次世代ラボ実現に向けた機器間の 通信・相互運用規格の適用推進について
三菱ケミカルグループ※1および一般社団法人日本分析機器工業会(以下「JAIMA」)は、デジタルトランスフォーメーション(以下「DX」)を通じた次世代ラボの実現のため、ラボ用実験機器や分析機器などプラットフォームが異なる機器間での相互運用性を支える通信規格Laboratory and Analytical Device Standard(以下「LADS」)OPC UA※2について、共同でPoC(Proof of Concept:概念実証)を実施し、有用性の検証および普及に向けた取り組みを行うことに合意しました。
ラボでは、材料開発のためのデータの取得、管理や解析において、質と量の両面での飛躍的な向上を目的として、実験環境のデジタル化や自動化が推進されています。しかし、現状では大半の実験機器がスタンドアロンでの運用を想定されており、外部との通信機能が無い、あるいはメーカー独自の通信プロトコルやソフトウェアが必要であることが、さらなるデジタル化や自動化を進めるうえでのボトルネックになっています。
両者は、これらのボトルネックを取り除き、ラボのDXをより推進するため、国内初となるラボ用機器の通信および相互運用規格の適用に向けた取り組みを行い、LADS OPC UAの早期普及を目指します。LADS OPC UAを導入し、多くの実験機器をプラグ&プレイ※3でつなぐことで、容易かつセキュアに実験機器の遠隔監視・制御やデータの取得蓄積が可能になります。さらに、複数の実験機器や研究者間の効率的な連携も可能となるため、自動化にかかる時間やコスト、技術的な制約を減らせます。
両者はこの取り組みを通じて、研究開発に適した柔軟な次世代型ラボシステムを容易に構築できるようにすることで、ラボのDXを促進し、材料開発の加速に貢献してまいります。
また、LADS OPC UAの本取り組みについて、2024年9月4~6日に幕張メッセ国際展示場で開催予定のJASIS※4に出展し、ご紹介する予定です。
JASIS HP: https://www.jasis.jp/
※1 三菱ケミカルグループは、三菱ケミカルグループ株式会社とそのグループ会社の総称です。
※2 OPC UA は、「Open Platform Communications Unified Architecture(オープンプラットフォームコミュニケーションにおける統合アーキテクチャ)」の略称です。産業オートメーションなどの業界で使用される機器やソフトウェアが、安全で信頼性あるデータ交換を行うために策定されたオープンな規格で、OPC Foundationが2006年に発表、その後IEC62541として国際標準となりました。LADSは、そのIEC62541で定められている能力とデータを格納する情報構造や通信フォーマット、セキュリティ機能を利用して、ラボの実験機器やソフトウェア向けの情報モデルを構築・運用するための業界標準です。
※3 接続すればすぐに使える状態を示します。
※4 JASISは、分析機器、科学機器メーカーが一堂に会し、最先端の科学・分析システム&ソリューションを紹介する展示会です。
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