佐賀県「嬉野モデル」を愛知県蒲郡市へ！ “温泉宿を企業のサテライトオフィスに

”蒲郡市の老舗旅館「平野屋」「旬景浪漫銀波荘」の改革に愛知県大村秀章知事「この良い取り組みを愛知全域に広げたい」

2023.10.03 12:15

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　全国の観光地を手掛ける株式会社イノベーションパートナーズ（本社：東京都港区）は、愛知県・蒲郡市にて宿泊業を展開する、老舗旅館「平野屋」（愛知県蒲郡市三谷町）と「旬景浪漫銀波荘」（愛知県蒲郡市西浦町）と協働で、一部の客室を旅館ならではの趣を残したオフィスとしてリノベーションし、企業へサテライトオフィスとして貸し出す新たなサービスをスタートいたしました。

9月30日（土）には愛知県の大村秀章知事、古本伸一郎副知事、蒲郡の鈴木寿明市長が視察で訪問いただき、大村知事より「旅館の良いところを生かしながら、オフィスの需要も取り込む、非常に良い取り組み。これを成功事例にして、ぜひ愛知県全域に広げたい」と、先駆的な取り組みへの期待と可能性を語っていただきました。

　コロナ禍を経て、客足は戻りつつあるものの、団体旅行から個人旅行へとニーズが変化し、新たな挑戦が求められるホテルや旅館などの宿泊業。その中で、「平野屋」と「旬景浪漫銀波荘」は、愛知県の「宿泊事業者高付加価値化促進事業費補助金」を活用し、既存客室を、和のテイストを残したハイセンスなデザインオフィスとしてリノベーション。企業へ貸し出す「オフィスリーシング事業」を開始しました。“温泉旅館をオフィスにする”この画期的なアイデアは、仕事中や終業後に温泉やサウナが使い放題（一部制限あり）となり、今後は蒲郡市の特産物「みかん」「深海魚」といった一次産業と宿泊業のコラボレーションも目指します。

愛知県内でも先駆的な取り組みとなる今回の事業は、蒲郡市が実施する「新たな観光コンテンツ魅力創出事業」とも連携。全国的注目も高い今回の取り組みに、愛知県の大村秀章知事、古本伸一郎副知事、そして鈴木寿明市長が現地視察に訪れ、2つの旅館を回り、リノベーションされた客室などをご内覧いただきました。

　さらに、2Fレストラン甚五郎内「みかん食堂」では、地元で獲れたばかりで、初秋の希少価値が高い品種「ゆら早生」を使った「蒲郡産みかんジュース」をワイングラスで堪能。実際のみかん農家である太田貴子さん（エステティシャン）、鋤柄佐江子さんがコンシェルジュとして目の前でみかんを絞り、知事に振舞って、生産者ならではの深い説明を伝えました。大村知事は「酸味が強く、懐かしい味がする。本当のみかん好きはこういうのが好きだと思う」と、旅館と第一次産業の改革の必要性を強く語りました。

　続いて、大村知事・古本副知事、鈴木蒲郡市長は旬景浪漫銀波荘へと移動。風光明媚な三河湾を窓から一望できる5つのサテライトオフィスを視察しました。それぞれ、「漣（さざなみ）」「濤（なみ）」「浜（はま）」「渚（なぎさ）」「凪（なぎ）」と、オーシャンビューにちなんだ名前のつけれらたデザイナーズオフィスに、大村知事も「これまでの旅館の良いところを生かしながら、企業の需要を取り込むのは、非常に良い取り組み。こういった取り組みが、他の愛知県の観光地にも、横に広がっていくといい」と、今後の展望を語りました。

　さらに銀波荘では、カフェへと生まれ変わらせようとしている1Ｆ大浴場の改修現場を確認。さらに数々のタイトル戦を開催している“将棋の聖地”銀波荘の歴史に、「将棋ロード」で触れました。また、目前に三河湾の絶景が広がる海テラス「くらぽてぃ」でも、圧倒的な景観を体験。いたるところに感じた旅館の創意工夫に、大村知事も「テレワークや自宅でパソコンを繋いで、オンラインで仕事するのも一般的になりました。こういった、レジャーを楽しみながら働くワーケーションは、需要があることは明らかなので、ぜひ活用いただきたい」と、意見交換を行いました。

　最後に大村知事は全体の感想として、「全国的にもホテル・旅館の部屋を宿泊だけでなく、実際の企業のサテライトオフィスとして活用する動きは始まっています。ワーケーションに需要があることは明らかなので、愛知県のすべての観光地がこういった取り組みを行い、成功させて、さらにホテル・旅館事業の高付加価値化に繋げていって欲しいと思います。我々も引き続き、こういう動きを後押ししていきたい」と、力強いコメントをいただきました。

「平野屋」と「旬景浪漫銀波荘」のサテライトオフィスは、入居企業を全国から募集。

ワーカーは毎日温泉に入れて（一部制限あり）、サウナなど館内施設を適宜利用可能となります。入居金額は30万円（税抜）〜。また入居企業は、蒲郡市の補助金等の活用によって、様々なサポートが受けられます。（詳しくは蒲郡市役所産業政策課にご相談ください）さらに同旅館では、蒲郡が誇る名産「みかん」「深海魚」を使った料理もリブランディングして、各旅館のレストランやカフェなどで新メニューを提供。旅館業と第一次産業のコラボレーションによって、“新たなビジネス・ライフスタイル発信の地・蒲郡”としての魅力を、世界に向けて提案してまいります。

■平野屋

1932年（昭和7年）に蒲郡市三谷町東前（三谷海岸の近く）に料理旅館として創業。高度経済成長に伴い、1954年に山側に場所を移し、団体旅行のお客様の受け入れをスタートしました。2001年に近くに複合リゾート施設であるラグーナテンボスが開業したことをきっかけに、「ファミリー層」へとターゲットを転換。屋上をドッグランに整備して“愛犬と泊まれる宿”などもプランニングしています。“美白の湯”と呼ばれる三谷温泉とこだわりのサウナが魅力です。

今回リフォームするオフィスの内装は、蒲郡の自然を意識しました。それぞれ穏やかな三河湾の青色を基調にした「海」、蒲郡みかんの橙色を基調にした「柑」、窓から見える山々の緑色を基調にした「山」という3つのオフィスを用意しています。ソファベンチやカウンター、小上がりなど、入居企業様が自分たちのワークスタイルに合わせて選択肢を持つことで、それぞれの入居企業の個性と特徴を生み出します。

三河湾国定公園三谷温泉平野屋

住所〒443-0021

愛知県蒲郡市三谷町南山1-21

TEL 0533-68-5161（代）

http://www.hotel-hiranoya.co.jp/

■旬景浪漫銀波荘

1955年に4室でオープンした創業68年の老舗旅館。1966年に将棋の王将戦が行われたことをきっかけに羽生善治氏や加藤一二三氏など名棋士たちによる様々なタイトル戦が行われることになり、“将棋の宿”“将棋の聖地”として有名になりました。三河湾ならでは素材の味に深みのある深海魚を使った料理や“美白泉”西浦温泉から見える三河湾の絶景が魅力です。

今回リフォームする部屋には、さりげないコミュニケーションが生まれる「シェアコーナー」や風景を楽しみ尽くす大きなデスク「パノラマビューデスク」、空間に上質な質感と機能性を生み出す「ライティングウォール」、などを取り入れています。温泉を改修したカフェにもご注目ください。