ドラッグストア、「医薬品の充実」よりも「食品・日用雑貨の品揃え」を求める
~「ドラッグストアの利用に関する調査報告」~
[調査結果のポイント]
・ドラッグストアの利用頻度は、約4割の方が「週に1回以上」利用している。
・今回の調査対象者(普段ドラッグストアを利用N=3,929名)がもっともよく利用するドラッグストアチェーン、上位5チェーンの強みは、マツモトキヨシ「化粧品・医薬品などのPB商品のブランド力」、サンドラッグ「日用雑貨の豊富な品揃え」、ウエルシア「生活必需品の充実」、ツルハドラッグ「特定地域内のシェア拡大」と「ポイントのお得感」、クリエイトSD「食品の品揃え」である。
・ドラッグストアで食品を購入する方のうち85.1%が「菓子類」を購入しており、他カテゴリよりも30ポイント高い結果に。牛乳や乳製品などの「日配品」を購入する方も52.5%であり、常に鮮度が求められる商品も購入されている。
・約7割以上の方が食品のみの購入でドラッグストアを利用したことがある。そのうち約8割以上の方が、食品のみの購入目的であっても、特売や店内のPOP・販促物により、他のものを”ついで買い”する傾向がある。
・約5割の方が、食品の品揃えは、ドラッグストアへの来店頻度の向上に寄与すると感じている。
・今後ドラッグストアに求めることは、「価格の安さ」と70.1%で圧倒的で、次いで「スーパーのような食品・日用雑貨の品揃え」が41.1%となり、「医薬品の品揃え」31.5%を上回った。
今や医薬品だけではなく、日用品や食料品など様々な生活必需品がそろうドラッグストア。2016年度の市場規模は、前前年比5.9%増の6兆4,916億円と、好調に規模を拡大しています。(出典:日本チェーンドラッグストア協会)
そこで、フィールド・クラウドソーシング事業を展開するソフトブレーン・フィールド株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:木名瀬博)は、「マルチプルID-POS購買理由データPoint of Buy(R)」(以下POB)アンケートモニター(N=4,448名男女)を対象に、「ドラッグストアの利用に関する調査」を2018年3月8日(金)~3月11日(日)にかけて実施しました。ドラッグストアにおける消費者の行動について報告いたします。(調査概要は7Pに記載)
まず今回の調査対象4,448名に対して、普段ドラッグストアを利用するかを調査し、「ドラッグストアを利用する」と回答した男女3,929名に、ドラッグストアの利用に関する調査をしました。
ドラッグストアに行く頻度は、「週に1回以上」が38.2%で、約4割の方が週に1回以上は訪れることがわかった。
次に、どのドラッグストアチェーンを主に利用しているのか調査をした。
調査対象の居住地にもよるが、今回の調査で普段もっともよく利用するドラッグストアチェーンの上位5チェーンは、「マツモトキヨシ」が15.6%、僅差で「サンドラッグ」が15.5%、「ウエルシア」が10.1%、「ツルハドラッグ」が6.9%、「クリエイトSD」が6.6%であった。
参考までに、集計期間2017年7月1日~12月31日までの間で、当社が独自に収集するPOB会員のレシート、上位5チェーン(レシート総枚数約2万8,000枚)のカテゴリ構成から、POB会員がどんな商品を購入していたか、各ドラッグストアチェーンの強みを分析した。
【マツモトキヨシ】手頃なPB(プライベートブランド)商品のブランド力で集客力アップ
カテゴリー構成は「医薬品」24.3%、「美容・健康」18.0%で、いずれも5社の中でもっとも割合が高い。安価で購入できるオリジナル商品の「MK CUSTOMER」は医薬品、化粧品、日用品、食品の4種があり、とくにオーガニックのヘアケア剤やポイントメイクアイテムなどが充実。店頭でも大型POPなどでアピールし、他店との差別化を図っている。
また、様々なメーカーと共同開発している医薬品の専売品などが豊富にそろう点も特徴的だ。
「家族が大容量でタップリ使える化粧品を探していたため、お手ごろ価格のPBを試しに購入(40代女性)」
「目薬としては珍しいプライベートブランドですが、マツモトキヨシのブランドということもあり価格も安いので購入(50代男性)」
「MK CUSTOMERのボディークリームを愛用。同等品で値段の高い商品もあるが、同じ効用(60代女性)」
【サンドラッグ】日用雑貨が構成比4割で品揃えに定評
サンドラッグは店舗展開に特長があり「駅前店舗」と「郊外店舗」を中心に、それぞれの店舗に合わせた品揃えを強化している。とくにスペースの広い「郊外店舗」はラインアップや陳列数も豊富で、駐車場が完備しているため重量のある日用品がまとめ買いされるケースも多い。
カテゴリー構成は「日用雑貨」が40.0%を占め、豊富な品揃えが消費者から評価されている。また、日用雑貨以外の食品や医薬品、美容・健康のパーセンテージがほぼそろっており、バランスのとれた構成比と言えるだろう。
