生きた乳酸菌やビフィズス菌はプロバイオティクスと呼ばれ、腸内フローラの改善に関与しています。腸内フローラとは、ヒトや動物の腸管に生息する多種多様な細菌の集まりのことであり、その構成は動物種によって異なると言われています。腸内フローラがヒトの健康に影響することは明らかになっていますが、ペットの健康にも腸内フローラが関係していることが分かってきました。大切な家族の一員であるワンちゃんやネコちゃんが元気に過ごせるよう、日頃の健康づくりに腸内フローラも意識してみてはいかがでしょうか。
今回は、ワンちゃんやネコちゃんへの乳酸菌やビフィズス菌の活用に関する調査の結果とともにワンちゃんやネコちゃんの腸内フローラについてご紹介します。
今回は、ワンちゃんやネコちゃんへの乳酸菌やビフィズス菌の活用に関する調査の結果とともにワンちゃんやネコちゃんの腸内フローラについてご紹介します。
ワンちゃん、ネコちゃんへの乳酸菌やビフィズス菌の活用に関する調査結果
調査の結果、ワンちゃんやネコちゃんともに乳酸菌やビフィズス菌を与えている人は、それぞれ約11.3%、11.8%と少数でした。ペットへの乳酸菌等の活用はまだまだ広がっていないようです。また、乳酸菌やビフィズス菌がワンちゃんやネコちゃんに与える効果として期待できることは、「お腹の不調の改善」が最も多く、次いで「免疫力の向上」と回答した人が多かったです。乳酸菌やビフィズス菌などのプロバイオティクスはお腹の不調の改善をはじめ、様々な作用が期待できるため、日頃の体調管理に取り入れてみてはいかがでしょうか。
また、乳酸菌やビフィズス菌をワンちゃんやネコちゃんに与えている人は、乳酸菌入りのフードやサプリメントなどの製品を与えていると回答していました。ワンちゃんやネコちゃんにあったやり方で腸活を始めてみましょう。
また、乳酸菌やビフィズス菌をワンちゃんやネコちゃんに与えている人は、乳酸菌入りのフードやサプリメントなどの製品を与えていると回答していました。ワンちゃんやネコちゃんにあったやり方で腸活を始めてみましょう。
ワンちゃん、ネコちゃんの腸内フローラについて
腸内フローラはワンちゃんやネコちゃんにも存在し、ヒトと同じように機能しています。詳細な菌数は分かっていませんが、ヒトよりも消化管の細菌密度は高いと言われています(1)。
腸内フローラは様々な生理作用を持っていますが、有益な作用としては、病原菌の排除や免疫の活性化、ビタミン産生などがあります。このように、腸内フローラは、健康と密接に関与しており、そのバランスの乱れは、下痢、肥満、アレルギーなどと関連しています。腸内フローラの改善には、乳酸菌やビフィズス菌などのプロバイオティクスを与えることも手段の一つです。乳酸菌やビフィズス菌はワンちゃんやネコちゃんの腸内にも存在していますが、ストレスや老化などにより減少してしまうことから、プロバイオティクスとして乳酸菌やビフィズス菌を補い、腸内フローラを整えてあげることが大切です。
腸内フローラは様々な生理作用を持っていますが、有益な作用としては、病原菌の排除や免疫の活性化、ビタミン産生などがあります。このように、腸内フローラは、健康と密接に関与しており、そのバランスの乱れは、下痢、肥満、アレルギーなどと関連しています。腸内フローラの改善には、乳酸菌やビフィズス菌などのプロバイオティクスを与えることも手段の一つです。乳酸菌やビフィズス菌はワンちゃんやネコちゃんの腸内にも存在していますが、ストレスや老化などにより減少してしまうことから、プロバイオティクスとして乳酸菌やビフィズス菌を補い、腸内フローラを整えてあげることが大切です。
ワンちゃん、ネコちゃんの腸内フローラを整えるメリット
腸内フローラを整えることは、ワンちゃんやネコちゃんの健康維持に様々な有益な作用をもたらします。主な作用をご紹介します。
1. お腹の不調の改善
下痢は、ワンちゃんやネコちゃんにとって一般的な症状ですが、腸内フローラの変化が関連しています。健康なワンちゃんと下痢をしているワンちゃんの腸内フローラを比較した報告(1)によると、ビフィズス菌は、健康なワンちゃんの全てに検出されたのに対し、急性下痢では検出率が減少し、慢性下痢では検出されませんでした。また、乳酸菌は急性、慢性下痢で菌数が減少し、一方で、ウェルシュ菌などの有害菌が下痢をしているワンちゃんで増加しました。乳酸菌やビフィズス菌などのプロバイオティクスを与えることは、腸内フローラを整え、下痢症状の改善につながることが考えられています。また、プロバイオティクスの摂取は便性状や便臭を改善することも報告されています(2)(3)。日頃から、お腹の健康維持にプロバイオティクスを活用してみてはいかがでしょうか。
2. 免疫の強化
腸内にはカラダの免疫細胞の約7割が集まっていると言われ、腸内フローラはこれらの免疫細胞を刺激して免疫反応を強化します。腸内フローラが産生する短鎖脂肪酸(酢酸や乳酸など)は腸内を酸性に保ち、悪玉菌の増殖を抑えるとともに、免疫細胞の活性化を促します。またプロバイオティクスを与えることにより、感染防御に重要な免疫抗体IgAが増加することも報告されています(4)。このように、腸内フローラを整えることは免疫機能が正常に働くことに寄与するため、日頃の体調管理に役立ちます。
3. 肥満の改善
