「わび・さび・幽玄」をモダンに表す世界観が魅力、菊池遼個展「存在の輪郭、輪郭の存在」をニセコで開催
2024年11月6日より12月1日までMEDEL GALLERY SHU NISEKOで菊池遼「存在の輪郭、輪郭の存在」を開催いたします。
OVERVIEW
MEDEL GALLERY SHU NISEKOでは、2024年11月6日(水)から12月1日(日)まで、菊池遼の個展「存在の輪郭、輪郭の存在」を開催いたします。
本展では、ものの「存在」と「輪郭線」について問いを投げかける菊池遼の作品を発表いたします。
普段、私たちは、目に見えるものはそれ自体で「存在」していると思いがちです。しかし菊池は、目に見えるものは、私たちが世界をどのように分けて理解するかに応じて「存在」していると考えます。つまり、何かが「存在」できるのは、私たちがそのものを他から切り分けているからだ、という考え方です。たとえば、目の前のコップは、それを背景や周りの物から切り分けて理解しているからこそ、私たちにとって「コップ」として存在すると考えるわけです。
この考え方は、仏教の「空(くう)」に似ています。空とは、ものごとは固定されたかたちを持たず、私たちの見方や考え方によって変わるというものです。菊池はこのように、目に見えるものは実は確かなものではなく、私たちの頭の中で作られた現象にすぎない、と考えています。
そうした目に見えるもののあり方を表現しているのが、〈void〉という絵画シリーズです。〈void〉の作品は、イメージが確からしく見えたとしても、近づいて見るとかたちがぼやけて消えてしまいます。それによって、ものの「存在」の脆さやはかなさを表現しています。
一方で、菊池はものの「輪郭線」にも注目します。私たちが何かをかたちとして認識すると、そこには必ず輪郭線が生じます。先ほどの発想によれば、かたちは私たちの見方や考え方によって変わるものです。しかし、どれだけ見方や考え方に応じてかたちが変わったとしても、「輪郭線」はいつでも「輪郭線」です。つまり、目に見えるものは私たちの認識によって作られる現象ですが、「輪郭線」はいつでも変わらない実在として捉えられているのです。
この考え方は、古代ギリシャの哲学者プラトンが考えた「イデア」に似ています。イデアとは、私たちが目で見る世界の背後に、変わらない本当のかたちがあるという考えです。菊池は、「輪郭線」こそがそうしたものだと考えています。
そうした「輪郭線」のあり方を表現しているのが、〈parousia〉という絵画シリーズです。〈parousia〉の作品は、ぼんやりとしたイメージを虹色の輪郭線が切り分けています。それによって、目に見える世界を切り分ける、目には見えないがむしろ真に存在している「輪郭線」のあり方を表現しています。
菊池の考えには、ものは実在で、輪郭線は現象だという従来の考えとは逆に、ものは現象で、輪郭線が実在だという前提があります。
そうした考えに基づいて制作された菊池の作品を通じて、ものの「存在」と「輪郭線」について、新たな視点から考察していただければ幸いです。
協力:EUKARYOTE(Tokyo)
本展では、ものの「存在」と「輪郭線」について問いを投げかける菊池遼の作品を発表いたします。
普段、私たちは、目に見えるものはそれ自体で「存在」していると思いがちです。しかし菊池は、目に見えるものは、私たちが世界をどのように分けて理解するかに応じて「存在」していると考えます。つまり、何かが「存在」できるのは、私たちがそのものを他から切り分けているからだ、という考え方です。たとえば、目の前のコップは、それを背景や周りの物から切り分けて理解しているからこそ、私たちにとって「コップ」として存在すると考えるわけです。
この考え方は、仏教の「空(くう)」に似ています。空とは、ものごとは固定されたかたちを持たず、私たちの見方や考え方によって変わるというものです。菊池はこのように、目に見えるものは実は確かなものではなく、私たちの頭の中で作られた現象にすぎない、と考えています。
そうした目に見えるもののあり方を表現しているのが、〈void〉という絵画シリーズです。〈void〉の作品は、イメージが確からしく見えたとしても、近づいて見るとかたちがぼやけて消えてしまいます。それによって、ものの「存在」の脆さやはかなさを表現しています。
一方で、菊池はものの「輪郭線」にも注目します。私たちが何かをかたちとして認識すると、そこには必ず輪郭線が生じます。先ほどの発想によれば、かたちは私たちの見方や考え方によって変わるものです。しかし、どれだけ見方や考え方に応じてかたちが変わったとしても、「輪郭線」はいつでも「輪郭線」です。つまり、目に見えるものは私たちの認識によって作られる現象ですが、「輪郭線」はいつでも変わらない実在として捉えられているのです。
この考え方は、古代ギリシャの哲学者プラトンが考えた「イデア」に似ています。イデアとは、私たちが目で見る世界の背後に、変わらない本当のかたちがあるという考えです。菊池は、「輪郭線」こそがそうしたものだと考えています。
そうした「輪郭線」のあり方を表現しているのが、〈parousia〉という絵画シリーズです。〈parousia〉の作品は、ぼんやりとしたイメージを虹色の輪郭線が切り分けています。それによって、目に見える世界を切り分ける、目には見えないがむしろ真に存在している「輪郭線」のあり方を表現しています。
菊池の考えには、ものは実在で、輪郭線は現象だという従来の考えとは逆に、ものは現象で、輪郭線が実在だという前提があります。
