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Qt Group、クロスプラットフォームのUI開発を効率化する AIアシスタントを発表

クロスプラットフォーム開発における日常的な作業に費やす時間を削減  Qtユーザーはセルフホスト型言語モデルを含め、任意のLLMをワークフローに統合可能

企業動向
2025年2月4日 11:30
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フィンランド、エスポー - 2025年1月22日 - Qt Group ( https://www.qt.io/ja-jp/ ) (Nasdaq Helsinki: QTCOM) は、クロスプラットフォームのユーザーインターフェース(UI)開発を効率化する実験的なツールである「Qt AIアシスタント( https://www.qt.io/ja-jp/product/ai-assistant )」を発表しました。このツールの目的は、コーディングを伴わない反復的なUI開発作業に費やす時間を削減し、革新的なコードを作成するための開発者の創造性を引き出しながら、生産性の向上を支援することにあります。本ツールは、サードパーティのAIアシスタンスプロバイダーを必要とせず、クラウドまたはローカルでセルフホスト型言語モデルをサポートします。


Qt AIアシスタントは、Qtフレームワークを使用したアプリケーションのUI構築に関するアドバイスを提供し、単体テストケースの作成、コードドキュメントの作成、反復的なコードの記述などの手動作業を自動化します。ユーザーは、クロスプラットフォームアプリの作成と修正に使用されるQt Creatorのコードエディタ内で、プロンプトウィンドウとクイックアクセスコマンドを使用してアドバイスを要求できます。


このツールは、C++やPythonなど様々なコーディング言語に対応していますが、特に、アプリの外観と動作を設計するために使用するQtフレームワークの言語とツールキットであるQMLとQt Quickの数千もの実例に基づいて訓練されています。これにより開発者は、例えばUIの構築中に必要な反復的QMLコードを効率的に生成し、より複雑なコーディング作業に専念することができます。


Qt AIアシスタントは、開発者が採用したい任意の言語モデルに対応可能です。初期リリースでは、以下のモデルがすぐに利用できるよう事前設定されています:


● Claude 3.5 Sonnet(チャット+コード補完機能)

● OpenAI GPT-4o(チャット+コード補完機能)

● Llama 3.3 70B QML(チャット機能)

● Code Llama 13B QML(コード補完機能)

● Code Llama 7B(コード補完機能)


Qt Groupのシニア製品リードであるピーター・シュナイダーは次のように述べています。「開発者から多く聞くのは、コーディング以外の面倒な作業に費やす時間が増えているという声です。Qt AIアシスタントは、この課題を解決するための当社の取り組みの一環です。Qt Groupは、開発者の日常業務から雑務をなくし、優れたコードの作成に集中できるようにしたいと考えています。業界ではAIの発表による活況が続いています。その結果、誰もが好ましい言語モデルを持つようになり、誰からもそれを奪うべきではありません。Qt Groupでは、企業が好みのLLM導入方法を自由に選択できるためのオープンなアプローチを重視しています」


Qt AIアシスタントの柔軟性により、異なるモデルに対し、様々なコンテンツ生成リクエストを個別にルーティングすることが可能になります。例えば、開発者はQMLのコードを一つの専門LLMに、その他のコードを別のLLMにルーティングできます。これにより開発者は、サードパーティのAIアシスタントプロバイダ経由で利用可能なLLMに制限されることなく、常に各プログラミング言語に最適なパフォーマンスを発揮するモデルからコードの提案が得られます。


Qt AIアシスタントは、Qtフレームワークで構築された組み込み機器やハイエンドのデスクトップアプリケーションにおける、セキュリティ上の懸念にも対応しています。セルフホスト型モデル各種をサポートすることで、企業はLLMのプライベートクラウド展開を実施でき、それによってコードの漏洩防止と知的財産の保護が可能になります。また、開発者はQt AIアシスタントを手動によってのみ起動するよう選択でき、コード作成中の不要な中断を避けることができます。


Qt Groupのシニアバイスプレジデントであるユハペッカ・ニエミは次のように述べています。「Qt Groupの使命は、製品開発のライフサイクル全体を通じてお客様の生産性向上を支援することです。Qt AIアシスタントは、UI開発を迅速化し、プロジェクトの期間を数カ月から数週間に、そして最終的には数日まで短縮するという、当社のビジョン実現に向けた重要な一歩です」


2025年後半、Qt GroupはLlama 3.3 70BとCode Llama 13Bを皮切りとする改良版LLMのリリースを予定しています。これらの改良版LLMは4,000回以上の人員によって作成・検証されたQMLコードスニペットでトレーニングされており、サードパーティのアシスタントと接続するためのオープンソースのQt開発者用を含め、Hugging Faceポータルから無料でダウンロードが可能となる見通しです。



■Qt Groupについて

Qt Group (Nasdaq Helsinki:QTCOM)はグローバルなソフトウェア企業です。産業界のリーダーと150万人を超える世界中の開発者が信頼を置き、ユーザーに愛されるアプリケーションやスマートデバイスを作成しています。UIデザインやソフトウェア開発から品質管理と導入まで、製品開発サイクル全体を通してお客様の生産性向上を支援します。Qt Groupのお客様は70以上の業界で180か国以上に広がっています。Qt Groupの従業員数は世界で約800名、2023年の売り上げは1億8,070万ユーロでした。


公式ホームページ: https://www.qt.io/ja-jp/