PHP総研がGeo-Technology戦略研究会の成果を発表 【提言報告書】ハイテク覇権競争時代の日本の針路―『戦略的不可欠性』を確保し、自由で開かれた一流国を目指すー

株式会社PHP研究所(京都市南区・代表取締役社長 清水卓智)の政策シンクタンクPHP総研は、提言報告書「ハイテク覇権競争時代の日本の針路―『戦略的不可欠性』を確保し、自由で開かれた一流国を目指す―」を、2020年4月2日に発表しました。
【提言報告書】ハイテク覇権競争時代の日本の針路
【提言報告書】ハイテク覇権競争時代の日本の針路
本提言報告書は、大国間競争と破壊的イノベーションが複雑に絡み合う国際情勢の理解とその情勢下における日本の政策体系の構想を目的に、様々なバックグラウンドをもつ研究者で構成されたPHP Geo-Technology戦略研究会の成果をまとめたものです。

本提言報告書の目的

ハイテクと地政学が密接に絡み合う状況は時にgeo-technologyとも呼ばれます。現下のパンデミック危機も、安全保障や社会基盤、国民の生命にかかわる分野で他国に依存するリスクや体制の違いを際立たせるものであり、ハイテク覇権競争を本格化させる力学が働くことになりそうです。日本が人間中心のSociety5.0を目指す上でも、国家間の戦略的競争という大状況の中でそれをいかに実現するかという視点を持たなければなりません。

ハイテク覇権競争という新しい条件下で日本が一流国であろうとするならば、日本という国が何を大事にし、いかなる国をどのようなアプローチで目指していくのかについて、国民的な議論を行うことが欠かせません。パンデミック危機による環境変化はそうした問いをいっそう切実なものとするでしょう。この提言報告書が建設的な議論のきっかけとなるものであれば幸いです。

なお、『Voice』2020年6月号(5月9日発売)では、本提言報告書に関連した特集を予定しています。
【提言報告書】表紙
【提言報告書】表紙

本提言報告書の構成

[分析篇]
1.中国の台頭と米国の技術政策
2.米中技術覇権競争におけるデュアルユース技術の重要度の高まり
3.日米技術摩擦との比較
4.「デジタル新興国」という視点の必要性
5.問われる米中技術覇権競争の中での日本の戦略

[提言篇]
はじめに−マインドセットを再設定する
1.新しい技術環境下における自由で開かれた社会のレジリエンスを強化する
2.国内外の技術環境を把握し、「戦略的不可欠性」を高める観点から守るべき技術、育成する技術を特定する
3.投資規制・輸出管理・調達政策等をアップデートする
4.デジタル社会、データ経済に自由で開かれた市場経済を適合させる
5.破壊的イノベーションが常態化し、デュアルユースが全面化する中で防衛・安全保障分野の産業基盤を強化する
6.政府の組織体制を抜本的に再構築する
7.技術環境とパワーバランスの変化に即して対外政策を再調整し、日本にとって好ましい国際環境の形成をはかる

全文(PDF)はこちら
https://thinktank.php.co.jp/policy/6092/

PHP Geo-Technology戦略研究会委員

村山 裕三(同志社大学大学院ビジネス研究科教授)*分析篇監修担当
川島 富士雄(神戸大学大学院法学研究科教授)
大橋 弘(東京大学公共政策大学院院長・経済学研究科教授)
森 聡(法政大学法学部教授)
山本 龍彦(慶應義塾大学法科大学院教授)
伊藤 亜聖(東京大学社会科学研究所准教授)
金子 将史(政策シンクタンクPHP総研代表・研究主幹)*提言篇監修担当

政策シンクタンクPHP総研について

「政策シンクタンクPHP総研」は、松下幸之助が設立した株式会社PHP研究所(京都市南区、代表取締役社長:清水卓智)の政策シンクタンクです。創設者・松下幸之助の願いを継承し、これからの繁栄・平和・幸福の構想と実現を目指す実践的政策集団です。人類の進むべき方向や日本と世界のあるべき姿について自由な立場で研究し、具体的に提言しています。
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