動物病院に来院する約25%程度のワンちゃんが肥満傾向と言われています。肥満は糖尿病や関節疾患などの健康リスクと関連しており、生活の質の低下に繋がります。肥満の原因は運動不足や食べすぎなどによって起こります。これらに加えて、腸内フローラの乱れも肥満と関連していることが最近の研究から分かってきました。肥満であるワンちゃんと痩せているワンちゃんや、体重減少がスムーズなワンちゃんとそうではないワンちゃんでは腸内フローラが異なると言われており、肥満状態では、痩せにくい腸内フローラになっている可能性が考えられています。一方で、プロバイオティクスは体重の増加や脂肪の蓄積を抑える効果があることが報告されています(5)。
ワンちゃんやネコちゃんの肥満対策として、適度な運動や食生活の改善に加え、プロバイオティクスを取り入れることも手段の一つになるかもしれません。
1. お腹の不調の改善
下痢は、ワンちゃんやネコちゃんにとって一般的な症状ですが、腸内フローラの変化が関連しています。健康なワンちゃんと下痢をしているワンちゃんの腸内フローラを比較した報告(1)によると、ビフィズス菌は、健康なワンちゃんの全てに検出されたのに対し、急性下痢では検出率が減少し、慢性下痢では検出されませんでした。また、乳酸菌は急性、慢性下痢で菌数が減少し、一方で、ウェルシュ菌などの有害菌が下痢をしているワンちゃんで増加しました。乳酸菌やビフィズス菌などのプロバイオティクスを与えることは、腸内フローラを整え、下痢症状の改善につながることが考えられています。また、プロバイオティクスの摂取は便性状や便臭を改善することも報告されています(2)(3)。日頃から、お腹の健康維持にプロバイオティクスを活用してみてはいかがでしょうか。
2. 免疫の強化
腸内にはカラダの免疫細胞の約7割が集まっていると言われ、腸内フローラはこれらの免疫細胞を刺激して免疫反応を強化します。腸内フローラが産生する短鎖脂肪酸(酢酸や乳酸など)は腸内を酸性に保ち、悪玉菌の増殖を抑えるとともに、免疫細胞の活性化を促します。またプロバイオティクスを与えることにより、感染防御に重要な免疫抗体IgAが増加することも報告されています(4)。このように、腸内フローラを整えることは免疫機能が正常に働くことに寄与するため、日頃の体調管理に役立ちます。
3. 肥満の改善
動物病院に来院する約25%程度のワンちゃんが肥満傾向と言われています。肥満は糖尿病や関節疾患などの健康リスクと関連しており、生活の質の低下に繋がります。肥満の原因は運動不足や食べすぎなどによって起こります。これらに加えて、腸内フローラの乱れも肥満と関連していることが最近の研究から分かってきました。肥満であるワンちゃんと痩せているワンちゃんや、体重減少がスムーズなワンちゃんとそうではないワンちゃんでは腸内フローラが異なると言われており、肥満状態では、痩せにくい腸内フローラになっている可能性が考えられています。一方で、プロバイオティクスは体重の増加や脂肪の蓄積を抑える効果があることが報告されています(5)。
ワンちゃんやネコちゃんの肥満対策として、適度な運動や食生活の改善に加え、プロバイオティクスを取り入れることも手段の一つになるかもしれません。
最後に
調査の結果から、実際にワンちゃんやネコちゃんに乳酸菌やビフィズス菌を与えている人は少数でしたが、お腹の不調の改善や免疫力の向上を期待している人は多いことが分かりました。腸内フローラを整えることは様々な健康維持に役立ちます。腸内フローラの状態を日常で簡単に調べることは難しいですが、腸内フローラはウンチの臭いや形にも関係しています。そのため、いつものウンチをチェックしてワンちゃんやネコちゃんの健康状態を確認してみることも大切です。プロバイオティクスの摂取はワンちゃんやネコちゃんだけでなく飼い主さんにも、もちろん大切です。大切な家族と元気に過ごすためにも、一緒に腸活に取り組んでみてはいかがでしょうか。
【調査に関する概要】
調査実施会社:大正製薬株式会社
調査方法:インターネット調査
調査日:2024年12月18日~2024年12月25日
有効回答数:犬または猫を飼っている男女、186人
【引用】
(1) Bifidobacteria Microflora. 1983;2(1):41-55.
(2) Vet Rec Open. 2019;6(1):e000368.
(3) BMC Vet Res. 2020;16(1):116.
(4) Antioxidants. 2024;13(7):764.
(5) Microbiol Spectr. 2024;12(3):e0255223.
【調査に関する概要】
調査実施会社:大正製薬株式会社
調査方法:インターネット調査
調査日:2024年12月18日~2024年12月25日
有効回答数:犬または猫を飼っている男女、186人
【引用】
(1) Bifidobacteria Microflora. 1983;2(1):41-55.
(2) Vet Rec Open. 2019;6(1):e000368.
(3) BMC Vet Res. 2020;16(1):116.
(4) Antioxidants. 2024;13(7):764.
(5) Microbiol Spectr. 2024;12(3):e0255223.