AI配筋検査システムの活用で現場の生産性が向上 ― 建設DX...

AI配筋検査システムの活用で現場の生産性が向上  ― 建設DXサービス「CONSAIT」を建設現場の配筋検査に適用 ―

安藤ハザマ(本社:東京都港区、代表取締役社長:国谷 一彦)は、プライム ライフ テクノロジーズ株式会社(東京都港区、代表取締役社長:北野 亮)が提供する建設DXサービス「CONSAIT(コンサイト)」AI配筋検査システム(注1)(以下、「本システム」)を、施工中の建築現場において検査・記録に適用し、現場管理業務の生産性向上を確認しました。


写真1:AI配筋検査システムの使用状況

写真1:AI配筋検査システムの使用状況


1. 適用の概要

現在、当社は滋賀県大津市の湖岸なぎさ公園(市民プラザ)に新しくオープンする和菓子の老舗たねやの新店舗「LAGO(ラーゴ)大津」の工事を行っています。

この工事現場の鉄筋コンクリート造(RC造)2階建ての建物の、1階から屋上の柱・梁・壁・スラブに加えて、階段・パラペット等の配筋に至る地上躯体全ての部位に本システムを適用しました(写真1)。

検査は、専用の3眼ステレオカメラを搭載したタブレット端末で柱、梁、壁およびスラブ配筋を立体的に検知し、鉄筋径・本数・ピッチを自動計測、帳票に記録しました(写真2)。

ステレオカメラ方式による計測が難しい定着長さや重ね継手長さ等は、電子マーカーと電子黒板を使用し、配筋写真を撮影しました。また、これらの計測結果・配筋写真は、目視検査結果(かぶり厚さ等)と一緒に平面図に関連付けて一元管理しました。


写真2:自動計測結果

写真2:自動計測結果


2. 生産性向上の効果

(1) 現場管理業務の時間短縮

本システムの使用により、効率良く配筋写真撮影、検査をすることができました。適用した配筋の数量について従来手法で管理した場合と比較すると、自動計測、電子マーカーの使用および帳票の自動作成により、現場管理業務の時間を約60%短縮することができました。また、配筋写真用黒板の事前準備や帳票整理をBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)で対応した場合でも、現場での検査・記録の部分で効率化が図れ、約40%の時間短縮効果が認められました(図1)。


図1:適用現場における現場管理業務時間の比較

図1:適用現場における現場管理業務時間の比較


(2) 検査記録の共有による管理やコミュニケーションの円滑化

作業所内のメンバー間で配筋写真や検査の進捗を共有したことで、検査担当者だけでなく、作業所長や作業所メンバーも状況を確認できるようになり、作業所内のコミュニケーションが円滑になりました。また、写真や検査記録は、平面図上に関連付けてクラウドで一元管理するため、各自のPCやタブレット端末から複数の目でタイムリーに確認でき、品質管理や工程管理にも有用でした。


(3) 若手職員の育成、ヒューマンエラーの防止

本システムを使用することで、撮影部位、検査箇所、検査項目等をPCやタブレット端末上で視覚的に確認できるため、若手職員の鉄筋工事に対する理解が深まりました。また、検査担当者と本システムによるダブルチェックを行うことで、見落とし等のヒューマンエラーの防止にも有用でした。



3. 今後の展開

本システムの適用により、配筋写真や検査の効率化に加えて、進捗状況の「見える化」により作業所内のコミュニケーションが円滑かつタイムリーになりました。また、業務の効率化だけでなく、本システムでの現場作業を通じて若手社員が鉄筋工事の知識を学ぶ時間にもなり、当社が目指す建設業の将来の姿に一歩近づけたことを実感できました。

今後は、RC造の建築現場を中心に本システムの適用を拡大し、さらなる生産性向上を目指していきます。



(注1) 建設DXサービス「CONSAIT(コンサイト)」AI配筋検査システムは、当社を含む下記ゼネコン21社とプライム ライフ テクノロジーズ株式会社による共同研究開発にて実施したものです。

青木あすなろ建設株式会社/株式会社淺沼組/株式会社安藤・間/株式会社奥村組/北野建設株式会社/株式会社熊谷組/五洋建設株式会社/佐藤工業株式会社/大末建設株式会社/髙松建設株式会社/鉄建建設株式会社/東急建設株式会社/戸田建設株式会社/飛島建設株式会社/西松建設株式会社/日本国土開発株式会社/株式会社長谷工コーポレーション/ピーエス・コンストラクション株式会社/株式会社松村組/村本建設株式会社/矢作建設工業株式会社


安藤ハザマ2024年4月8日リリース資料を参照

https://www.ad-hzm.co.jp/info/2024/20240408.php

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