株式会社プロラボホールディングス 代表取締役兼CEO 佐々木広行の インタビュー記事を『人民日報海外版日本月刊』にて公開
人類の健康寿命を延ばすため、利他の心で突き進む
株式会社プロラボホールディングス 代表取締役兼CEO 佐々木広行のインタビュー記事を『人民日報海外版日本月刊』にて公開します。
連なる微かな足跡が、遥か千里の道となる。2016年9月、日中発展協会会長の河野太郎氏率いる視察団が北京に入り、5日間にわたる視察を終えて、中国公共外交協会との覚え書きに署名した。その際、李肇星会長は視察団のある理事に激励の声をかけた――健康産業には輝かしい前途が広がっていますよ――。
それから8年、その理事は15の国で健康産業を展開し、100億円を超える市場規模を打ち立てた。彼の名は佐々木広行。株式会社プロラボホールディングス代表取締役兼CEOであり、現在は18の企業と2つの海外支社を経営している。
田中角栄を尊敬する佐々木広行氏は、李肇星会長と言葉を交わしたときのことを、いまもはっきり覚えているという――自分の使命を忘れず、日中の発展と健康産業のために尽力します――。桜の開花も近づく三月、港区にあるプロラボホールディングス本社を訪れ、佐々木社長の特別インタビューをおこなった。
■インナービューティの先駆者
―― 周知のごとく、日本は健康大国であり、長寿の国としてグローバル健康産業の最先端を走っています。その市場規模と競争力は推して知るべしです。ですから、まずは御社の創業と成功の鍵はどこにあったのか、率直なところをお聞かせ願えればと思います。
佐々木 まだ大学に在籍していたころ、30歳で起業しようと心に決め、そのとおり30歳で実際に起業しました。健康産業に足を踏み入れる前は、フリーペーパーの発行やダイレクトレスポンスの広告制作会社をやっていました。34歳のとき、糖尿病と診断されまして、当時はちょうど仕事が軌道に乗って忙しくなり、しょっちゅう会社で寝泊まりしていたんですね。夜遅くに酒を飲むことが習慣になってしまって、どんどん体重が増えて、一時は100キロを超えたこともあります。
まだ34歳で糖尿病と診断されたわけですから、これはかなりショックでした。それがきっかけとなって自分の生活習慣を見直したんです。わたしの場合は食生活から発症したのは明らかでしたから、言うなれば食源病ですね。
しかし、仕事に忙殺されながら食生活を厳しくコントロールする、これは本当に大変でした。でも、ここでしっかりとコントロールできなければ、さらなる病を併発する可能性があります。それに、これは決してわたし一人が直面している問題ではなく、現代人にとって共通の悩みでもあると考えたのです。
調査と分析、これはわたしがこれまでずっと続けてきた仕事の習慣です。社会のために貢献できるか、それはわたし自身が創業前から自問自答してきた大前提です。糖尿病という診断結果が出たことで、わたしは医療・健康産業に注意を向け始めましたし、医療保険がすでに国の重い負担となっていることにも気づいたのです。予防医療がきちんとできれば、自分自身の健康を守ることができるだけでなく、それは社会の持続可能な発展にも貢献することになるのです。
医食同源、これは中国から入ってきた言葉ですが、数千年にわたって数え切れないほどの検証を経てきた智慧でもあるのです。きちんとした食生活は健康維持において最も重要なカギになります。ですから、食生活の改善からはじめて身体を整え、そして社会に貢献する。これこそわたしが広告事業からインナービューティのメーカー業に転換したその出発点と言えるでしょう。
みなさんもご承知のように、日本は健康大国で、競争はきわめて激しいものがあります。そのなかで勝ち上がろうと思うと、やはりよそとは違う切り口がないといけません。そうして見つけた独自のアプローチ、それがインナービューティです。化粧やエステを美に対する外側からのアプローチとするなら、インナービューティは腸内環境を改善して新陳代謝を高める内側からのアプローチなんです。そもそも美は、健康でなくては成り立ちません。
ですから、わたしは関連する書籍を大量に読み、積極的に専門家の方々の講座にも足を運んで、みずからを実験台にしました。また、予防医学の発展を後押ししたいと考えたので、2014年に内面美容医学財団(IBMF)の前身となる団体を設立しました。数十名に上る専門家や医師、学者の方々に参加いただいており、定期的に講座を開催したり、試験の合格者に資格証明書を発行したり、先進的な予防医学モデルを打ち立てるために尽力しています。