「このお店は、日用雑貨がお買い得価格で、特売のディスプレイもみかけるため、駅前に行った時によく立ち寄る(60代女性)」
「ミネラルウォーターと野菜ジュースの特売されていた。車で来店していたのでまとめて購入(50代男性)」
「サンドラッグは品揃えが良くてまめにポイントキャンペーンもしているので良く行きます(40代女性)」
【ウエルシア】生活必需品が充実
近年はドラッグストアチェーン各社において調剤事業が広がりをみせているが、中でもウエルシアは店舗の約7割に調剤薬局を併設しており、調剤の待ち時間を利用した“ついで買い”も多いようだ。
カテゴリー構成は「日用雑貨」28.9%、「食品」28.6%で生活必需品が主に購入されている。イオングループのためPB(トップバリュ)の取り扱いもあり、共通ポイントの「Tポイント」が利用できる点も集客につながっている。
「ウエルシアの調剤薬局に行ったついでに店舗部分に立ち寄り、ハンドソープがなくなったため購入(50代男性)」
「イオン系のプライベートブランド商品があり、近くにイオンがないから助かる(40代女性)」
「20日はお客様感謝デーで、Tポイントがお得に使える日だったので、消耗品を買おうと思い来店(40代女性)」
【ツルハドラッグ】ドミナント戦略で特定地域内のシェアを拡大。楽天ポイントとツルハポイントが貯まるお得感
ツルハドラッグは、北海道・東北・関東圏を中心に現在約1,859店舗(ツルハホールディングス全体)を展開し、近年M&Aにより全国に規模を拡大。2017年8月には、静岡県で展開する杏林堂を買収してドラッグストア業界の売上1位となった。地域集中出店によるドミナント戦略を採用し、特定の地域内のシェアを拡大している。
カテゴリー構成は「日用雑貨」が40.4%、「食品」が17.6%で、生活必需品の品揃えだけではなく、価格の安さも評価され、コンビニやスーパーのように利用している消費者が多い。また、独自ポイントだけではなく、楽天ポイントが利用できる点も集客につながっている。
「店舗数が多く近所だけでも数件ある。医薬品や食品、飲料が安い(60代女性)」
「近所に何店舗かあるので、用事のついでに寄りやすい。PBがジャンルを問わず幅広くあるので便利(30代男性)」
「24時間営業で、楽天ポイントがつかえる(50代男性)」
【クリエイトSD】食品の構成比が約4割
各チェーンのカテゴリー構成において「日用雑貨」が大きな比重を占める中、クリエイトSDは「食品」が36.2%と高く、「日用雑貨」27.2%を9.0ポイントも上回った。中でも生鮮食品や日配品は品揃えが豊富で、消費者のコメントからは、スーパーマーケットとの価格競争にも対応できていることと、日常的に利用されていることが分かる。
「毎朝飲む野菜ジュースが、近所では一番安く売っているため購入(40代女性)」
「ヨーグルトなどチルド製品の棚を見ていたら、価格が安くなっているのを見て、最近どのスーパーでも特売されないので、ここで買っておこうとストック用に購入(30代女性)」
「朝食用に、マーガリンと食パンと一緒に購入(40代女性)」
次からは、「ドラッグストアにおける食品の購入」について注目し、「普段ドラッグストアで食品を購入する」と回答したN=2,267名を対象に調査をした。
ドラッグストアで購入する食品は、「菓子類」が85.1%で圧倒的に多く、次いでお米や加工・インスタント食品、調味料などの「一般食品」が54.1%、「水・清涼飲料水」が53.9%であった。牛乳や乳製品などの「日配品」が52.5%となり、常に鮮度が求められる商品でもドラッグストアで購入されていることがわかった。
では、食品の購入目的がドラッグストアへの来店動機につながるのか調査をした。
「食品のみの購入目的でドラッグストアに来店したことがある」が70.6%で、多くの方が食品のみの購入目的でドラッグストアに来店していることがわかった。
次に、食品のみの購入目的でドラッグストアに来店し、他のものを“ついで買い”したことがあるか調査をした。
ドラッグストアに食品のみの購入目的で来店した際に、82.1%の人が“ついで買い”をしたことがあると回答した。
そこで、どんなことが“ついで買い”のきっかけになったのか調査をした。
食品購入のみの来店目的でも、“ついで買い”をしたきっかけとして、「特売をしていたから」が71.3%でもっとも多く、店内にいる際に「ストックがないことを思い出した」が30.6%、他の売り場を通った際に「目についたから」が15.1%、「店内のPOPや販促物が気になった」が15.0%であった。食品購入のみで来店した消費者にも、他商品の特売、販促やPOPなどは、非常に効果的であることがわかった。
次にスーパーのように食品の品揃えが多い場合、ドラッグストアへの来店頻度は向上するのか調査した。
「来店頻度が向上すると思う」は、48.7%であり、半数近くの方が来店頻度が向上すると回答した。
