香川大学、香川県立保健医療大学と共同検証 ナプキンへの「温感技術」搭載※1により、 74%の方の生理痛※2が軽減※3することを実証。
ユニ・チャーム株式会社(代表取締役 社長執行役員:高原豪久)は、生理痛に悩む女性のために開発された「温感技術」※1が、生理痛※2や心理的負担に及ぼす影響※3について、香川大学・香川県立保健医療大学と共同で検証し、第49回日本女性心身医学会学術集会にて発表しました。その検証結果についてご報告します。
※1 「温感技術」とは、一般的な生理用ナプキンに施した下腹部を覆う前部パッド、温感剤、ヨモギ調の香りを指す。(下図【I群】試験ナプキンA)
※2 本リリースでは、「月経」「月経痛」を、一般的に使用されていることの多い「生理」「生理痛」に変更して記載。学会では研究タイトル・試験サンプル名を除き、「月経」「月経痛」にて発表を実施した。
※3 ナプキンに搭載した「温感技術」により、「生理痛が非常に軽くなった」「軽くなった」と回答した鎮痛剤非服用の方の割合。本リリース「検証の結果(2)」にてグラフを掲載。
■検証のまとめ
◆「試験ナプキンA」を使用した人では、「試験ナプキンB」を使用した人に比べ、試験当日の鎮痛剤服用者数・服用回数が減少した。
◆鎮痛剤非服用者のみで比較すると、「試験ナプキンA」を使用した人では、「試験ナプキンB」を使用した人に比べ、生理痛軽減度が有意に改善された。
◆「試験ナプキンA」を使用した人は、身体があたたまることを実感した。温感の感じ方には個人差があり、温感を「ちょうどよいと感じた人」では、「強いと感じた人」に比べ、生理痛VAS※4が有意に改善された。また、心理的にも”リラックスできた・ほっとした“と感じた割合が高かった。
※4 生理痛VAS (Visual Analog Scale)とは、検証対象者の主観値の評価手法。回答紙に10cmの線を引いて、左端を無痛(0)、右端を今までの生理痛で最高の痛み(100)とし、対象者の生理痛が0~100のどこに当たるのかを記録する手法。
■検証の背景
近年、女性の社会進出が進む一方で、生理のある方は生理による心やカラダの不調に対し、自身に合った適切な対処ができていない状況があります。実際に、日本では女性労働者の45.9%が、生理を苦痛と感じており、生理痛に対する困窮度も高いことが分かっています。しかしながら、生理痛を対処する手段は多くありません。今回はその解決手段の一つとして、温感剤などを用いた「温感技術」をナプキンに搭載することで、生理痛が緩和され、また心理的負担も軽減されるのではと考え、香川大学、香川県立保健医療大学と共同で検証を行いました。
Data source:全国労働組合総連合女性部 女性労働者の健康・労働実態及び雇用における男女平等調査報告(2007年実施)
Data source:ユニ・チャーム調べ(2016年実施、対象者:生理のある一般的な女性)
Data source:ユニ・チャーム調べ(2016年実施、対象者:毎月ひどい生理痛のある女性)
■検証の概要
対象者 :毎月ひどい/ややひどい生理痛がある
20~34歳までの健康な未産婦
対象群と試験ナプキン:I群 試験ナプキンA(温感技術搭載ナプキン)(42名)
II群 試験ナプキンB(一般的な生理用ナプキン)(41名)
実施期間 :2018年10月~12月、対象者の月経2日目の
朝から就寝までの間
実施方法 :・対象者を生理の状態、
鎮痛剤服用習慣が同等な2群に分けた。
・試験ナプキンは1人4枚ずつ配布し、普段の
生理用ナプキンと同様に使用・交換してもらった。
・生活や行動の制限は行わず、普段の月経中と
同様に過ごしてもらった。
・生理痛評価はVAS及び軽減度、製品評価は
総合評価及び機能別評価、温感評価等を行った。
■検証の結果
(1)鎮痛剤服用者の割合及び鎮痛剤服用回数が「普段よりも減った」と回答した人の割合
(2)鎮痛剤非服用者の生理痛軽減度
(3)【I群】 温感を「ちょうどよいと感じた人」と「強いと感じた人」の生理痛VASの変化