■予防医学の観点から出発して業界をリードする
―― プロラボによって提唱された「腸活」や体内美容といった健康に対する概念も、御社の知名度と名声が高まるにつれて、ずいぶんと浸透してきました。
佐々木 そうですね、当社は酵素ドリンクやサプリメント等のインナービューティ商品をはじめとする健康・美容分野で事業を展開しています。当社の主力製品は、113種もの異なる野菜、果物、きのこ、海藻を使用して、腸内環境に良いとされる有用菌がたっぷり棲みついたヒノキ樽で自然発酵させたハイクラス酵素飲料です。当社は日本全国のクリニックやエステティックサロン、フィットネスジムなどの健康関連施設に商品を提供しており、南は沖縄から北は北海道まで、2万6千を超える店舗で取り扱われています。さらに海外では15か国(地域)にも展開し、シンガポールそしてチェコのアンダーズプラハホテルにも進出を予定しています。予防医学という観点から出発し、まずは食生活を改善することで、身体の内側から美をサポートする、インナービューティのパイオニアと言っていただけている要因はそこにあるのではないでしょうか。
当社商品の愛用者からのフィードバックで最も多いのは、体重が減った、アレルギーが軽減した、肌が綺麗になったなどです。わたしのFacebookやInstagramなどには、ファンの方からプロラボで働きたいといった声がよく寄せられます。それは当社の商品を信頼し、愛用してくださっているからだと思っています。また、新卒の採用面接をしたときに、とにかくプロラボに入って働きたいと。というのも、その方のお母さまが当社の商品を愛用されていて、健康状態が大いに改善したらしいんですね。だから恩返しの気持ちで働きたい、それにもっと多くの方にプロラボの商品が行き渡るように努力したいとのことでした。一人の企業家として、これは本当に誇らしい体験でした。
■中国訪問を経て、キャリアをさらなる高みへ
―― 18の企業と2つの海外支社を有するほかにも、佐々木社長は多くの社会活動をされていて、とくに社会で活躍する女性をサポートするという面で表彰もされています。日中発展協会の理事として、河野太郎会長と一緒に中国を訪問されましたが、中国の印象はどうでしたか。
佐々木 父の書斎には田中角栄に関する本がたくさんあったんですね。その影響で、小さい頃に彼の伝記を読みましたし、父は当時から中国語を学んだ方がいいと言っていて、大学の第二外国語は中国語を選択しました。そういった環境で育ったものですから、ずっと日中両国の架け橋になりたいという思いがあったのです。河野太郎さんが会長を務める日中発展協会に入ったのもそれが理由ですね。
2016年9月、わたしは河野会長について中国を訪れました。田中角栄も訪れたという迎賓館にも行きましたし、中国公共外交協会と覚え書きを交わしました。そのとき、向こうの会長の李肇星さんが、「健康産業には輝かしい前途が広がっている」とおっしゃって、わたしを激励してくれたんです。それで責任の重さをあらためて痛感しましたし、実はそのとき心の中で誓ったんです。実際に業績を上げて日中両国の健康産業の提携を推し進めよう、そして当社の企業理念である人類の健康寿命を延ばすために尽力しようって。
中国を訪ねたあのときの経験は、実に忘れがたいものがあります。中国は日本より活気があるし、若者は進取の気性に富んでいると感じましたね。
■中国との協力をより進めるために
―― 佐々木社長が中国を訪問された1カ月後、中国は「『健康中国2030』規画綱要」を制定して、健康を国家戦略という俎上に載せました。日本では広く知られているエステプロ・ラボですが、佐々木社長ご自身は中国の人々の健康を促進したいというお気持ちをお持ちなのでしょうか。
佐々木 日本人と中国人の体質は近いものがありますし、食生活の傾向も似通っています。それに少子高齢化に向かっているという社会構成も同じですよね。人類の健康寿命を延ばすというのは、わたしがインナービューティのメーカー業に転換したときに立てた初志ですから、予防医学を通じて中国社会に利益をもたらし、中国の人々の健康づくりに役立てることができるなら、それはわたしにとっても無上の喜びです。わたしたちはすでに上海に事務所を持っていますし、今後はより多くの百貨店で当社の製品を取り扱ってもらいたいと考えています。もちろん代理店との取り組みも大歓迎です。
