企業の広告宣伝担当者100人に聞いた Cookie等を用いたユーザー行動分析の利用実態調査 2019年版
直近1年間で、広告効果測定の手段として強く不足を感じる層が増加
株式会社サイカ(本社:東京都千代田区、代表取締役CEO:平尾 喜昭、以下 サイカ)は、独自の広告調査・研究レポートの第13弾として、「Cookie等を用いたユーザー行動分析の利用実態調査 2019年版」を実施いたしましたので結果を発表いたします。
本レポートは、昨年11月に実施した同調査2018年版と比較し、直近1年間で企業に起きた変化についてまとめたものです。
※ 前回の調査結果は下記のURLよりご参照ください
「『Cookie等を用いたユーザー行動分析』に関する意識調査から見えた、広告効果測定の潮流」
https://xica.net/magellan/column/website-visitor-tracking/
【本調査の背景】
●インターネット広告の発展とともに普及したCookieに生じた課題
1996年の誕生以来、インターネット広告(*1)は急速に普及し、1998年と2018年で比較すると、20年の間に国内の広告費に占めるインターネット広告の割合は0.3%から39.4%にまで伸張しました。
インターネット広告市場の拡大とともに広告媒体の種類も飛躍的に増加し、企業の広告戦略が複雑化する中で、出稿した広告の効果測定を行うための技術も進歩してきました。
その中でも特に、Cookie等のオンライン識別子を用いて個人を特定、追跡する手法は、インターネット広告の効果測定手法として広く普及し、発展してきました。
しかし近年では、テレビCM等のオフライン広告(*2)も含めて統合的に広告効果を測定する手法へのニーズが高まっており、昨年の調査では、Cookie等を用いた効果測定手法に対し、その手法を用いている広告宣伝担当者のおよそ7割が十分に広告効果を測定できていないと回答する結果となりました。
昨年の調査から1年が経過し、今年の10月には公正取引委員会がCookie利用に対する規制の検討に入ったと報じられる(*3)など、個人データ取得の難化も話題となる中、企業のマーケティング現場におけるCookie等を用いた効果測定手法の利用実態や課題にどのような変化があったのか、国内の広告宣伝担当者106名に調査を行いました。
【調査結果サマリー】
●直近1年間で、広告効果測定の手段として強く不足を感じる層が増加
1. Cookie等を用いたユーザー行動分析を実施する広告宣伝担当者の割合は昨年の調査からほぼ変動が無く、約7割が日常的に実施していました。
2. Cookie等を用いたユーザー行動分析に不足を感じている方のうち、「(広告効果を)あまり測定できているとはいえない」と回答した方の割合が昨年から約1割増加しました
これらの調査結果から、Cookie等を用いたユーザー行動分析が依然としてポピュラーな効果測定手法としてマーケティング現場で用いられながらも、効果測定手法として昨年の調査時より強く不足を感じる方が増加している現状がうかがえました。
また、不足を感じる点としては昨年の調査では3位だった「(Cookie等で)効果を測定できる範囲が限定的なため、一部効果を測定できない施策がある」という回答が首位となりました。これは、今年4月に当社が実施した調査で、インターネット広告に加えてオフライン広告や外部的な影響要因までも統合して広告の効果測定を実践している企業が10%以上増加していたことからも、インターネット外の領域も横断的に分析し、効果測定を行う手法へのニーズが高まっていることが一因であると推察されます。
※ 広告効果の分析手法に関する過去の調査結果は下記のURLよりご参照ください
「広告の効果測定方法に関するアンケート調査 2019年版」
https://xica.net/magellan/column/advertising-effectiveness-2019/
【調査結果の概要】
1. 測定手法の利用状況
広告の効果測定手法としてCookie等を用いたユーザー行動分析がどの程度利用されているのかを調査し、以下の結果を得ました。
昨年の結果からの変動はすべての選択肢で2%以内に収まり、大きな変動は見られない結果となりました。
この結果から、Cookie等を用いたユーザー行動分析は、依然としてポピュラーな効果測定手法としてマーケティング現場で利用されている状況がうかがえました。
2. 測定手法の満足度
広告宣伝担当者のCookie等を用いたユーザー行動分析に対する満足度を調査し、以下の結果を得ました。
