<水を考えるプロジェクト 備蓄に関する調査>震災経験者の9割...

<水を考えるプロジェクト 備蓄に関する調査> 震災経験者の9割以上が“水”の備蓄が大切だと回答! 震災前後で防災の備えに対する意識は約8割に向上!

~経験者に学ぶ備蓄の心得~

“水”の安全性や選び方、活用方法を改めて考え直すことを目的とする「水を考えるプロジェクト」(所在地:東京都渋谷区)では、“生活者”と“水”についての意識・実態調査をおこなっています。

震災前後で災害時の備えに対するあなたの意識は変わりましたか?
震災前後で災害時の備えに対するあなたの意識は変わりましたか?

当プロジェクトでは9月1日の“防災の日”を前に、東日本大震災経験者(東北在住)262名、阪神大震災経験者(近畿地方在住)264名の計526名を対象に、人が生きていくために欠かすことができない「水」や、その他物資の備蓄についての意識実態・現状を調査いたしました。

本調査の結果、「震災前後で事前に備えることの大切さを感じた」という意識実態や、ライフラインの断絶などが原因で、「9割以上が震災時に“水”が必要だったと感じた経験がある」ということがわかりました。


▼調査概要
調査方法  : インターネットリサーチ
回答数   : 526名
        東日本大震災経験者(東北在住):262名
        阪神大震災経験者(近畿地方在住):264名
調査日   : 2015年7月23日(木)~2015年7月26日(日)
調査主体  : 水を考えるプロジェクト
ホームページ: http://www.mizu-kangaeru.jp/


■震災前後で災害時の備えに対して約8割の意識が向上!
 震災前に比べ、備蓄をしている人の数が約2倍に増加

震災前後での災害時の備えに対する意識の実態を調査いたしました。
その結果、東日本大震災や阪神大震災を経験した方々の多くが、震災をきっかけに、災害時の備蓄に対する意識が向上していることが明らかになりました。
震災前後で約8割の意識が変わり、震災前の2倍にあたる、2名に1名が備蓄をするようになっている実態がわかりました。
【調査結果・グラフ】
(震災前後で災害時の備えに対するあなたの意識は変わりましたか?)
https://www.atpress.ne.jp/releases/71533/img_71533_1.png
(備蓄の実態)
https://www.atpress.ne.jp/releases/71533/img_71533_2.png

震災前に「備蓄していた」人のみに『備蓄していた食料の量についてあてはまるものを教えてください』と質問したところ、約半数にあたる49.6%が「備蓄していたが、足りなかった」と回答。このことから、震災時に十分な備蓄が出来ていたのは8人に1人ほどと、非常に少ないことが明らかになりました。

農林水産省の『緊急時に備えた家庭用食料備蓄ガイド』では、「電気、ガス、水道といったライフラインが停止する可能性が非常に高いため、最低限の飲料水と、缶詰又は調理せずに食べられる備蓄食料品(アルファ米、乾パン等)を3食分備えると良いでしょう。」と、一定量の食料の備蓄の必要性を紹介しています。

震災前はわずか25.3%のみが「備蓄をしていた」が、震災後は56.1%(2人に1人以上)が「備蓄をしている」と回答していることからも、食料備蓄に対する意識が高くなったことが伺えます。

また、自宅での備蓄に対する意識が高まりを見せる中、『職場で、災害時のために食料品を備蓄していますか(備蓄していましたか)?』と震災前後での食料品の備蓄実態について質問したところ、「備蓄している」が16%から38.8%と、こちらも約2倍の備蓄率に上昇していることが明らかになりました。


■9割以上が震災時に“水”が必要だったと回答!
 必要にもかかわらず、3割が手配に時間が掛かったと回答

震災時に、どのような物資が必要だったかを調査いたしました。
その結果、ライフラインに関係する物資で高い数値を示しました。
特に、9割以上の人が水の必要性を強く感じていたことが明らかとなりました。
調査では、「水」(92.0%)のほか、暗所で活躍する「懐中電灯」(77.9%)や、情報源になる「ラジオ」(70.7%)などで7割を超える人が必要性を感じていたという結果となりました。