実際のところ、当社の売上のうち毎年10億円前後は中国のお客さんによるものなんですね。代理店を通じて購入してくれる人もいれば、上海の伊勢丹にある専門売り場に足を運んで買ってくれる人もいます。そういえば、大相撲の元白鵬関が北京に出している飲食店にも当社の製品が置かれています。元白鵬関やその部屋の力士たちも愛用してくれているんですよ。
当社が展開するEsthe Pro Laboブランドを中国で大きく宣伝をしたことはありませんが、日本に住んでいる中国の方々の口コミや、日本の著名なスポーツ選手や芸能人が個人的に勧めてくれたりということもあって、中国でもある程度は知名度がありますし、ファンの方もついてくれているようです。
当社は総合ウェルネスカンパニーとして、これからもより多くの分野をカバーできるように努めていくつもりです。わたしたちのグループには、医療法人が二つ銀座にあります。すでに中国の旅行代理店と提携を結んでいまして、中国からの観光客にも当クリニックによく来ていただいています。また、当社の内面美容医学財団(IBMF)に属する専門家で腸内環境の改善を課題に掲げ、多くの優れた研究成果を挙げている者もおりますから、今後は中国の専門家の方たちとも連携して、一緒に研究会を開催したり研究開発を進められるといいですね。
■企業の生命力は利他主義にあり
―― 佐々木社長の書かれた経営学の著作を読ませていただき、テレビ番組に出演されているお姿も何度も拝見しました。佐々木社長は日本における医療・健康事業をリードする方だとお見受けしていますが、経営者としても優れた手腕を発揮されています。近年、日本での起業を視野に入れている中国人留学生がどんどん増えているのですが、何か提案やアドバイスがあれば教えていただけませんか。
佐々木 わたしは船井総合研究所や毎日新聞社、日本薬科大学などで講師を務めているのですが、去年の4月からは母校の早稲田大学の大学院でも「起業特論」という授業の講師を務めています。
その授業には上海から来ていた留学生が出ていまして、とても印象に残っています。彼は日本語が非常に堪能で、大学院生のうちに起業しました。わたしの授業に出る前は当社が展開するエステプロ・ラボ商品のことは知らなかったのですが、インナービューティという健康概念について共感を覚えたらしく、気づけば身の回りにも多くの愛用者がいたというんですね。アイデアの豊かな学生でしたから、わたしも彼に仕事を発注したりしました。
日本で田中角栄を評するときによく使われるのが、彼は「人心収攬」に長けていたというものです。わたし自身は、それは利他主義の精神に端を発していると思っています。つまり、周りの人に豊かさを感じさせたい、幸福感を持ってもらいたい、そしてそれこそが自分自身の幸福であるという考え方です。これこそまさに企業家が備えるべき精神ではないでしょうか。
誰であっても起業しようというときにまず考えなければならないこと、それはその事業が社会に貢献できるものであるかどうか、という点です。そうした創業理念があってこそ、長く続けるためのやる気であったりとか、活力や情熱といったものを事業に注ぎ込むことができるでしょうし、それが企業の将来性につながっていくわけです。ですから、これから起業を考えている人たちには、そうした信念を持ってほしいと思います。
■取材後記
火の鳥――佐々木社長のことをそう形容するのは誇張が過ぎるだろうか。30歳にして会社を設立し、連戦連敗にも挫けることなく、幅広い分野にわたって事業を展開し、波瀾万丈をくぐり抜けてその創業史を紡いできた。そんな佐々木社長には、あまりにも多くのストーリーがある。われわれは再び佐々木社長の物語を聞く機会が訪れることを切に望んでいる。同時に、中国と日本における健康という分野で、佐々木社長がさらなる輝かしい成果を上げられることを願っている。なぜなら、それはとりもなおさず、われわれ一人ひとりの健康と幸せな未来に直結しているのだから。
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