【News Release】 日本気象協会が海運会社向けセミナーを実施 海上衛星通信を活用の「POLARIS Report」の導入で、 運航中の船舶の燃費評価や推進性能評価・解析が実現
インマルサットの高速・大容量衛星通信とのコラボで、気象海象データサイエンスとサイバーセキュリティが協働、海事産業におけるデジタル化がさらに推進へ
2023年6月2日
スターマリン・パブリックリレーションズ株式会社
一般財団法人 日本気象協会(本社:東京都豊島区、理事長:長田 太、以下「日本気象協会」)は2023年5月26日、西日本最大の国際海事展「バリシップ」開催に合わせ、今治国際ホテルで「次世代の海事産業を支えるデジタルソリューションセミナー」を開催しました。
会場ではまず日本気象協会社会・防災事業部交通ソリューション課の畑美菜代氏が「POLARIS Reportが実現する気象データサイエンスの海事ビジネスへの活用」と題したテーマで日本気象協会の取り組みについて説明をいたしました。
POLARISは日本気象協会が2019年に開始した海事産業向け気象海象データサービスです。専用アプリをインストールすることで、気象海象予測のデータを確認できる「POLARIS Forecast」、燃費が最小となる最適航海計画の作成を支援する「POLARIS Navigation」、過去にさかのぼってさまざまな気象海象追算データをWeb APIで利用できる「POLARIS Hindcast」、そして船舶運航データと気象海象データを用いて、船舶の燃費評価や推進性能評価・解析を行う「POLARIS Report」の4種類の提供が行われています。
このうち「POLARIS Report」は2023年4月に提供を開始したサービスで、Inmarsat Global Limited(本社:英国、以下「Inmarsat」)の提供する運航モニタリングデータ「Fleet Data」に、「POLARIS Forecast」、「POLARIS Hindcast」の情報を紐づけて解析します。
使用に当たっては、運航モニタリングデータや気象海象データを使ってどういった解析を行い、どのようにデータを可視化していきたいか、日本気象協会の担当者がヒアリングを実施。その後、お客様にとって最も重要なリアルタイムの性能解析結果をWeb上のダッシュボードで表示します。
また、「POLARIS Report」では、性能解析の結果だけではなく、1km間隔で任意の点の予測を表示できる気象海象予測情報も提供しており、海上で予測と実海域の性能を確認できるほか、陸上でも同じ情報を確認できるため、船陸間双方での情報共有が円滑に進められるメリットがあります。
畑氏は「国際海運では早期のGHG(温室効果ガス)排出ゼロを目指し、今年から就航船のエネルギー効率指標(EEXI)や燃費実績格付け制度(CII)が開始された。内航海運でも2050年までのカーボンニュートラルが求められている」と昨今の海事産業における情勢の中で、「私たちは気象データサイエンスのトップランナーとして、創業以来70年以上にわたって実績を積み上げてきました。コンサルティング技術をもとに、さまざまなソリューションを行ってきたのが強み」と強調しました。
続いて日本気象協会のパートナーである、インマルサット・マリタイムのローリー・イブ氏が「通信で繋がる未来のカタチ」と題したプレゼンテーションを行いました。
イブ氏はまず海上における2021年6月と2022年6月のデータ使用量と比較し、3倍増加したと説明。脱炭素化とデジタル化の進展に向けて、効率性を備えた持続可能な運航業務を実現するための手段として、海上で衛星通信の利用が進んだと指摘。また「昨今、多くの海運会社が衛星通信サービスをアップグレードし、企業におけるデジタル化の計画を促進させ、輸送業務のためのデータ取得、気象海象情報や燃費効率などの情報を入手するためのアプリケーションを導入し、最先端技術も採用している」と示唆しました。
また、船社によるデジタル化と運航効率化の取り組みを紹介。「デジタル活用の推進により、温室効果ガス(GHG)の排出量を38%削減することができ、しかもコストは数分の一で済む」と指摘し、効率化による排出削減のための体系的なアプローチにより、IMO(国際海事機関)が掲げる脱炭素化の目標に貢献できる」と説明。さらに船員に向け、雇用主が船内でも陸上と同レベルの通信サービスの接続を提供できるかどうかで、雇用主となる管理会社への船員の評価が変わるため、雇用定着の観点からも通信環境の整備が重要な要素になっていると述べ、また「サイバー攻撃に対する適切なソリューションを導入することに加え、組織が意識を高めるような環境を整える必要がある」とも加えてコメントしました。
最後にインマルサット・マリタイムの田畑嘉大氏が「海事産業における通信接続の未来像」と題して船舶向け通信サービス「インマルサットFleet Xpress 」 について説明をしました。
「インマルサットFleet Xpress」はインマルサットGX回線 (Kaバンド) とインマルサットFB回線 (Lバンド) で構成される定額・広帯域の船舶向け衛星通信サービスで、高速大容量の「Global Xpress」と99.9%の接続率を誇る「Fleet Broadband」を組み合わせでサービスを提供しています。ソフトウェアから衛星まで全て自社で賄うことによるワンストップサービスを提供できることが強みであり、すでに1万3000隻以上の船にインストールされているといいます。これに加えて「インマルサットFleet Xpress」には「Fleet Data」と呼ばれる簡単にIoTを実現できるサービスが備わっています。船内VDRなどのデータを自動で収集し、FX経由で陸上に自動送信。陸上オフィス向けの専用ポータルページが用意されており、船からのデータがWeb上で簡単に閲覧できます。そのため「Fleet Xpressと合わせて、IoTを簡単に始めることが可能」と田畑氏は示唆しました。
