの品質の安定化・保証
国際取引市場での地位を維持・改善し、信頼を獲得するため、また消費者に製品の品質と安全性を保証するために、カカオ豆収穫後の適切な処理・管理や、風味や香りの特徴が異なる品種の混成を防ぐことによる品質の安定化や保証が、大きな課題となっています。
課題(3)残留農薬・化学物質等の発生源特定
カカオの栽培で使われることのない農薬2,4-D(2,4-ジクロロフェノキシ酢酸:除草剤)が生産・流通等の過程で混入しているが、どの段階で混入が発生したかは明確になっておらず、抜本的な改善や対応策が講じられていない。輸入時に、2,4-Dの検査が義務付けられており、残留農薬基準を超過した場合、輸入が認められない。また、カカオは土壌や水からカドミウム(猛毒の重金属)吸収能があり、カドミウムによる人体への影響の懸念が多くの欧州各国で高まっており、全輸出バッチにおいて厳密な監視が行われているが、農薬同様、検出された場合、農園の特定ができないため、発生源特定に関する抜本的な解決策を打つ必要があります。
このように、社会的(人権的)、環境的、経済的、安全性の側面において、また、国際市場における競争力向上のためにもカカオの持続可能性とトレーサビリティの保証が重要となっています。
【提案事業の概要】
エクアドルはカカオの原産国であり、世界第三位の生産国です。カカオはエクアドルにとってバナナ、花に次ぐ第三位の輸出農産品目で、特にプレミアムカカオと呼ばれる高級カカオはエクアドル産が世界のトップシェアを誇ります。カカオの生産現場、中間・輸出業者から日本をはじめとする海外のチョコレートメーカーまでのサプライチェーンに独自のアプリケーションや印刷技術を導入して品質や原産地等のデータを見える化させるのが、この案件の狙いです。
「MIERU-CACAO」(ミエル-カカオ)のシステムによって、エクアドル産の高品質カカオに新しい付加価値を加えて、世界のエクアドルカカオファンに新たな満足をお届けしながら、エクアドルカカオ産業の一層の発展につなげたいと考えています。
また、グローバルなカカオのフードバリューチェーンにおけるトレーサビリティの確保と効率的な管理を可能にするトレーサビリティ・プリンティング・システム MIERU-CACAO(ミエル-カカオシステム)の実証・普及を図り、ひいてはエクアドル国のカカオフードバリューチェーンにおける効率性・生産性・品質の向上や輸出振興、そして輸出業者や生産者の所得向上への貢献と我が国や他の国々へのトレーサブルカカオ MIERU-CACAO(ミエル-カカオ)の普及を目指します。
更に、シンメイと株式会社 天地人(東京都港区、代表取締役:櫻庭 康人)は衛星データを活用した森林伐採や生育状況等のモニタリングとトレーサビリティプリンティングシステムMIERU-CACAO(ミエル-カカオシステム)への反映を検討していきます。
【関連リンク】
2022年度中小企業・SDGsビジネス支援事業~普及・実証・ビジネス化事業(中小企業支援型)
(2022年9月15日公示)採択案件一覧
https://www.jica.go.jp/chotatsu/bvs/2022/uurjcd00000064ns-att/220915_result_03.pdf
国際連合工業開発機関(UNIDO)東京投資・技術移転 促進事務所(東京事務所)のサステナブル技術普及プラットフォーム(STePP)登録
http://www.unido.or.jp/en/technology_db/8017/
「トレーサビリティプリンティングシステム」×「衛星ビッグデータ」
【株式会社シンメイ 会社概要】
会社名 : 株式会社シンメイ
所在地 : 〒103-0002
東京都中央区日本橋馬喰町2-3-3 秋葉原ファーストスクエア
代表者 : 吉井 貞夫
設立 : 昭和39年10月19日
事業内容: 産業用プリンターの製造販売、サービス、メンテナンス
記事掲載数No.1!「@Press(アットプレス)」は2001年に開設されたプレスリリース配信サービスです。専任スタッフのサポート&充実したSNS拡散機能により、効果的な情報発信をサポートします。(運営:ソーシャルワイヤー株式会社)