農林水産省の『緊急時に備えた家庭用食料備蓄ガイド』で「発災後は、3日に限らず1週間程度は、電気、ガス、水道といったライフラインが停止する可能性があるため、まず、1週間分の水とカセットコンロ等の熱源を確保すると良いでしょう。」「ガスや水道の復旧作業に1週間以上の時間を要することが想定されます。」と、紹介しているように、もっとも回答率の高かった「水」の92.0%をはじめ「ガスコンロ」(57.4%)、「ガソリン・灯油などの燃料」(53.6%)など、ライフライン断絶の際の代案となる物資について、必要だと感じていた方々が過半数以上いたことがわかりました。
東日本大震災経験者の経験者は「水」(90.5%)、「ガソリン」(78.6%)、「ラジオ」(78.2%)の順に数字が高く、阪神大震災経験者では、「水」(93.6%)、「懐中電灯」(75.0%)、「ティッシュ」(64.4%)の順で必要性を感じていたという結果になりました。2位3位の順番は違えど、「水」についてどちらも必要性を高く感じていたことが明らかになりました。
さらに、同ガイドでは、水の備蓄の必要量について、「1日に1人あたり飲料水として最低限必要な量は、1リットル程度です。ただし、調理に使用する水等の飲む以外の水も含めると、1日3リットル程度あれば安心です。また、湯せん、米や野菜、食器を洗ったりする水は、別途必要です。」と紹介しています。

また、『物資が不足して手配に時間がかかったものは何ですか?』の質問に対して、3人に1人が「水」(28.5%)と回答していることからも、必要な物資として「水」がもっとも高くなっていることがわかります。


■備蓄水は“ペットボトル派”が6割!
 用途によっては備蓄方法を使い分ける必要も!

水を考えるプロジェクトとして、震災時にもっとも必要な物資として回答を集めた、人が生きていくために欠かすことができない「水」についての備蓄実態調査をいたしました。
その結果、実に6割もの人々が、ペットボトルによる水の備蓄をおこなっていることがわかりました。
【調査結果・グラフ】
(自宅ではどのような方法で水を備蓄していますか?)
https://www.atpress.ne.jp/releases/71533/img_71533_3.png

今回の調査で「9割以上の人が(災害時に)水の必要性を強く感じた」という結果が出たように、何らかの方法で水を備蓄している人がいる一方、約5人に1人が「(水の)備蓄をしていない」という実態が明らかとなっています。
また、「ペットボトルで水を備蓄している」と6割もの人が回答していますが、「お風呂にお湯をはっている」が18.4%、「水道水をペットボトルなどに詰めて」が9.1%、「ウォーターサーバーの水を備蓄している」が5.7%と、様々な方法で水を備蓄している実態がわかりました。

当プロジェクトで、ペットボトル入りの水の原水の違いによって時間の経過でどの程度菌の増殖に違いがあるのかを、本年5月に検証した調査では、一部の水で菌が増殖傾向する傾向が見られました。一部の国産天然水で菌が増殖する結果が出た一方、ウォーターサーバーなどで多く利用されている逆浸透膜(RO膜)で処理した水「RO水」では菌数が減少する傾向がみられました。

ライフラインが止まり、貴重な水の使用に制限が出るような環境下では、使用用途によって水を使い分けることが必要だと考えられます。

【試験に用いた水の種類】
・水道水:生活用水として最も身近なもの(塩素を除去したもの)
・天然水3種:国産品2種((1)、(2))と輸入品1種
・RO水:「逆浸透膜(RO膜)」で処理した水(ミネラル添加RO水についても実施)