参考までに、集計期間2017年7月1日~12月31日までの間で、今回の調査でもっともよく利用するドラッグストア上位5チェーンに選ばれた(レシート総枚数約2万8,000枚)POB会員のレシートから、チェーン別の購入状況について分析した。
今回5チェーンの中で、一番食品のカテゴリ構成が大きかったのは、「クリエイトSD」の36.2%であった。(参考1図参照)一人当たりの平均利用回数は6.7回、買上げ点数は5.6点と5社の中でもっとも高く、これは食品の品揃えが来店頻度の向上に寄与していると言えるであろう。また、「ウエルシア」は、「日用雑貨」28.9%や、「食品」28.6%で、消費者の購買頻度が高い生活必需品のカテゴリの構成がバランスよく、レシート1枚あたりの平均購入金額が5社の中でもっとも高い1,347円であった。
最後に、今後ドラッグストアに求めることについて調査をした。
今後ドラッグストアに求めることは、「価格の安さ」が70.1%と圧倒的で、次に「スーパーのような食品・日用雑貨の品揃え」が41.1%となり、「医薬品の品揃え」の31.5%を上回った。ほかにも、「営業時間の延長」が20.1%、「PB(プライベートブランド)の充実」が16.2%であった。
実際にPOB会員の方からは、次のような意見が寄せられた。
「スーパーに行くより手軽なので、価格がもっと安く品揃えが豊富なら、もっと利用できると思う(50代女性)」
「スーパーとは分けて利用しており、ドラッグストアは医薬品とその関係商品の充実が望ましい(60代男性)」
「遅い時間だとどうしてもコンビニを使うが、値段はドラッグストアの方が安いため営業時間を伸ばして欲しい(50代男性)」
「最近のPBは、信頼度が高く、値段が安い傾向なので、色々な商品がPBになったらもっと利用したい(40代女性)」
2025年までには、国内大手のドラッグストアが全ての店舗でで無人レジの導入を検討を進めるなど、ますます利便性が高くなりそうなドラッグストア。スーパーやコンビニのように日常的に利用される業態として成長し続けている。
Point of Buy(R)データベースは、全国の消費者から実際に購入/利用したレシートを収集し、ブランドカテゴリや利用サービス、実際の飲食店利用者ごとのレシート(利用証明として)を通して集計したマルチプルリテール購買データです。
同一個人(シングルソース)から「消費行動」に関わる複数種類のデータを収集しており、ショッパーの行動結果からリアルなショッパーの実態に直接迫り、マーケティング戦略に不可欠なデータを、“より精度を高く”を企業・メーカーに提供します。
集計対象は、消費財カテゴリ68種類 約6,000ブランド、飲食利用カテゴリ10種類約200チェーン(2018年1月現在)。全ての利用証明に購入/利用理由(フリーコメント)がデータ化されています。
■当事業の特長:
- 日本初のレシートによる購買証明付き購買理由データ
- 「セゾンポイントモール」会員と、「Ponta Web」会員、「履歴書情報」のある当社登録会員「キャスト」で構成された約20万人のネットワークに基づく本人認証度の高いデータを提供
- 700企業以上のチェーン情報を公開
- 全チェーン共通オリジナルブランドマスター(※JICFS/IFDB)を生成
※ビジネスモデル特許 詳細はこちら https://www.sbfield.co.jp/press/20170222-10722
※JICFS/IFDB:JANコード統合商品データベース
■ サービス詳細参照ページ:
・「マルチプルID-POS購買理由データPoint of Buy(R)」 https://www.sbfield.co.jp/multi-idpos
・レシートで貯める https://aqfpob.com/
・レシート de Ponta https://ponta-receipt.jp/
・レシーポ https://receipo.com/
【ソフトブレーン・フィールド株式会社 会社概要】
ソフトブレーン・フィールド株式会社は、ソフトブレーン株式会社(市場名:東証1部・4779、本社:東京都中央区、設立年月日:1992年6月17日、代表取締役社長:豊田浩文)のグループ会社として、全国の主婦を中心とした登録スタッフ約74,000名のネットワークを活用し、北海道から沖縄まで全国のドラッグストアやスーパー、コンビニ、専門店など140,000店舗以上をカバーし、営業支援(ラウンダー)や市場調査(ミステリーショッパー、店頭調査など)を実施しています。当社代表の木名瀬博は、2004年にアサヒビールの社内独立支援制度に応募し、合格第1号事業として独立しました。
「木名瀬 博のフィールド虎の巻」 URL:https://www.sbfield.co.jp/toranomaki
本社所在地 :東京都港区赤坂3-5-2 サンヨー赤坂ビル5階
設 立 :2004 年7 月 / 資本金 :151,499,329円
代表取締役社長 :木名瀬 博
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