明治学院大学とフェリス女学院大学との相互協力・連携協定を締結
明治学院大学(学長 今尾 真)とフェリス女学院大学(学長 小檜山 ルイ)は、教育研究活動の充実、教育の質的向上、及び人材の育成等に寄与することを目的とした連携協定を締結しました。
急速なグローバル化により産業構造、労働市場は大きな影響を受け、社会の複雑化、価値観の多様化が進み、異なる文化的背景をもつ人々とコミュニケーションをとる機会が増えています。複数の文化が共生する、正解が一つでない社会では、既存の制度や仕組みでは対応できない課題が生じています。複数の学問分野を融合させ、解決策を導く力、新たな価値を創造する力、そのための実践の場が大学には求められています。
このような認識のもと、異なる強みと学問分野をもつ両大学が連携し、学生や教職員の協働を推進することは、大学の責務であると考えます。
明治学院大学は、正課での単位互換科目等の拡大による多様な学びの提供、毎年多くの公務員試験合格者を輩出している公務員セミナーをはじめとした課外プログラムへの受講生受入れおよび図書館等、施設の相互利用の拡大などを構想しています。
フェリス女学院大学からは、音楽を含むリベラル・アーツの教育実績と2025年4月開設のグローバル教養学部における実学的専攻により複数の強みを提供することができます。
横浜に拠点をもち、ミッション系大学であり、創立者どうしに関係があることなど、両大学の共通項を活かし、教育リソースの提供のほか、「ジェンダー」研究の発展や職員の人事交流等、さまざまな面での連携事業を模索していきます。
明治学院大学は、幕末の1863年に宣教医師ヘボン博士が開設した男女共学の英学塾を起源としています。創立161年目となる2024年には、初の理系学部「情報数理学部」を設置し、7学部17学科、大学院は7研究科12専攻となりました。また2027年4月には初の理系研究科「情報数理学研究科」を設置する準備を進めています(仮称・設置構想中)。ヘボン博士の生涯を貫く信念“Do for Others(他者への貢献)”を教育理念とし、文理を備えた真の総合大学として、これまでの伝統を継承し、「教育・研究、社会貢献、公務員、スポーツの明学」など常に学びと実践の多様性を追求しています。
学校法人フェリス女学院は、1870年に日本における最初の近代的女子教育機関として創立されて以降、150年以上にわたって女性の中等・高等教育を展開してきました。1965年に大学を開学し、1997年以降は文学部、国際交流学部、音楽学部の3学部体制で、リベラル・アーツ教育に尽力してきました。2025年には3学部を発展改組して、1学部3学科9専攻体制に移行し、リベラル・アーツ教育をさらに進化させます。この発展改組においては、卒業後の職業を想定しやすい実学分野の専攻となる国際ビジネス・観光専攻、共生コミュニケーター専攻、音楽・身体表現専攻を新設いたします。自立した女性として社会に参画するためのジェンダー教育およびジェンダー研究、キャリア教育・支援を目的として、2023年4月にはジェンダースタディーズセンターを設立しました。ジェンダーの学知を生かし、女性の経験を基礎とした空間で女子大学ならではの多様性の追求と女性のリーダーシップの育成に取り組んでいきます。
〇本協定における連携事項
(1) 教育に関すること
(2) 学術研究に関すること
(3) 産学連携に関すること
(4) 人材育成に関すること
(5) 施設利用に関すること
(6) その他本協定の目的を達成するために必要なこと
協定書に署名する小檜山学長(左)と今尾学長(右)
記念撮影
◆明治学院大学とフェリス女学院大学の歴史的なつながりについて
明治学院大学とフェリス女学院大学の歴史は今から150年以上前にさかのぼります。
フェリス女学院の創設者であるメアリー.E.キダーは、1869年(明治2年)に日本宣教師の開拓者であったS.R.ブラウン博士に見込まれて来日しました。1870年、明治学院の初代総理J.C.ヘボンの妻のクララが運営する英学塾の生徒を、多忙となったクララから引き取り、ヘボンの施療所を借りて英語の授業を開始します。これがフェリス女学院の起源とされており、創設の歴史からも双方深い関係があります。
すべての画像