本件に関わるお問合せ先
スターマリン・パブリックリレーションズ株式会社
吉田麻貴 E-mail: maki@starmarinepr.com
Tel: 81-80-3398-3726
スターマリン・パブリックリレーションズ株式会社
一般財団法人 日本気象協会(本社:東京都豊島区、理事長:長田 太、以下「日本気象協会」)は2023年5月26日、西日本最大の国際海事展「バリシップ」開催に合わせ、今治国際ホテルで「次世代の海事産業を支えるデジタルソリューションセミナー」を開催しました。
会場ではまず日本気象協会社会・防災事業部交通ソリューション課の畑美菜代氏が「POLARIS Reportが実現する気象データサイエンスの海事ビジネスへの活用」と題したテーマで日本気象協会の取り組みについて説明をいたしました。
POLARISは日本気象協会が2019年に開始した海事産業向け気象海象データサービスです。専用アプリをインストールすることで、気象海象予測のデータを確認できる「POLARIS Forecast」、燃費が最小となる最適航海計画の作成を支援する「POLARIS Navigation」、過去にさかのぼってさまざまな気象海象追算データをWeb APIで利用できる「POLARIS Hindcast」、そして船舶運航データと気象海象データを用いて、船舶の燃費評価や推進性能評価・解析を行う「POLARIS Report」の4種類の提供が行われています。
このうち「POLARIS Report」は2023年4月に提供を開始したサービスで、Inmarsat Global Limited(本社:英国、以下「Inmarsat」)の提供する運航モニタリングデータ「Fleet Data」に、「POLARIS Forecast」、「POLARIS Hindcast」の情報を紐づけて解析します。
使用に当たっては、運航モニタリングデータや気象海象データを使ってどういった解析を行い、どのようにデータを可視化していきたいか、日本気象協会の担当者がヒアリングを実施。その後、お客様にとって最も重要なリアルタイムの性能解析結果をWeb上のダッシュボードで表示します。
また、「POLARIS Report」では、性能解析の結果だけではなく、1km間隔で任意の点の予測を表示できる気象海象予測情報も提供しており、海上で予測と実海域の性能を確認できるほか、陸上でも同じ情報を確認できるため、船陸間双方での情報共有が円滑に進められるメリットがあります。
畑氏は「国際海運では早期のGHG(温室効果ガス)排出ゼロを目指し、今年から就航船のエネルギー効率指標(EEXI)や燃費実績格付け制度(CII)が開始された。内航海運でも2050年までのカーボンニュートラルが求められている」と昨今の海事産業における情勢の中で、「私たちは気象データサイエンスのトップランナーとして、創業以来70年以上にわたって実績を積み上げてきました。コンサルティング技術をもとに、さまざまなソリューションを行ってきたのが強み」と強調しました。
続いて日本気象協会のパートナーである、インマルサット・マリタイムのローリー・イブ氏が「通信で繋がる未来のカタチ」と題したプレゼンテーションを行いました。
イブ氏はまず海上における2021年6月と2022年6月のデータ使用量と比較し、3倍増加したと説明。脱炭素化とデジタル化の進展に向けて、効率性を備えた持続可能な運航業務を実現するための手段として、海上で衛星通信の利用が進んだと指摘。また「昨今、多くの海運会社が衛星通信サービスをアップグレードし、企業におけるデジタル化の計画を促進させ、輸送業務のためのデータ取得、気象海象情報や燃費効率などの情報を入手するためのアプリケーションを導入し、最先端技術も採用している」と示唆しました。
また、船社によるデジタル化と運航効率化の取り組みを紹介。「デジタル活用の推進により、温室効果ガス(GHG)の排出量を38%削減することができ、しかもコストは数分の一で済む」と指摘し、効率化による排出削減のための体系的なアプローチにより、IMO(国際海事機関)が掲げる脱炭素化の目標に貢献できる」と説明。さらに船員に向け、雇用主が船内でも陸上と同レベルの通信サービスの接続を提供できるかどうかで、雇用主となる管理会社への船員の評価が変わるため、雇用定着の観点からも通信環境の整備が重要な要素になっていると述べ、また「サイバー攻撃に対する適切なソリューションを導入することに加え、組織が意識を高めるような環境を整える必要がある」とも加えてコメントしました。
最後にインマルサット・マリタイムの田畑嘉大氏が「海事産業における通信接続の未来像」と題して船舶向け通信サービス「インマルサットFleet Xpress 」 について説明をしました。
「インマルサットFleet Xpress」はインマルサットGX回線 (Kaバンド) とインマルサットFB回線 (Lバンド) で構成される定額・広帯域の船舶向け衛星通信サービスで、高速大容量の「Global Xpress」と99.9%の接続率を誇る「Fleet Broadband」を組み合わせでサービスを提供しています。ソフトウェアから衛星まで全て自社で賄うことによるワンストップサービスを提供できることが強みであり、すでに1万3000隻以上の船にインストールされているといいます。これに加えて「インマルサットFleet Xpress」には「Fleet Data」と呼ばれる簡単にIoTを実現できるサービスが備わっています。船内VDRなどのデータを自動で収集し、FX経由で陸上に自動送信。陸上オフィス向けの専用ポータルページが用意されており、船からのデータがWeb上で簡単に閲覧できます。そのため「Fleet Xpressと合わせて、IoTを簡単に始めることが可能」と田畑氏は示唆しました。
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