(4)【I群】 温感を「ちょうどよいと感じた人」と「強いと感じた人」が「リラックスできた」「ほっとした」と回答した割合
■検証の考察
今回の結果から、ナプキンに搭載された「温感技術」により、生理痛が緩和される可能性があることが示されました。また、ちょうど良い温感を提供することによって、生理中の女性の気持ちをポジティブに変化させられる可能性もあることが分かりました。
■香川大学 塩田敦子先生のコメント
生理痛は月経困難症という立派な病気です。子宮筋腫や子宮内膜症など、異常があって痛む場合は器質性月経困難症、異常はないけれど痛む場合を機能性月経困難症と呼び、このタイプの方が圧倒的に多いです。痛みの原因となるのは、主に子宮内膜に含まれるプロスタグランジンという物質。子宮の筋肉を収縮させ、子宮を栄養する血管も収縮させるので血流が悪くなって痛みます。またストレスや不安も交感神経を興奮させ血流を悪くします。ナプキンに搭載した「温感技術」※5は、温感と香りを「心地よい」と感じさせること、軸索反射で皮膚温を上げることで、副交感神経を働かせ、子宮の血流を改善させると考えられます。実際に生理痛が緩和されたという検証結果が出たことはうれしいことでした。
生理痛に困っている方は、婦人科を受診していただくことも大切です。鎮痛剤、低用量ピルなどの治療薬もあります。でも痛みという症状は漢方医学的に考えると身体のバランスの崩れのサインでもあるので、冷えやストレスを緩和して心身のバランスを整えることが必要です。生理痛を適切にケアできるこのようなナプキンを研究・開発することは、自分の身体のリズムに合わせてなかなか休むことのできない、現代女性の強い味方になるだろうと確信しています。
※5 「温感技術」とは、一般的な生理用ナプキンに施した下腹部を覆う前部パッド、温感剤、ヨモギ調の香りを指す。
■当社コメント
現在も、生理痛に悩まれている方は多くいらっしゃいます。当社では生理用品を通じて女性の心とカラダに寄り添い、QOL向上をサポート出来る製品開発を目指したいと考えております。
■共同研究メンバー
香川大学 医学部医学科健康科学 教授 塩田 敦子氏
ユニ・チャーム株式会社 共生社会研究所 横尾 愛
ユニ・チャーム株式会社 共生社会研究所 石川 浩樹
ユニ・チャーム株式会社 林 俊久
ユニ・チャーム株式会社 山本 なるみ
ユニ・チャーム株式会社 内田 祥平
ユニ・チャーム株式会社 秋山 紗恵子
《ご案内》
本技術は、2020年12月24日にニュースリリースした中国発売のナプキンに応用されています。
https://www.unicharm.co.jp/ja/company/news/2020/1215208_13534.html
本研究はCOVID-19の影響で学会が1年延期されたため、今年の発表となりました。
■『生理用ナプキンの研究開発技術』を通じて、貢献する「SDGs 17の目標」
『生理用ナプキンの研究開発技術』を追求することは、2015年に国連で採択された「持続可能な開発目標」(SDGs:Sustainable Development Goals)で定めた17の目標のうち、下記に貢献するとユニ・チャームでは考えております。
3. すべての人に健康と福祉を
これからも、商品やサービスの提供といった事業活動を通じて、環境保護や社会課題を解決し、SDGsの達成に貢献することを目指します。
■会社概要
社名 :ユニ・チャーム株式会社
設立 :1961年2月10日
本店 :愛媛県四国中央市金生町下分182番地
本社 :東京都港区三田3-5-27 住友不動産三田ツインビル西館
社員数 :グループ合計16,207名(2018年12月)
事業内容:ベビーケア関連製品、フェミニンケア関連製品
ヘルスケア関連製品、化粧パフ、ハウスホールド製品、
ペットケア関連製品、産業資材、食品包材等の販売
ユニ・チャーム株式会社 ホームページアドレス
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