『「吉田調書」を読み解く』(門田隆将著)発刊のお知らせ
株式会社PHP研究所(京都市南区・代表取締役社長 清水卓智)は、11月14日(金曜日)、いわゆる「吉田調書」を検証した単行本『「吉田調書」を読み解く 朝日誤報事件と現場の真実』(門田隆将著)を刊行します。
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本書装丁
今年の5月20日、政府事故調が福島第一原発の吉田昌郎所長を聴取した未公開記録である、いわゆる「吉田調書」を独自に入手した朝日新聞が、「東日本大震災発生後5日目の3月15日朝に『福島第一所員の9割』が『所長命令に違反 原発撤退』していた」と一面トップで報道しました。これをきっかけに、「福島原発事故は日本版セウォル号だった」などと諸外国で報じられたことはご承知のことと思います。
この報道に異議を唱えたのが、生前の吉田昌郎氏をはじめ数多くの現場の人々に取材して『死の淵を見た男 吉田昌郎と福島第一原発の五〇〇日』(PHP研究所)を世に問うた門田隆将氏でした。ところが、門田氏が雑誌メディアに発表した論考に対して、朝日新聞は「法的措置を検討します」と抗議。以来、記事の真偽を巡る議論が続きました。
しかし、8月中旬から下旬にかけて、「吉田調書」を入手した新聞各紙が朝日新聞の報道姿勢に疑問をなげかけました。さらにこれらの動きを受けて9月11日、政府が「吉田調書」を公開すると、朝日新聞は記事を撤回、謝罪するにいたりました。
本書は、「朝日新聞の吉田調書報道の『誤報』を指摘する役割」(本書「おわりに」)を負うことになった門田氏が、誤報事件の核心に迫り、さらに「吉田調書」を綿密に検証したものです。
命をかけて事故と闘い、政府と闘い、東電本店と闘った吉田氏の話を直接聞いた著者だからこそできた「吉田調書」の読み解きは、現代を生きるわれわれはいうまでもなく、後世の人たちにも、原発問題、報道の在り方などを考える際に深い示唆を与えてくれる一冊になるのではないかと思います。
≪門田隆将氏について≫
門田隆将(かどたりゅうしょう)氏は、1958年、高知県生まれのノンフィクション作家。中央大学法学部を卒業後、新潮社に入社。新潮社退社後、ノンフィクション作家として独立。政治、経済、司法、事件、歴史、スポーツなど、幅広いジャンルを執筆の対象としています。
主な著者に、『なぜ君は絶望と闘えたのか 本村洋の3300日』(新潮文庫)、『甲子園への遺言 伝説の打撃コーチ高畠導宏の生涯』(講談社文庫)、『尾根のかなたに 父と息子の日航機墜落事故』(小学館文庫)、『太平洋戦争 最後の証言(第1部~大3部)』(小学館)、『狼の牙を折れ 史上最大の爆破テロに挑んだ警視庁公安部』(小学館)、『記者たちは海に向かった 津波と放射能と福島民友新聞』『慟哭の海峡』(以上、角川書店)などがあり、『この命、義に捧ぐ 台湾を救った陸軍中将根本博の奇跡』(集英社、角川文庫)は、第19回山本七平賞(PHP研究所主催)を受賞しました。
また『死の淵を見た男 吉田昌郎と福島第一原発の五〇〇日』(PHP研究所)は、生前の吉田昌郎氏への単独取材をもとに書かれたノンフィクションで、本書と一対をなす作品です。
≪『「吉田調書」を読み解く』について≫
定価:本体1,300円(税別)
四六判並製/288ページ
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