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ベイン・アンド・カンパニー、 APAC Private Equity Report 2025を発表  回復の兆しを見せるアジア太平洋地域のプライベートエクイティ市場

企業動向
2025年3月31日 10:00
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ベイン・アンド・カンパニー(以下 ベイン、所在地:東京都港区赤坂)は、『Asia-Pacific Private Equity Report 2025( https://www.bain.com/insights/asia-pacific-private-equity-report-2025/ )』を発表しました。



【本レポートのポイント】

● 日本とインドがPE(プライベートエクイティ)投資家の注目市場に浮上

● 取引額とエグジット件数は回復傾向にある一方、資金調達環境は依然困難な状況で、ドライパウダーは減少傾向



【概要】

アジア太平洋地域のPE市場は、不透明なマクロ経済状況が続く中でも、2年続いた停滞からの回復の兆しを見せており、2024年の取引総額は前年比11%増の1,760億ドルに達しました。一方で、地域全体で投資が堅調であったにもかかわらず、取引件数は2023年比で9%減少しました。

また、ディール規模が拡大し、平均取引規模は1億3,300万ドル、2023年比22%増となり、過去5年間(2019~2023年)の平均と比べても12%高くなりました。10億ドル以上のメガディール件数も2023年比で50%増加し、これが平均取引規模の上昇を後押ししました。

バイアウトは引き続き堅調に推移しており、2024年の総取引額の過半を占めました。特に、インド、東南アジア、中国本土などの従来成長投資が中心だった市場でも、バイアウトの比率が上昇しました。当地域の多くで金利が低下したことも、バイアウトの増加を後押ししています。

2024年に実施された1億ドル超のバイアウト案件のうち19%がカーブアウト案件でした。平均リターンは低めであるにもかかわらず、ベインの調査では当地域のジェネラル・パートナー(GP)の44%がカーブアウトを有望な投資機会と見なしています。これは、日本や韓国において大手企業が事業再編を進め、事業部門の売却が進んでいることが背景にあると考えられます。


ベインのアジア太平洋地域のPEプラクティス共同責任者で東京オフィスパートナーのセバスチャン・レイミーは次のように述べています。「投資家は依然として市場の不確実性を警戒しており、リスク管理と価値向上の明確な道筋を確保する手段として、バイアウトを選好する傾向が続いています。カーブアウトを検討する場合は、実行可能な価値創出プランが不可欠です。2024年には当地域の多くの市場で取引総額が増加したものの、実際の投資活動には地域差がありました。日本とインドは活発な投資家層の拡大や、主要なグローバルPEファンドがこれらの市場への資金投入を計画していることから、今後の注目市場になるとみられます」



【日本市場に関する動向】

日本では、取引件数は前年と同水準だったものの、複数の大型案件が含まれていた前年と比べ取引総額は大幅に減少しました。当地域のPE市場で20年以上の投資実績を持つ大手グローバルファンドマネージャーの一部は、中国から焦点を移しつつあり、昨年これらのGPは2014年から2018年の平均と比べて、日本とインドでほぼ2倍のディールを成立させました。今後は、主要なグローバルPEファンドがインドと日本にさらに多くの資本投下を予定しています。リミテッド・パートナー(LP)もインドと日本の市場の魅力を認識しており、これらの市場への戦略的なシフトに肯定的な姿勢を示しています。2024年には、日本のアクティブ投資家数が14%増加し、競争が縮小傾向にある地域全体の中で異例の伸びを示しました。



【その他本レポートに含まれる内容】

-ディールマルチプル(企業価値をEBITDAで割った指標)は、当地域の上場企業の評価額上昇や株式市場の回復を背景に、前年の10.3倍から12.8倍へ上昇


-2024年には多くの市場でエグジット総額と件数が改善を見せ、地域全体ではほぼ横ばいとなり、2年続いた急激な減少に終止符


-新規ファンドの資金調達(人民元建てファンドを除く)は3年連続で厳しい状況。2024年に当地域向けに調達された資金総額は740億ドルと、過去10年で最低水準に落ち込み、前年比で20%以上減、過去5年平均比でも43%減


-未投資資金(ドライパウダー)は、2023年の過去最高水準から減少。資金調達環境の厳しさがその要因


レポート全文(英語)はこちらよりご覧いただけます。

https://www.bain.com/globalassets/noindex/2025/bain_report_asia_pacific_private_equity_report_2025.pdf



【ベイン・アンド・カンパニーについて】

ベイン・アンド・カンパニーは、未来を切り開き、変革を起こそうとしている世界のビジネス・リーダーを支援しているコンサルティングファームです。1973年の創設以来、クライアントの成功をベインの成功指標とし、世界40か国65都市にネットワークを展開しています。クライアントが厳しい競争環境の中でも成長し続け、クライアントと共通の目標に向かって「結果」を出せるように支援しています。私たちは持続可能で優れた結果をより早く提供するために、様々な業界や経営テーマにおける知識を統合し、外部の厳選されたデジタル企業等とも提携しながらクライアントごとにカスタマイズしたコンサルティング活動を行っています。また、教育、人種問題、社会正義、経済発展、環境などの世界が抱える緊急課題に取り組んでいる非営利団体に対し、プロボノコンサルティングサービスを提供することで社会に貢献しています。


商号  : ベイン・アンド・カンパニー・ジャパン・インコーポレイテッド

所在地 : 東京都港区赤坂9-7-1 ミッドタウン・タワー37階

URL   : https://www.bain.co.jp

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