「十分に測定できている(31.2%)」と回答した方を除く、Cookie等を用いたユーザー行動分析に何らかの不足を感じている方の割合は約7割と昨年の調査から大きな変動はありませんでした。しかし、不足を感じている方の内訳として「あまり測定できているとはいえない」と回答した方の割合が8.0%から17.2%に増加し、昨年より強く不足を感じるようになっている状況がうかがえました。
3. 測定手法の不足点
広告宣伝担当者がCookie等を用いたユーザー行動分析に不足を感じている理由を調査し、以下の結果を得ました。
昨年の調査では3位だった「効果を測定できる範囲が限定的なため、一部効果を測定できない施策がある」が今回の調査では首位となりました。
個人情報保護に関する規制強化の動きを受け、今回の調査から選択肢として追加した「規制強化への対応により、十分なユーザーデータの確保が難しい(23.4%)」は同率3位という結果になりました。
なお、4位以下も含む今回の調査結果は以下のとおりです。
【調査の概要】
調査名 :Cookie等を用いたユーザー行動分析の利用実態調査 2019年版
調査対象期間:2019年11月
調査方法 :Webアンケート調査
調査対象 :以下の条件を満たす106人の広告宣伝担当者
・インターネット広告を出稿している企業の勤務者
(インターネット広告のみを出稿している企業に限定せず、
並行してオフライン広告を出稿している企業も含みます)
・その企業にて、広告出稿業務、ならびに
出稿した広告の効果測定業務に現在従事している者
【本ランキング作成の背景】
テレビCMなどのオフライン広告は、国内で1年間に約5兆円(*4)の費用が使われながらも、効率的な広告出稿や効果測定の手法が確立しておらず、情報も得にくい領域です。
そのような現状に対し、インターネット広告とオフライン広告の統合的な分析を可能にするマーケティングツール「XICA magellan(マゼラン)」を提供するサイカは、オフライン広告領域の実態を明らかにすべく、調査・研究を行っています。
その調査・研究結果の第13弾として、「企業の広告宣伝担当者100人に聞いた Cookie等を用いたユーザー行動分析の利用実態調査 2019年版」レポートを作成いたしました。
●株式会社サイカについて http://xica.net/
サイカは、“すべてのデータに示唆を届けすべての人に幸福を届ける”というミッションのもと、2012年の創業以来、統計分析システムの企画・開発・提供分野において急成長を続けているITプロダクト開発企業です。創業当時より「分析のプロ」ではなく「現場のプロ」であるビジネスパーソンをユーザー対象としており、その独自戦略のもとに鍛え上げられた、プロダクトの操作性と直観性が高く評価されてきました。
●XICA magellanについて http://xica.net/magellan/
インターネット広告(リスティング広告、動画広告など)、テレビCM、交通広告など多種多様な広告の効果を統合的に分析し、広告予算の最適な配分案を算出することで、企業の全体最適なマーケティング活動を支援します。2016年9月の提供開始以来、テレビCMを出稿する国内大手企業を中心に100社以上の企業に導入され、国内の広告宣伝費トップ100企業(*5)の10%の企業で広告分析にマゼランが利用されるなど、高い評価を得ています。
1 インターネット広告とは、インターネット上で出稿される広告のことで、リスティング広告、動画広告、メール広告、SNS広告などが含まれます。
2 オフライン広告とは、インターネットを介さない広告のことで、テレビCM、ラジオ、新聞、雑誌、チラシなどが含まれます。
3 出典:「クッキー」情報収集、公取委規制へ スマホ位置情報も|朝日新聞デジタル|2019年10月29日
( https://www.asahi.com/articles/ASMBQ7JVNMBQULZU01H.html )
4 出典:2017年(平成29年)日本の広告費|株式会社電通|2018年2月22日
( http://www.dentsu.co.jp/news/release/2018/0222-009476.html )
5 出典:「広告宣伝費」が多いトップ300社ランキング|東洋経済オンライン|2017年09月10日
プレスリリース添付資料
- カテゴリ:
- 調査・報告
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