横浜国立大学・三井住友海上・MS&ADインターリスク総研・ウ...

横浜国立大学・三井住友海上・MS&ADインターリスク総研・ ウェザーマップ・あいおいニッセイ同和損保の5者、 台風シミュレーションを基にした気象警報注意報・ 被害推定および自治体向けの 仮想災害訓練メニュー開発へ向けた共同研究を開始

~台風被害を減災し、安全・安心な社会の実現に貢献~

国立大学法人横浜国立大学(本部:神奈川県横浜市、学長:梅原 出、以下「横浜国立大学」)、MS&ADインシュアランス グループの三井住友海上火災保険株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:舩曵 真一郎、以下「三井住友海上」)、MS&ADインターリスク総研株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:中村 光身、以下「MS&ADインターリスク総研」)、あいおいニッセイ同和損害保険株式会社(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長:新納 啓介)、以下「あいおいニッセイ同和損保」)および株式会社ウェザーマップ(本社:東京都港区、代表取締役社長:森 朗、以下「ウェザーマップ」)は、「台風経路アンサンブルデータ※1を基にした気象警報注意報・被害推定データの作成および自治体向けの仮想災害訓練メニューの考案」に関する共同研究を開始しました。

各者はそれぞれの強みを生かし、自治体の防災・減災行動の策定支援等を通じて、レジリエントな社会の実現を目指します。


※1 過去の台風経路をわずかに変えた仮想台風を基に算出した、複数の数値データ群のこと


1. 背景

近年、気候変動に伴い自然災害の激甚化・頻発化が進んでおり、国内でも台風等による甚大な被害がもたらされています(表1)。こうした状況の中、自治体の災害関連業務の負担が増加することが懸念されており、自治体・企業による自然災害リスクへの緩和策の確立が急がれています。

横浜国立大学は過去に甚大な被害をもたらした台風を仮想台風として再現し、その経路を少しずつずらす「台風経路アンサンブルシミュレーション」という実験を行ってきました。これにより様々な台風を仮想再現することができますが、実際の防災・減災対策に紐づけるためには、台風が社会に及ぼす影響をより多層的に検討する必要があります。

こうした状況を踏まえ、社会の防災・減災に資する成果の創出を目指し、本研究を開始しました。

表1 過去の主な風水災等による保険金の支払い

日本損害保険協会調べ(2022年3月末)

https://www.sonpo.or.jp/report/statistics/disaster/ctuevu000000530r-att/c_fusuigai.pdf


2. 共同研究の概要

(1) 主な共同研究内容

横浜国立大学 台風科学技術研究センター※2の「台風経路アンサンブルシミュレーションデータ」を用いることで、様々な仮想台風が社会へもたらす影響を研究します。特に気象警報・注意報やキキクル(危険度分布)※3など実際の防災・減災行動の基準に則したリスク評価を行うことで、「過去のある台風が任意の地点に上陸した場合」など、多様なパターンの台風災害を仮想再現することが可能です。

また、仮想台風を基に作成した気象警報・注意報を用いた自治体を対象とする災害訓練メニュー、「台風経路アンサンブルシミュレーションデータ」を基にした住宅の風災リスク評価手法の開発を行います。


※2 令和3年10月に設立された日本国内初となる台風専門の研究機関。(横浜国立大学台風科学技術研究センターホームページより、 https://trc.ynu.ac.jp/first.html )

※3 気象庁が発表する防災気象情報の一つで、大雨による土砂災害・浸水害・洪水災害の危険度の高まりを地図上に表示するシステム。


(2) 各者の役割

<横浜国立大学>

・共同研究の全体統括

・台風経路アンサンブルデータの提供

・防災タイムラインに利用されるデータの準備

・風災による住宅被害を推定

<三井住友海上>

・共同研究の全体統括

・自治体向け防災ソリューション「防災ダッシュボード」における台風経路アンサンブルデータと作成された仮想警報・注意報データの可視化方法の検討

<MS&ADインターリスク総研>

・台風経路アンサンブルデータを活用した被害推定手法の検討

・台風経路アンサンブルデータや仮想警報・注意報データを活用した自治体BCP構築・見直し支援メニューの検討

<ウェザーマップ>

・台風経路アンサンブルデータを用いた仮想キキクルの導出とそれに基づく仮想警報・注意報シナリオの作成

・同シナリオを用いた訓練メニューの考案 等

<あいおいニッセイ同和損保>

・台風経路アンサンブルデータに基づく被害想定とリアルタイム被害予測ウェブサイト・アプリ「cmap(シーマップ)」の比較による精度検証

・仮想災害訓練メニューの検討における避難所情報の提供


3. 今後の展開

本研究は、大学・保険会社・気象会社各社がそれぞれの長所を生かして協力することで、気象シミュレーションデータ全般の新たな利用の可能性を切り開くことを目指しています。台風シミュレーションデータを基にした仮想警報・注意報の作成および活用はその第一歩であり、同データを活かした災害訓練メニューの提供など自治体の防災・減災行動を支援するサービスを検討してまいります。


関係者写真


写真左から

MS&ADインターリスク総研中村常務、MS&ADインターリスク総研中村社長、横浜国立大学梅原学長、横浜国立大学 台風科学技術研究センター筆保センター長・教授

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