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広域太陽光発電ストリング監視の導入費用を30%軽減! 丘陵地の見通し外で1.4kmの無線データ伝送に成功

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2014年10月17日 10:00
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 日本電業工作株式会社(本社:東京都千代田区九段南、代表取締役社長:岩本 眞、以下 DENGYO)は、太陽光発電設備の広域ストリング監視に向けた無線センサネットワーク「電波で見える化 DenMoniシリーズ 太陽光発電 ストリング監視システム」を開発しました。
ストリング監視システム
 本システムは、特定小電力無線(920MHz)を使ったDENGYO独自のセンシング方式の太陽光発電監視システムで、広域な発電所でのストリング監視を簡易に実現可能にします。

太陽光発電 ストリング監視システム
http://www.den-gyo.com/solution/solution10_a_c_h.html


【開発の背景】
 太陽光発電の運用開始後、太陽光パネルやパワーコンディショナーなどの機器故障や点検後の復旧ミスなどにより、想定した売電ができていないという報告が多々あります。
 現在、普及しつつある監視システムでは、パワーコンディショナーで売電状況の監視はできるものの機器故障や異常検知まではできていないため、簡易な監視システムの必要性が迫られています。


【太陽光発電 ストリング監視システムが解決した課題】
 従来のメガワットクラスの太陽光発電所のストリング監視は1,000万円以上の高額費用が掛かってしまいます。この原因は監視装置の価格とともに通信線や電源線などの工事費が大変高価であることが要因とされております。DENGYOが開発した「太陽光発電 ストリング監視システム」(図1)は、無線の特性を活かし、低コストで施工ができるシステムとなります。

図1:太陽光発電 ストリング監視システム
http://www.atpress.ne.jp/releases/52520/img_52520_1.png

 無線方式はアンテナメーカーの技術力を活かして、見通し外も含めた長距離伝搬や高信頼伝送も可能としています。


【製品特長】
1.長距離伝搬特性
 高性能アンテナにより、従来はほとんど伝搬不可能と考えられていた場所で通信が行なえます。特定小電力無線(920MHz)を用いた長距離見通し外通信に成功しました。起伏のある丘陵地帯やゴルフ場を越えて1.4km(図2・3)の通信ができました。長距離伝送が必要な場合には、高利得アンテナを使用し、最大10km(※2点間の見通しの良い所)の長距離伝送を実現します。

図2:長距離見通し外920MHz無線伝送 実験結果
http://www.atpress.ne.jp/releases/52520/img_52520_2.png
図3:実験写真
http://www.atpress.ne.jp/releases/52520/img_52520_3.png

2.高信頼性
 1台の親機で、最大30台までの子機を無線接続でき、子機は最大20ストリングの電流を監視できます。電波環境によるデータ通信の欠損を防ぐため、再送機能を搭載し、子機は未送信データを確実に親機に届けます。親機にデータ送信するまでは子機でデータを保存するので、データ欠損の心配がありません。
 無線によるダイレクト監視機能を活かすため、電流値・電力量計測・接点監視に特化しており、監視対象の装置機種を選びません。また、オプションにより、日射計や気温計の組合せや監視カメラとの連携が可能で、それらのデータはクラウドで一括管理できます。(図4・5)

図4:クラウド画面イメージ 図5:監視項目
http://www.atpress.ne.jp/releases/52520/img_52520_4.png

3.簡易性
 低消費電力設計で、子機は太陽電池と鉛蓄電池で自立運用が可能。AC電源のない場所でも設置できます。無線による通信システムにより、通信工事も電源工事も不要なので、既に運用を開始している発電所にも後付設置が簡単に行えます。
 また、バッテリー駆動も可能ですので、可搬性に優れ、短期間の保守点検などで多点の計測が簡易に行うことができ、太陽光モジュール、ストリンググループ診断や、パワコン・キュービクル点検を診断・レポートするサービス「発電量検診パック」も活用していただけます。

図6:システム構成図
http://www.atpress.ne.jp/releases/52520/img_52520_5.png


【システム構成】
 メガワットクラスのストリング監視を実施する場合、通信用ケーブルや電源線を埋設用のフレックス管などに入れて配線しなければならず10,000円/m程度の工事費用が必要となることが一般的です。本システムでは無線を利用していますので、このような配線工事費用が掛かりません。


【今後の適用領域】
 無線の配線メリットという強みを活かしつつ、弱点であった見通し外伝送とデータ欠損対策を実現した本システムは、太陽光発電監視を始め無線の新しい適用領域を切り拓きます。防災分野では斜面崩壊検知や集中豪雨による浸水被害など水位検知の無線伝送通知などへの応用が期待されています。


<日本電業工作(DENGYO)について>
 1947年の創立以来、日本の通信事業発展に貢献し、通信インフラの実現を支える技術・製品を数多く創出してきました。アンテナ・フィルタといったコアビジネスの研究開発はもとより、中長期的な革新技術の創出にも積極的に取り組んでいます。

資本金 : 3億3,000万円
売上高 : 142億円
従業員数: 253名(平成26年3月期)
URL   : http://www.den-gyo.com/

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ストリング監視システム
実験結果
実験写真
クラウド画面/監視項目
システム構成図