【試験方法】
1.各試験水500mLに大腸菌(約1,000個/mL)を添加
2.室温(25℃前後)で保持
3.0、1、24、48、72時間経過後に菌数測定

【実験結果グラフ】
https://www.atpress.ne.jp/releases/71533/img_71533_4.png


■水の専門家 橋本 淳司氏の解説
 災害への備えで、基本となるのが水と食料です。人間が生きていくうえで水は欠かせません。水と睡眠をとっていれば、食べものがなくても2~3週間は生きられますが、水を一滴も飲まないと4~5日程度で死んでしまうといわれています。人間(成人)の体内には体重の60~65%程度の重さの水が入っています。
体重50kgの人なら約30kg(約30リットル)は水ということになりますが、そのうちの20%が失われると生きていけません。体重50kgの人の場合、約10リットル(約10kg)の水分がなくなると脱水症状を起こします。汗が出なくなり、体温の調節ができなくなり、汗や排泄物が出なくなるため体内に老廃物がたまり、血液の流れが悪くなり、最悪の場合、全身の機能に障害が起きて死んでしまうこともあります。

 人間が生きていくのに必要な飲み水は、1日2.5リットル程度ですが、災害時には乾燥した食べものが中心になり、水分が不足しがちになります。そこで最低3リットルの飲み水が必要になります。

 備蓄の方法は、水道水をくみおく、ペットボトル水、宅配水などを買いおくという選択肢がありますが、それぞれ安全性を考えた利用をしましょう。水道水の場合、ポリタンクへの貯め方に工夫が必要です。シールやタグに日付を書いてポリタンクに付け、暗くてなるべく涼しい場所におきます。3日を目処に水を入れ替えれば、そのまま飲むことができます。1か月を目処に入れ替える場合は、一度沸騰させてから飲みます。水を入れ替えるときには、タンクに入っていた水は炊事の後片付け、掃除などに使います。タンクは内部をよく洗い、新しい水道水を入れます。

 ペットボトル水の場合は、フタを開けたら1日を目安に飲みきることです。そうでないと雑菌が繁殖する恐れがあります。水道水、ペットボトル水、逆浸透膜(とても細い穴のあいたフィルター)でろ過した宅配水に大腸菌を添加したところ、ペットボトル水が最も菌が繁殖しやすく、逆浸透膜でろ過した宅配水がもっとも繁殖しにくかったという実験結果もあります。宅配水の場合、日頃からサーバーを使っていること、注水口が汚れたら除菌アルコールタオルでよく拭くなど、衛生的にしておくことが大切です。

◇橋本 淳司
(水ジャーナリスト / アクア・コミュニケーター / アクアスフィア橋本淳司事務所代表)
週刊「水」ニュース・レポート発行人、NPO法人地域水道支援センター理事、NPO法人WaterAid Japan理事、NPO法人日本水フォーラム節水リーダー 水課題を抱える現場を調査し情報発信、国や自治体への水政策提言、子どもや一般市民を対象とする講演活動を行う。現在、水循環基本法フォローアップ委員として国の水基本政策策定をサポート。静岡県立三島北高等学校スーパーグローバルハイスクール推進会議委員として水学習を通じたグローバル人材育成を行う。


■『水を考えるプロジェクト』概要
プロジェクト名: 「水を考えるプロジェクト」
設立年月日  : 2015年3月4日(水)
活動目的   : 飲用水の安全性に興味を持ち、きちんと理解した上で
         飲用水を選ぶ・飲むことを啓発する。
サイトURL   : http://www.mizu-kangaeru.jp/

【参画メンバー】
・井上 正子
(医学博士・管理栄養士 日本医療栄養センター所長)
・橋本 淳司
(水ジャーナリスト / アクア・コミュニケーター / アクアスフィア代表)
・矢野 一好
(公立大学法人 首都大学東京 客員教授 保健学博士(北里大学))

カテゴリ:
調査・報告
ジャンル:
その他ライフスタイル

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