そうした考えに基づいて制作された菊池の作品を通じて、ものの「存在」と「輪郭線」について、新たな視点から考察していただければ幸いです。
協力:EUKARYOTE(Tokyo)
菊池遼|Ryo Kikuchi
1991年青森県生まれ。
2023年東京造形大学大学院 造形研究科造形専攻 美術研究領域 博士後期課程修了。
主な個展に「unreachable」(GALLERY MERROW, 東京, 2023)、「parousia」(EUKARYOTE, 東京, 2023)など、主なグループ展に「釘を打つ(打たれる)」(POOL SIDE GALLERY, 東京, 2024)、「Let me see your…」(NEWoMan横浜, 神奈川, 2023)、「いろとこころ」(東京造形大学, 東京, 2022)、「can (not) reach」(EUKARYOTE, 東京, 2022)など。
2023年東京造形大学大学院 造形研究科造形専攻 美術研究領域 博士後期課程修了。
主な個展に「unreachable」(GALLERY MERROW, 東京, 2023)、「parousia」(EUKARYOTE, 東京, 2023)など、主なグループ展に「釘を打つ(打たれる)」(POOL SIDE GALLERY, 東京, 2024)、「Let me see your…」(NEWoMan横浜, 神奈川, 2023)、「いろとこころ」(東京造形大学, 東京, 2022)、「can (not) reach」(EUKARYOTE, 東京, 2022)など。
MEDEL GALLERY SHU NISEKO
世界中の富裕層から注目を集める北海道ニセコ町。特にウィンターシーズンにはオーストラリアや英国、そしてアジア各国の富裕層が、世界でも最高峰と言われるパウダースノーを楽しみに来日します。そこで、世界のリゾート地では社交の中心として存在するギャラリーをニセコでも開業することとしました。日本にはこんなに素晴らしいアーティストがいるんだという”誇り”と共に作品を展示し、日本独自の価値観や創造性を発揮するアーティストを紹介して、「日本にはこんなに才能溢れるアーティストがいるのか!」「日本人の作品はこんなにも素晴らしいのか!」と日本人アーティストとその作品の虜にしたいと考えています。また、日本のアーティストのクオリティとバリューを魅せるため、当社の取り扱いアーティストにこだわらず、新進気鋭のアーティスト、人気ギャラリーの所属アーティストを積極的にご紹介いたします。
MEDELとは、日本語で「物の美しさをほめ味わうこと」を意味する「愛でる」からきています。唯一無二のアートを賞美し、慈しむという行為を介して、アーティストと鑑賞者、ギャラリーの間に喜びの行き交いが成立してほしいという想いを込め名づけました。“時代を共にする人々にとっての財産であり、未来の社会を照らす火である”とアーティストの活動・作品を定義し、人々の心に残る独創性に富んだスタイルの作品を鑑賞者と共に愛でつつ、次世代に残るようなマーケットや美術史的評価を確立してゆくことが当ギャラリーのミッションです。そのような私たちの活動を通して、独創的な表現を受け容れる多様な社会的風土の醸成に資することができれば、これに勝る喜びはありません。
MEDEL GALLERY SHU NISEKO
北海道虻田郡ニセコ町曽我807-3
旧ニセコネイチャーセンター304,B1
11:00〜17:00
休廊:月曜日・火曜日
営業期間:2024年10月〜2025年4月
2024年10月11日開業
https://medelgalleryshu.com/niseko
MEDEL GALLERY SHU TOKYO
東京都渋谷区神宮前4-28-18
カトル・バン原宿B1
13:00〜19:00(最終日は17時まで)
休廊:木曜日
2018年4月18日開業
https://medelgalleryshu.com/
info@medelgalleryshu.com
MEDELとは、日本語で「物の美しさをほめ味わうこと」を意味する「愛でる」からきています。唯一無二のアートを賞美し、慈しむという行為を介して、アーティストと鑑賞者、ギャラリーの間に喜びの行き交いが成立してほしいという想いを込め名づけました。“時代を共にする人々にとっての財産であり、未来の社会を照らす火である”とアーティストの活動・作品を定義し、人々の心に残る独創性に富んだスタイルの作品を鑑賞者と共に愛でつつ、次世代に残るようなマーケットや美術史的評価を確立してゆくことが当ギャラリーのミッションです。そのような私たちの活動を通して、独創的な表現を受け容れる多様な社会的風土の醸成に資することができれば、これに勝る喜びはありません。
MEDEL GALLERY SHU NISEKO
北海道虻田郡ニセコ町曽我807-3
旧ニセコネイチャーセンター304,B1
11:00〜17:00
休廊:月曜日・火曜日
営業期間:2024年10月〜2025年4月
2024年10月11日開業
https://medelgalleryshu.com/niseko
MEDEL GALLERY SHU TOKYO
東京都渋谷区神宮前4-28-18
カトル・バン原宿B1
13:00〜19:00(最終日は17時まで)
休廊:木曜日
2018年4月18日開業
https://medelgalleryshu.com/
info@medelgalleryshu.com
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